消費税のリース譲渡の読替規定、延払基準を止めた場合


今回は、消費税のリース譲渡の読替規定のうち、延払基準を止めた場合を確認してみましょう。

延払基準を止めた場合

先に法案を確認してみましょう。

3 前項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧消費税法(以下この条において「旧効力消費税法」という。)第十六条第一項又は第二項本文の規定の適用を受ける事業者の旧リース譲渡につき、経過措置課税期間において同項ただし書(附則第十七条第三項に規定する旧効力法人税法第六十三条第三項及び第四項に係る部分を除く。以下この項において同じ。)の規定の適用を受けることとなった場合には、当該旧リース譲渡のうち、当該旧リース譲渡に係る賦払金の額で旧効力消費税法第十六条第二項ただし書に規定する場合に該当することとなった年又は事業年度(第五項において「不適用基準事業年度等」という。)の末日の属する課税期間の初日以後にその支払の期日が到来するもの(当該初日の前日以前に既に支払を受けたものを除く。)に係る部分については、当該事業者が当該課税期間において資産の譲渡等(消費税法第二条第一項第八号に規定する資産の譲渡等をいう。以下この条において同じ。)を行ったものとみなす。

所得税法等の一部を改正する法律案

令和7年4月1日より前にリース譲渡を行ったことがある事業者については、一定期間、前の法令の効力がそのまま残ります。「旧効力消費税法」といいます。

この旧効力消費税法の
・第16条第1項本文、リース譲渡をした期間の取扱い
・第16条第2項本文、リース譲渡をした期間の次の期間の取扱い
の規定の適用を受ける事業者の旧リース譲渡につき、

「経過措置課税期間において同項ただし書の規定の適用を受けることとなった場合には、」とあります。

同項は、第2項を指します。

経過措置課税期間は、
・令和7年経過措置課税期間
・令和7年経過措置課税期間以外の各課税期間
の2つありますが、経過措置課税期間と規定されているため、両方を指します。

2つの読替規定

2つの読替規定を確認してみましょう。

令和7年経過措置課税期間の読替規定

2 前項の規定によりリース譲渡をした日の属する課税期間において資産の譲渡等を行わなかつたものとみなされた部分は、政令で定めるところにより、当該事業者が当該リース譲渡に係る賦払金の支払の期日の属する各課税期間においてそれぞれ当該賦払金に係る部分の資産の譲渡等を行つたものとみなす。ただし、同項に規定する延払基準の方法により経理しなかつた場合又は旧効力法人税法第六十三条第三項若しくは第四項の規定の適用を受けた場合は、その経理しなかつた年の十二月三十一日の属する課税期間以後の課税期間若しくはその経理しなかつた決算に係る事業年度終了の日の属する課税期間以後の課税期間又は同条第三項若しくは第四項の規定の適用を受けた事業年度終了の日の属する課税期間以後の課税期間については、この限りでない。

令和7年経過措置課税期間以外の各課税期間

2 前項の規定によりリース譲渡をした日の属する課税期間において資産の譲渡等を行わなかつたものとみなされた部分は、政令で定めるところにより、当該事業者が当該リース譲渡に係る賦払金の支払の期日の属する各課税期間においてそれぞれ当該賦払金に係る部分の資産の譲渡等を行つたものとみなす。ただし、同項に規定する延払基準の方法により経理しなかつた場合は、その経理しなかつた年の十二月三十一日の属する課税期間以後の課税期間又はその経理しなかつた決算に係る事業年度終了の日の属する課税期間以後の課税期間については、この限りでない。

結論

令和7年経過措置課税期間の読替規定は、
・ただし、同項に規定する延払基準の方法により経理しなかつた場合又は旧効力法人税法第六十三条第三項若しくは第四項の規定の適用を受けた場合

令和7年経過措置課税期間以外の各課税期間の読替規定は、
・ただし、同項に規定する延払基準の方法により経理しなかつた場合

上記2つから「附則第十七条第三項に規定する旧効力法人税法第六十三条第三項及び第四項に係る部分を除く。以下この項において同じ。」とありますので、延払基準を止めた場合という意味になります。

延払基準を止めた年や事業年度を「不適用基準事業年度等」といいます。この不適用基準事業年度等で未計上の対価を一括計上する必要があります。

旧効力法人税法第六十三条第三項若しくは第四項の規定の適用を受けた場合は、異なる取扱いがあるのでしょう。

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