今回は、消費税のリース譲渡の経過措置のうち、施行令の附則第3条第2項を確認してみましょう。
目次
内容
政令の附則第3条第2項には、令和7年経過措置課税期間について規定されています。非常に長い規定ですので、読み替える規定ごとに確認してみましょう。
1、読替規定
2、読み替えた後
の順に確認しています。
旧令第32の2条、リース延払基準の方法により経理した場合のリース譲渡に係る資産の譲渡等の時期の特例
1、読替規定
旧令第三十二条の二第一項中「法第十六条第一項」とあるのは「旧効力消費税法第十六条第一項」と、「所得税法施行令(昭和四十年政令第九十六号)」とあるのは「所得税法施行令等の一部を改正する政令(令和七年政令第百二十号)附則第九条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる同令第一条の規定による改正前の所得税法施行令(昭和四十年政令第九十六号)(第三十六条の二第三項において「旧効力所得税法施行令」という。)」と、「法人税法施行令」とあるのは「旧効力法人税法施行令」と、「所得税法第六十五条第一項」とあるのは「旧効力所得税法(令和七年改正法附則第四条第三項に規定する旧効力所得税法をいう。第三十六条の二第一項において同じ。)第六十五条第一項」と、「法人税法第六十三条第一項」とあるのは「旧効力法人税法第六十三条第一項」と、同条第二項中「法」とあるのは「旧効力消費税法」と、同条第三項中「これらの」とあるのは「当該」と、
2、読み替えた後
(リース延払基準の方法により経理した場合のリース譲渡に係る資産の譲渡等の時期の特例)
第三十二条の二 旧効力消費税法第十六条第一項の事業者の同項に規定する延払基準の方法が所得税法施行令等の一部を改正する政令(令和七年政令第百二十号)附則第九条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる同令第一条の規定による改正前の所得税法施行令(昭和四十年政令第九十六号)(第三十六条の二第三項において「旧効力所得税法施行令」という。)第百八十八条第一項第二号(延払基準の方法)又は旧効力法人税法施行令第百二十四条第一項第二号(延払基準の方法)に掲げる方法である場合には、法第十六条第一項の規定にかかわらず、同項の規定により当該事業者が同項のリース譲渡をした日の属する課税期間において資産の譲渡等を行わなかつたものとみなされる部分は、当該リース譲渡のうち当該リース譲渡に係る旧効力所得税法(令和七年改正法附則第四条第三項に規定する旧効力所得税法をいう。第三十六条の二第一項において同じ。)第六十五条第一項(リース譲渡に係る収入及び費用の帰属時期)又は旧効力法人税法第六十三条第一項(リース譲渡に係る収益及び費用の帰属事業年度)に規定する各年又は各事業年度(当該課税期間の翌課税期間の初日以後にその年の十二月三十一日又はその事業年度終了の日が到来するものに限る。)のリース譲渡延払収益額(これらの規定により当該各年の総収入金額に算入される収入金額又は当該各事業年度の益金の額に算入される収益の額をいう。)に係る部分とし、当該リース譲渡に係る対価の額から控除することができる対価の額は、当該部分に係る対価の額とする。
旧消費税法施行令第32条の2の経過措置です。延払基準の特例は、
1、賦払金の割合で計算する方法
2、元本相当額と利息相当額で分ける方法
の2つがあり、2の方法の経過措置が上記の規定です。
2、読み替えた後
2 前項の場合において、旧効力消費税法第十六条第一項及び前項の規定によりリース譲渡をした日の属する課税期間において資産の譲渡等を行わなかつたものとみなされた部分につき同条第二項本文の規定により資産の譲渡等を行つたものとみなされる部分は、同項本文及び第三十一条の規定にかかわらず、当該リース譲渡に係る対価の額のうち前項に規定する各年又は各事業年度における同項のリース譲渡延払収益額に係る部分とし、当該リース譲渡延払収益額につき資産の譲渡等を行つたものとみなされる当該課税期間の翌課税期間以後の各課税期間は、当該各年又は各事業年度のそれぞれの年の十二月三十一日の属する課税期間又はそれぞれの事業年度終了の日の属する課税期間とする。
上記の第32条の2第1項は、リース譲渡した場合に売上からマイナスできる規定です。第2項は、売上からマイナスした金額(繰り延べた金額)を売上として計上する規定です。
第3項は、読替規定
第1項と第2項の規定の適用がある場合は、さらに読み替えが必要となります。
読み替えの対象となる規定は、
前条と次条から第35条までの規定です。
- 旧令第32条、延払基準の方法により経理しなかつた場合等の処理
- 旧令第33条、納税義務の免除を受けることとなつた場合等の処理
- 旧令第34条、事業の廃止、死亡等の場合のリース譲渡に係る資産の譲渡等の時期の特例
