現金基準の確定申告


今回は、現金基準の確定申告を確認してみましょう。

現金基準

現金や預金の入出金があった場合に、
取引を認識することを現金基準(現金主義)といいます。

現金や預金の入出金とは別に、
・代金を後で回収する売上(掛け売上)
・代金を後で支払う仕入・経費(掛け仕入など)
が発生した場合に、
取引を認識することを発生基準(発生主義)といいます。

確定申告については、原則として
発生基準で売上や仕入を集計する必要がありますが、
小規模の事業者については、現金基準の集計も認められています。

現金基準の主な要件は、次の3つ。
・青色申告の承認を受けている。
・不動産所得と事業所得が対象。
・2年前の不動産所得と事業所得の合計が300万円以下(小規模事業者)。

所得については、
・家族(青色事業専従者)に対する給料
をマイナスしないで計算する必要があります。

現金基準の手続き

現金基準を選択する場合は、
・その年3月15日までに
・現金基準を選択する旨を記載した届出書
を税務署に提出する必要があります。

1月16日以後、新規開業した場合は、
開業した日から2月以内が届出書の期限となります。

参考情報、現金基準を選択する場合の手続き
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/23200010.htm

現金基準を止める場合の手続き

現金基準を止める場合は、
・その年3月15日までに
・現金基準の選択を止める旨を記載した届出書
を税務署に提出する必要があります。

参考情報、現金基準を止める場合の手続き
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/23200011.htm

参考規定

小規模事業者等の収入及び費用の帰属時期

第六十七条 青色申告書を提出することにつき税務署長の承認を受けている居住者で不動産所得又は事業所得を生ずべき業務を行うもののうち小規模事業者として政令で定める要件に該当するもののその年分の不動産所得の金額又は事業所得の金額(山林の伐採又は譲渡に係るものを除く。)の計算上総収入金額及び必要経費に算入すべき金額は、政令で定めるところにより、その業務につきその年において収入した金額及び支出した費用の額とすることができる。

所得税法第67条第1項、施行日令和6年6月12日

小規模事業者の要件

第百九十五条 法第六十七条第一項(小規模事業者等の収入及び費用の帰属時期)に規定する政令で定める要件は、次に掲げる要件とする。
一 その年の前々年分の不動産所得の金額及び事業所得の金額(法第五十七条(事業に専従する親族がある場合の必要経費の特例等)の規定を適用しないで計算した場合の金額とする。)の合計額が三百万円以下であること。
二 既に法第六十七条第一項の規定の適用を受けたことがあり、かつ、その後同項の規定の適用を受けないこととなつた者については、再び同項の規定の適用を受けることにつき財務省令で定めるところにより納税地の所轄税務署長の承認を受けた者であること。

所得税法施行令第195条、施行日令和6年4月1日

政令委任

3 前二項の規定の適用を受けるための手続その他前二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

所得税法第67条第3項、施行日令和6年6月12日

現金基準の選択手続き

(収入及び費用の帰属時期の特例を受けるための手続等)
第百九十七条 その年分以後の各年分の所得税につき第百九十六条第一項(小規模事業者の収入及び費用の帰属時期)の選択をする居住者は、その年三月十五日まで(その年一月十六日以後新たに同項に規定する業務を開始した場合には、その業務を開始した日から二月以内)に、同項の規定の適用を受けようとする旨その他財務省令で定める事項を記載した届出書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。

所得税法施行令第197条第1項、施行日令和6年4月1日

現金基準を止める場合の手続き

2 第百九十六条第一項の規定の適用を受ける居住者は、その年分以後の各年分の所得税につき同項の規定の適用を受けることをやめようとする場合には、その年三月十五日までに、その適用を受けることをやめる旨その他財務省令で定める事項を記載した届出書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。

所得税法施行令第197条第2項、施行日令和6年4月1日

PAGE TOP