特定非常災害に係る純損失の繰越控除の特例の用語


今回は、改正予定の「特定非常災害に係る純損失の繰越控除の特例」の用語を確認します。改正の内容については今回は確認しません。

定義されている用語は8つ

定義されている用語は8つあります。似たような単語です。

  1. 被災純損失金額
  2. 事業資産特定災害損失額
  3. 事業用固定資産
  4. 不動産等特定災害損失額
  5. 特定非常災害発生年特定純損失金額
  6. 棚卸資産特定災害損失額
  7. 固定資産特定災害損失額
  8. 山林特定災害損失額
被災純損失金額

純損失の金額のうち、「被災事業用資産特定災害損失合計額」をいいます。
算式だと

被災事業用資産特定災害損失合計額
=棚卸資産特定災害損失額(6号)
+固定資産特定災害損失額(7号)+山林特定災害損失額(8号)
(一定のものを除く)

事業資産特定災害損失額

算式だと、棚卸資産特定災害損失額(事業所得のみ)+事業所得用の事業用固定資産(3号)の特定非常災害の損失の金額(+災害関連支出△保険金等)となります。

事業用固定資産

土地等を除く固定資産(繰延資産含む)をいいます。土地等は災害で減価しないから除外されています。土地等については3年の繰越しの対象にもなりません。

不動産等特定災害損失額

不動産所得又は山林所得を生ずべき事業用の事業用固定資産の特別な損失の合計額をいいます。不動産等とありますが、土地等は含まれません。主に建物が対象という意味で不動産等なのでしょうね。

特定非常災害発生年特定純損失金額

特別な災害が生じた年分の純損失の金額のうち、一定のものをいいます。

棚卸資産特定災害損失額、固定資産特定災害損失額、山林特定災害損失額

特別な災害による損失について
棚卸資産については「棚卸資産特定災害損失額」、不動産所得、事業所得、山林所得を生ずべき事業用の固定資産等については、「固定資産特定災害損失額」、山林については「山林特定災害損失額」と定義されています。

まとめ

整理すると次のとおりですが、事業所得となる山林については山林所得になるかもしれません。下記の下線部分です。

内容事業所得不動産所得山林所得
事業資産特定災害損失額(2号)棚卸資産特定災害損失額(6号)
+事業用固定資産
(3号)
事業用固定資産
(3号)
不動産等特定災害損失額(4号)同左
棚卸資産棚卸資産特定災害損失額(6号)
固定資産等固定資産特定災害損失額(7号)同左同左
山林山林特定災害損失額(8号)山林特定災害損失額(8号)
まとめ
改正案

特定非常災害に係る純損失の繰越控除の特例、第七十条の二

4この条において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 被災純損失金額
 その者のその年において生じた純損失の金額のうち、被災事業用資産特定災害損失合計額(棚卸資産特定災害損失額、固定資産特定災害損失額及び山林特定災害損失額の合計額で、前条第二項第一号に掲げる損失の金額に該当しないものをいう。)に係るものとして政令で定めるものをいう。

二 事業資産特定災害損失額
 その者の棚卸資産特定災害損失額及びその者の事業所得を生ずべき事業の用に供される事業用固定資産の特定非常災害による損失の金額(特定非常災害に関連するやむを得ない支出で政令で定めるものの金額を含むものとし、保険金、損害賠償金その他これらに類するものにより補塡される部分の金額を除く。以下この項において同じ。)の合計額をいう。

三 事業用固定資産
 土地及び土地の上に存する権利以外の固定資産等(固定資産その他これに準ずる資産で政令で定めるものをいう。第七号において同じ。)をいう。

四 不動産等特定災害損失額
 その者の不動産所得又は山林所得を生ずべき事業の用に供される事業用固定資産の特定非常災害による損失の金額の合計額をいう。

五 特定非常災害発生年特定純損失金額
 その者の特定非常災害発生年において生じた純損失の金額のうち、前条第二項各号に掲げる損失の金額に係るものとして政令で定めるものをいう。

六 棚卸資産特定災害損失額
 その者の有する棚卸資産について特定非常災害により生じた損失の金額をいう。

七 固定資産特定災害損失額
 その者の営む不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業の用に供される固定資産等について特定非常災害により生じた損失の金額をいう。

八 山林特定災害損失額
 その者の有する山林について特定非常災害により生じた損失の金額をいう。

所得税法の一部改正

十八 固定資産 土地(土地の上に存する権利を含む。)、減価償却資産、電話加入権その他の資産(山林を除く。)で政令で定めるものをいう。

所得税法2条1項
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