- 旧令第35条、合併等の場合のリース譲渡に係る資産の譲渡等の時期の特例
複雑なので分けて確認してみましょう。
旧令第32条、延払基準の方法により経理しなかつた場合等の処理
第3項、読替規定
3 前二項の規定の適用がある場合における前条及び次条から第三十五条までの規定の適用については、前条第一項中「賦払金の額」とあるのは「対価の額」と、「の初日以後にその支払の期日が到来するもの(当該課税期間の初日の前日以前に既に支払を受けたものを除く。)」とあるのは「(以下この項において「特定課税期間」と総称する。)以後の各課税期間におけるリース譲渡延払収益額(次条第一項に規定するリース譲渡延払収益額をいう。以下この条及び第三十三条から第三十五条までにおいて同じ。)」と、「当該課税期間において」とあるのは「当該特定課税期間において」と、同条第二項及び第三項、次条並びに第三十四条第一項中「賦払金の額」とあるのは「対価の額」と、「の初日以後にその支払の期日が到来するもの(当該課税期間の初日の前日以前に既に支払を受けたものを除く。)」とあるのは「以後の各課税期間におけるリース譲渡延払収益額」と、同条第三項及び第四項中「賦払金の額」とあるのは「対価の額」と、「の初日以後にその支払の期日が到来するもの(当該課税期間の初日の前日以前に既に当該個人事業者又は当該相続人が支払を受けたものを除く。)」とあるのは「以後の各課税期間におけるリース譲渡延払収益額」と、第三十五条第一項中「賦払金の額」とあるのは「対価の額」と、「の初日以後にその支払の期日が到来するもの(当該課税期間の初日の前日以前に既に支払を受けたものを除く。)」とあるのは「以後の各課税期間におけるリース譲渡延払収益額」と、同条第三項及び第四項中「賦払金の額」とあるのは「対価の額」と、「の初日以後にその支払の期日が到来するもの(当該課税期間の初日の前日以前に既に当該被合併法人又は当該合併法人が支払を受けたものを除く。)」とあるのは「以後の各課税期間におけるリース譲渡延払収益額」とする。
第32条第1項、読み替えた後
(延払基準の方法により経理しなかつた場合等の処理)
第三十二条 リース譲渡につき法第十六条第二項本文の規定の適用を受けている事業者が同項ただし書の規定の適用を受けることとなつた場合には、当該リース譲渡で同項本文の規定の適用を受けていたもののうち、当該リース譲渡に係る対価の額で所得税法第六十五条第一項ただし書(リース譲渡に係る収入及び費用の帰属時期)に規定する経理しなかつた年の十二月三十一日の属する課税期間又は法人税法第六十三条第一項ただし書(リース譲渡に係る収益及び費用の帰属事業年度)に規定する経理しなかつた決算に係る事業年度終了の日の属する課税期間若しくは同条第三項若しくは第四項の規定の適用を受けた事業年度終了の日の属する課税期間(以下この項において「特定課税期間」と総称する。)以後の各課税期間におけるリース譲渡延払収益額(次条第一項に規定するリース譲渡延払収益額をいう。以下この条及び第三十三条から第三十五条までにおいて同じ。)に係る部分は、当該事業者が当該特定課税期間においてにおいて資産の譲渡等を行つたものとみなす。
延払基準の経理を止めた場合は、リース譲渡を精算する必要があります。
第2項、読み替えた後
2 リース譲渡につき法第十六条第二項本文の規定の適用を受けている事業者が法人税法施行令第百二十五条第三項(延払基準の方法により経理しなかつた場合等の処理)の規定の適用を受けることとなつた場合には、当該リース譲渡で法第十六条第二項本文の規定の適用を受けていたもののうち、当該リース譲渡に係る対価の額で同令第百二十五条第三項に規定する前日の属する事業年度終了の日の属する課税期間以後の各課税期間におけるリース譲渡延払収益額に係る部分は、法第十六条第二項本文の規定にかかわらず、当該事業者が当該課税期間において資産の譲渡等を行つたものとみなす。
第3項、読み替えた後
3 リース譲渡につき法第十六条第一項の規定の適用を受けている事業者が同項の規定の適用を受けることとした課税期間の翌課税期間以後のいずれかの課税期間において同項の規定の適用を受けないこととした場合(前二項に規定する場合に該当する場合を除く。)には、その適用を受けないこととした課税期間の初日の前日以前に行つたリース譲渡で同条第二項本文の規定の適用を受けていたもののうち、その適用を受けないこととしたリース譲渡に係る対価の額で当該課税期間以後の各課税期間におけるリース譲渡延払収益額に係る部分は、同項本文の規定にかかわらず、当該事業者が当該課税期間において資産の譲渡等を行つたものとみなす。
第2項も第3項も、リース譲渡を精算する規定です。計算する金額が変わるため、用語が変わります。
旧令第33条、納税義務の免除を受けることとなつた場合等の処理
第33条、読み替えた後
(納税義務の免除を受けることとなつた場合等の処理)
