消費税の非課税_教科用図書の販売


今回は、消費税の非課税のうち、教科用図書の販売を見てみましょう。

教科用図書の販売

消費税が課される取引であっても、最終的に消費税が課されない取引が「別表第2」に規定されています。非課税、非課税取引といいます。

消費税の非課税は全部で13個あり、教育に関するサービス(授業料など)については消費税法別表第2第11号に規定されています。学校などで使用する教科書については、第12号に規定されています。

十二 学校教育法第三十四条第一項(小学校の教科用図書)(同法第四十九条(中学校)、第四十九条の八(義務教育学校)、第六十二条(高等学校)、第七十条第一項(中等教育学校)及び第八十二条(特別支援学校)において準用する場合を含む。)に規定する教科用図書(別表第二の二において「教科用図書」という。)の譲渡

消費税法別表第2第12号、令和7年10月1日施行

学校教育法第1号に「学校」の定義があり、
1、幼稚園
2、小学校
3、中学校
4、義務教育学校
5、高等学校
6、中等教育学校
7、特別支援学校
8、大学
9、高等専門学校
を「学校」といいます。

上記にあわせて、章別に規定されています。
第3章、幼稚園
第4章、小学校
第5章、中学校
第5章の2、義務教育学校
第6章、高等学校
第7章、中等教育学校
第8章、特別支援教育
第9章、大学
第10章、高等専門学校

上記にあわせて、教科用図書の消費税の非課税が規定されています。

カッコ書きを外すと
・学校教育法第34条第1項に規定する教科用図書の譲渡
が消費税の非課税です。

第34条第1項は、小学校で使用する教科書です。
他の教科書については、小学校で使用する教科書に含まれています。

第12号に規定されているカッコ書きを分けてみましょう。

学校教育法
1、第34条第1項(小学校の教科用図書)
2、第49条(中学校)
3、第49条の8(義務教育学校)、小学校と中学校が一緒になったもの
4、第62条(高等学校)
5、第70条第1項(中等教育学校)、中学校と高校が一緒になったもの
6、第82条(特別支援学校)

幼稚園、大学、高等専門学校の3つは、含まれていません。

「学校教育法第34条第1項に規定する」とあるため、規定を見てみましょう。

第三十四条 小学校においては、文部科学大臣の検定を経た教科用図書又は文部科学省が著作の名義を有する教科用図書を使用しなければならない。

学校教育法第34条第1項、令和7年10月1日施行

検定が済んでいる教科書を使用する必要があります。中学校や高等学校などは、小学校の規定を準用していますが、幼稚園などには準用する規定がありません。

検定済の教科書を調べてみると
文部科学省、教科書目録(令和7年4月)
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoukasho/mext_00008.html

1、小学校
2、中学校
3、高等学校
4、特別支援学校
の4つです。幼稚園などには教科書(検定が済んでいる教科用図書)がないということでしょう。

教科書データの場合

教科書データについては、学校教育法第34条第2項に規定されています。

② 前項に規定する教科用図書(以下この条において「教科用図書」という。)の内容を文部科学大臣の定めるところにより記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)である教材がある場合には、同項の規定にかかわらず、文部科学大臣の定めるところにより、児童の教育の充実を図るため必要があると認められる教育課程の一部において、教科用図書に代えて当該教材を使用することができる。

学校教育法第34条第2項、令和7年10月1日施行

第1項に規定する(紙の)教科用図書がデータである場合には、

同項(第1項)の規定に関係なく、
教育課程の一部において、(紙の)教科用図書に代えて
教科書データの使用が可能です。この規定は、任意です。

第3項は、(紙の)教科書の学習が難しい場合の取り扱いです。

③ 前項に規定する場合において、視覚障害、発達障害その他の文部科学大臣の定める事由により教科用図書を使用して学習することが困難な児童に対し、教科用図書に用いられた文字、図形等の拡大又は音声への変換その他の同項に規定する教材を電子計算機において用いることにより可能となる方法で指導することにより当該児童の学習上の困難の程度を低減させる必要があると認められるときは、文部科学大臣の定めるところにより、教育課程の全部又は一部において、教科用図書に代えて当該教材を使用することができる。

学校教育法第34条第3項、令和7年10月1日施行

前項(第2項)に規定する場合は、教科書データがある場合です。

(紙の)教科書による学習が難しい場合、教科書データの使用が可能です。
この規定も、任意です。

第4項には、
・(紙の)教科用図書
・第2項に規定する教科書データ(教材)
で、有益適切なものは、使用可能と規定されています。

消費税法の規定では、「学校教育法第34条第1項に規定する教科用図書の譲渡」とあり、(紙の)教科書に限定されているため、現行制度では消費税がかかるのでしょう。

消費税法の取り扱いが遅れているという見方もできそうですが、義務規定(紙の教科書)と任意規定(教科書データ)という違いもありあそうです。

教科用図書を輸入した場合

教科用図書を輸入した場合、消費税は非課税です。
次の規定の第7号に、教科用図書が規定されています。

別表第二の二(第六条関係)
一 有価証券等(外国為替及び外国貿易法第六条第一項第七号に規定する支払手段のうち同号ハに掲げるものが入力されている財務省令で定める媒体を含む。)
二 郵便切手類
三 印紙
四 証紙
五 物品切手等
六 身体障害者用物品
七 教科用図書

消費税法別表第2の2、令和7年10月1日施行

参考情報、学校教育法の附則

第九条 高等学校、中等教育学校の後期課程及び特別支援学校並びに特別支援学級においては、当分の間、第三十四条第一項(第四十九条、第四十九条の八、第六十二条、第七十条第一項及び第八十二条において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、文部科学大臣の定めるところにより、第三十四条第一項に規定する教科用図書以外の教科用図書を使用することができる。

② 第三十四条第二項及び第三項の規定は、前項の規定により使用する教科用図書について準用する。

1、高等学校
2、中等教育学校の後期課程
3、特別支援学校
4、特別支援学級
においては、第34条第1項の教科用図書以外の教科用図書が使用できます。
教科書データも第1項の教科用図書と同じ取り扱いです。

この附則についても、義務規定ではなく任意規定のため、消費税が課税されるのでしょう。

参考情報2

「義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律」という法律があります。

第3条は、国が一定の教科用図書を購入して、設置者に無償(0円)で給付する規定です。

第5条第1項は、設置者は、国から受け取った教科用図書を、校長を通じて児童や生徒に給与する規定です。
(給与と規定されています。)

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