消費税の特定収入の改正_公益信託


今回は、消費税の特定収入に関する改正を確認してみましょう。

消費税の控除の制限

消費税については、
現金や資産をただで受け取った場合、
消費税がかかりません。

ただで受け取った現金(補助金や寄附金)で固定資産を購入した場合、
原則として支払った消費税の控除が可能です。

例えば、1100万円の補助金や寄附金を受け取って、
1100万円の固定資産を購入した場合、
100万円の消費税を支払っていますので、
100万円の消費税の控除ができます。

この結果、手許に100万円が残りますので、
2重得が生じます。

2重得を回避するために、一定の法人については、
消費税の控除を制限する特例が設けられています。
(国等の特例といいます。)

特定収入の対象者が追加

今回の改正で、国等の特例の対象者が追加されました。
規定を確認してみましょう。

4 国若しくは地方公共団体(特別会計を設けて事業を行う場合に限る。)、別表第三に掲げる法人、第十四条第一項ただし書に規定する公益信託に係る第十五条第三項に規定する受託事業者(第八項において「公益信託受託事業者」という。)又は人格のない社団等(第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される者を除く。)が~

新消費税法第60条第4項

「公益信託受託事業者」が対象者として追加されています。

公益信託受託事業者

「第15条第3項に規定する」とありますので、
規定を確認してみましょう。

3 個人事業者が受託事業者(法人課税信託等の受託者について、前二項の規定により、当該法人課税信託等に係る信託資産等が帰属する者としてこの法律の規定を適用する場合における当該受託者をいう。以下この条において同じ。)である場合には、当該受託事業者は、法人とみなして、この法律の規定を適用する。

新消費税法15条第3項

個人事業者が受託事業者である場合は、
消費税の計算上、受託事業者を法人として取扱う必要があります。

この部分だけ見ると
個人事業者が法人に変わるように見えますが、
・個人事業者自身
・公益信託受託事業者(法人とする)
の2つに分かれますので、公益信託受託事業者にのみ
国等の特例を計算することになるのでしょう。
(具体的な計算については別に規定されます。)

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