特定新株予約権の行使による株式の取得をした場合の所得税の非課税_その他


今回は、特定新株予約権の行使による株式の取得をした場合の所得税の非課税のうち、その他の規定を見てみましょう。

特定新株予約権の付与に関する調書

付与決議に基づく契約により
・取締役等
・権利承継相続人
・特定従事者
に特定新株予約権を与える「株式会社」が対象者です。

この株式会社は、「特定新株予約権の付与に関する調書」を税務署長に提出する必要があります。

提出期限
付与日を含む年の翌年1月31日

参考リンク、国税庁、F3-3 特定新株予約権の付与に関する調書(同合計表)
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hotei/23100073.htm

参考規定

6 付与決議に基づく契約により取締役等若しくは権利承継相続人又は特定従事者に特定新株予約権を与える株式会社は、政令で定めるところにより、当該特定新株予約権の付与に関する調書(以下この条において「特定新株予約権の付与に関する調書」という。)を、その付与をした日の属する年の翌年一月三十一日までに、税務署長に提出しなければならない。

租税特別措置法第29条の2第6項、令和7年12月1日施行

政令、租税特別措置法施行令第19条の3第27項、令和7年12月1日施行

特定株式等の異動状況に関する調書

対象者は、「特定株式等の異動状況に関する調書」を税務署長に提出する必要があります。

提出期限
毎年1月31日

対象者は、次の2つです。

第1項第6号イやロに規定する取決めに従い、
・特定株式
・承継特定株式
につき、

1、振替口座簿への記載若しくは記録をし、若しくは保管の委託を受け、若しくは管理等信託を引き受けている「金融商品取引業者等」

2、管理をしている同号ロに規定する「株式会社」

参考リンク、国税庁、F3-4 特定株式等の異動状況に関する調書(同合計表)
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hotei/23100059.htm

参考規定

7 第一項第六号イ又はロに規定する取決めに従い、特定株式又は承継特定株式につき、振替口座簿への記載若しくは記録をし、若しくは保管の委託を受け、若しくは管理等信託を引き受けている金融商品取引業者等又は管理をしている同号ロに規定する株式会社は、政令で定めるところにより、当該特定株式又は承継特定株式の受入れ若しくは取得又は交付その他の異動状況に関する調書(以下この条において「特定株式等の異動状況に関する調書」という。)を、毎年一月三十一日までに、税務署長に提出しなければならない。

租税特別措置法第29条の2第7項、令和7年12月1日施行

政令、租税特別措置法施行令第19条の3第28項、令和7年12月1日施行

政令委任

次の規定については、政令で定められています。

・第1項本文の規定の適用を受ける場合における株式の取得価額の計算の特例

・同項(第1項)本文の規定の適用を受ける場合における株式の譲渡に係る国内源泉所得の範囲及び非居住者に対する課税の方法の特例

・特定株式又は承継特定株式の譲渡に係る所得税法第224条の3及び第225条の規定の特例

・特定株式の取得に係る同法第228条の2の規定の特例

・その他第1項、第4項及び第5項の規定

所得税法第228条の2は、「新株予約権の行使に関する調書」に関する規定です。
この特例が租税特別措置法施行令第第19条の3第36項(令和7年12月1日施行)です。

参考規定、所得税法の調書規定が適用されなくなります。

36 個人が新株予約権の行使により法第二十九条の二第一項本文の規定の適用を受けて株式を取得した場合には、当該株式の振替又は交付をした株式会社については、所得税法第二百二十八条の二のうち当該新株予約権の行使に係る部分の規定は、適用しない。

租税特別措置法施行令第第19条の3第36項、令和7年12月1日施行

参考規定、政令委任

8 第一項本文の規定の適用を受ける場合における株式の取得価額の計算の特例、同項本文の規定の適用を受ける場合における株式の譲渡に係る国内源泉所得の範囲及び非居住者に対する課税の方法の特例、特定株式又は承継特定株式の譲渡に係る所得税法第二百二十四条の三及び第二百二十五条の規定の特例、特定株式の取得に係る同法第二百二十八条の二の規定の特例その他第一項、第四項及び第五項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

租税特別措置法第29条の2第8項、令和7年12月1日施行
参考情報

第9項から第12項までは、国税庁などの職員に関する規定です。

質問や検査など

9 国税庁、国税局又は税務署の当該職員は、特定新株予約権の付与に関する調書又は特定株式等の異動状況に関する調書の提出に関する調査について必要があるときは、当該特定新株予約権の付与に関する調書若しくは特定株式等の異動状況に関する調書を提出する義務がある者に質問し、その者の特定新株予約権の付与若しくは特定株式若しくは承継特定株式の受入れ若しくは取得若しくは交付その他の異動状況に関する帳簿書類その他の物件を検査し、又は当該物件(その写しを含む。)の提示若しくは提出を求めることができる。

租税特別措置法第29条の2第9項、令和7年12月1日施行

物件の留置き

10 国税庁、国税局又は税務署の当該職員は、特定新株予約権の付与に関する調書又は特定株式等の異動状況に関する調書の提出に関する調査について必要があるときは、当該調査において提出された物件を留め置くことができる。

租税特別措置法第29条の2第10項、令和7年12月1日施行

身分証明書の提示

11 国税庁、国税局又は税務署の当該職員は、第九項の規定による質問、検査又は提示若しくは提出の要求をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。

租税特別措置法第29条の2第11項、令和7年12月1日施行

職員の権限

12 第九項及び第十項の規定による当該職員の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

租税特別措置法第29条の2第12項、令和7年12月1日施行

政令委任

13 前項に定めるもののほか、第十項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

租税特別措置法第29条の2第13項、令和7年12月1日施行
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