第三十三条 リース譲渡につき法第十六条第二項本文の規定の適用を受けている事業者が次に掲げる場合に該当することとなつた場合には、その該当することとなつた課税期間の初日の前日以前に行つたリース譲渡で同項本文の規定の適用を受けていたもののうち、当該リース譲渡に係る対価の額で当該課税期間以後の各課税期間におけるリース譲渡延払収益額に係る部分は、同項本文の規定にかかわらず、当該事業者が当該課税期間の初日の前日において資産の譲渡等を行つたものとみなす。
一 事業者(法第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者を除く。)が同項本文の規定の適用を受けることとなつた場合
二 事業者(法第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者に限る。)が同項本文の規定の適用を受けないこととなつた場合
計算する金額が変わるため、用語が変わります。
旧令第34条、事業の廃止、死亡等の場合のリース譲渡に係る資産の譲渡等の時期の特例
第34条、読み替えた後
(事業の廃止、死亡等の場合のリース譲渡に係る資産の譲渡等の時期の特例)
第三十四条 リース譲渡につき法第十六条第二項本文の規定の適用を受けている個人事業者が次に掲げる場合に該当することとなつた場合には、その該当することとなつた日の属する課税期間の初日の前日以前に当該個人事業者が行つたリース譲渡で同項本文の規定の適用を受けていたもののうち、当該リース譲渡に係る対価の額で当該課税期間以後の各課税期間におけるリース譲渡延払収益額に係る部分は、同項本文の規定にかかわらず、当該個人事業者が当該課税期間において資産の譲渡等を行つたものとみなす。
一 当該個人事業者が死亡した場合において、当該リース譲渡に係る事業を承継した相続人がないとき。
二 当該個人事業者(法第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者を除く。)が死亡した場合において、当該リース譲渡に係る事業を承継した相続人が同項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者であるとき。
三 当該個人事業者(法第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者に限る。)が死亡した場合において、当該リース譲渡に係る事業を承継した相続人が同項本文の規定の適用を受けない事業者であるとき。
四 当該個人事業者が当該リース譲渡に係る事業の全部を譲渡し、又は廃止した場合
2 リース譲渡につき法第十六条第二項本文の規定の適用を受けている個人事業者が死亡した場合(前項第二号又は第三号に掲げる場合に該当することとなつた場合を除く。次項及び第四項において同じ。)において、当該個人事業者が行つたリース譲渡で同条第二項本文の規定の適用を受けていたものに係る対価の額につき、当該個人事業者の当該リース譲渡に係る事業を承継した相続人が当該死亡の日の属する課税期間以後の課税期間において同条第一項に規定する延払基準の方法(次項並びに次条及び第三十七条において「延払基準の方法」という。)により経理することとしているときは、その経理することとしている対価の額に係るリース譲渡については、当該相続人が資産の譲渡等を行つたものとみなして、法第十六条第二項本文の規定を適用する。この場合において、当該リース譲渡に係る第三十一条の規定の適用については、同条中「支払を受けている金額」とあるのは、「支払を受けている金額(既にその死亡した個人事業者が支払を受けている金額を含む。)」とする。
3 前項に規定する個人事業者が死亡した場合において、当該個人事業者の同項に規定する事業を承継した相続人が、当該死亡の日の属する年以後のいずれかの年において、当該個人事業者が行つたリース譲渡で法第十六条第二項本文の規定の適用を受けていたものに係る対価の額につき延払基準の方法により経理しなかつたときは、当該リース譲渡のうち当該リース譲渡に係る対価の額でその経理しなかつた年の十二月三十一日の属する課税期間以後の各課税期間におけるリース譲渡延払収益額に係る部分については、当該相続人が当該課税期間において資産の譲渡等を行つたものとみなす。
4 第二項に規定する個人事業者が死亡した場合において、当該個人事業者の同項に規定する事業を承継した相続人が、当該死亡の日の属する課税期間以後のいずれかの課税期間において、当該個人事業者が行つたリース譲渡で法第十六条第二項本文の規定の適用を受けていたものに係る対価の額につき同項本文の規定の適用を受けないこととしたときは、当該リース譲渡のうちその適用を受けないこととしたリース譲渡に係る対価の額でその適用を受けないこととした課税期間以後の各課税期間におけるリース譲渡延払収益額に係る部分については、当該相続人が当該課税期間において資産の譲渡等を行つたものとみなす。
計算する金額が変わるため、用語が変わります。
旧令第35条、合併等の場合のリース譲渡に係る資産の譲渡等の時期の特例
第35条、読み替えた後
(合併等の場合のリース譲渡に係る資産の譲渡等の時期の特例)
第三十五条 リース譲渡につき法第十六条第二項本文の規定の適用を受けている法人が次に掲げる場合に該当することとなつた場合には、その該当することとなつた日の属する課税期間の初日の前日以前に当該法人が行つたリース譲渡で同項本文の規定の適用を受けていたもののうち、当該リース譲渡に係る対価の額で当該課税期間以後の各課税期間におけるリース譲渡延払収益額に係る部分は、同項本文の規定にかかわらず、当該法人が当該課税期間において資産の譲渡等を行つたものとみなす。
一 当該法人(法第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される法人を除く。)が合併により消滅した場合において、当該リース譲渡に係る事業を承継した合併法人が同項本文の規定により消費税を納める義務が免除される法人であるとき。
二 当該法人(法第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される法人に限る。)が合併により消滅した場合において、当該リース譲渡に係る事業を承継した合併法人が同項本文の規定の適用を受けない法人であるとき。
三 当該法人が当該リース譲渡に係る事業の全部を譲渡した場合
2 リース譲渡につき法第十六条第二項本文の規定の適用を受けている法人が合併により消滅した場合(前項第一号又は第二号に掲げる場合に該当することとなつた場合を除く。次項及び第四項において同じ。)において、その被合併法人が行つたリース譲渡で同条第二項本文の規定の適用を受けていたものに係る対価の額につき、その合併法人が当該合併の日の属する課税期間以後の課税期間において延払基準の方法により経理することとしているときは、その経理することとしている対価の額に係るリース譲渡については、当該合併法人が資産の譲渡等を行つたものとみなして、同項本文の規定を適用する。この場合において、当該リース譲渡に係る第三十一条の規定の適用については、同条中「支払を受けている金額」とあるのは、「支払を受けている金額(既にその合併に係る被合併法人が支払を受けている金額を含む。)」とする。
3 リース譲渡につき法第十六条第二項本文の規定の適用を受けている法人が合併により消滅した場合において、その合併法人が当該合併の日の属する事業年度以後のいずれかの事業年度においてその被合併法人が行つたリース譲渡で同項本文の規定の適用を受けていたものに係る対価の額につき延払基準の方法により経理しなかつたときは、当該リース譲渡のうち当該リース譲渡に係る対価の額でその経理しなかつた決算に係る事業年度終了の日の属する課税期間以後の各課税期間におけるリース譲渡延払収益額に係る部分については、当該合併法人が当該課税期間において資産の譲渡等を行つたものとみなす。
4 リース譲渡につき法第十六条第二項本文の規定の適用を受けている法人が合併により消滅した場合において、その合併法人が当該合併の日の属する課税期間以後のいずれかの課税期間においてその被合併法人が行つたリース譲渡で同項本文の規定の適用を受けていたものに係る対価の額につき同項本文の規定の適用を受けないこととしたときは、当該リース譲渡のうちその適用を受けないこととしたリース譲渡に係る対価の額でその適用を受けないこととした課税期間以後の各課税期間におけるリース譲渡延払収益額に係る部分については、当該合併法人が当該課税期間において資産の譲渡等を行つたものとみなす。
5 前各項の規定は、リース譲渡につき法第十六条第二項本文の規定の適用を受けている法人が分割によりリース譲渡に係る事業を分割承継法人に承継させた場合について準用する。この場合において、第二項中「その合併に係る被合併法人」とあるのは、「その分割に係る分割法人」と読み替えるものとする。
計算する金額が変わるため、用語が変わります。
参考情報
対象となる経過措置の規定
- 旧令第31条、リース譲渡に係る資産の譲渡等の時期の特例
- 旧令第32条、延払基準の方法により経理しなかつた場合等の処理
- 旧令第32の2条、リース延払基準の方法により経理した場合のリース譲渡に係る資産の譲渡等の時期の特例
- 旧令第33条、納税義務の免除を受けることとなつた場合等の処理
- 旧令第34条、事業の廃止、死亡等の場合のリース譲渡に係る資産の譲渡等の時期の特例
- 旧令第35条、合併等の場合のリース譲渡に係る資産の譲渡等の時期の特例
- 旧令第36条の2、リース譲渡の特例計算の方法により経理した場合のリース譲渡に係る資産の譲渡等の時期の特例
- 旧令第37条、公共法人等のリース譲渡に係る資産の譲渡等の時期の特例