生活に通常必要な動産を売ったことによる利益は非課税、
生活に通常必要な動産を売ったことによる損失はないものとして取扱います。
今回は、生活に通常必要でない資産の損失について確認します。
生活に通常必要でない資産の災害等による損失
生活に通常必要でない資産の損失については、
・災害
・盗難
・横領
の3つに限り、特殊な取扱いがあります。詐欺は対象外です。
災害等により生じた損失については、損失が生じた年分か、その翌年分の譲渡所得の計算上、利益からマイナスすることが可能です。
この特例の対象となる「生活に通常必要でない資産」とは、次の3つです。
- 事業用を除く競走馬、射こう的行為の手段となる動産
- 別荘、趣味等で保有する資産
- 生活用動産で1つ30万円超の宝石など
2の趣味等で保有する資産(デジタルデータや高額なカード)については、
30万円超の金額要件がありませんので、注意しましょう。
参考規定
生活に通常必要でない資産の災害による損失
第六十二条 居住者が、災害又は盗難若しくは横領により、生活に通常必要でない資産として政令で定めるものについて受けた損失の金額(保険金、損害賠償金その他これらに類するものにより補てんされる部分の金額を除く。)は、政令で定めるところにより、その者のその損失を受けた日の属する年分又はその翌年分の譲渡所得の金額の計算上控除すべき金額とみなす。
所得税法第62条、令和7年10月1日施行
2 前項に規定する損失の金額の計算に関し必要な事項は、政令で定める。
生活に通常必要でない資産の災害による損失額の計算等
第百七十八条 法第六十二条第一項(生活に通常必要でない資産の災害による損失)に規定する政令で定めるものは、次に掲げる資産とする。
所得税法施行令第178条第1項、令和7年4月1日施行
一 競走馬(その規模、収益の状況その他の事情に照らし事業と認められるものの用に供されるものを除く。)その他射こう的行為の手段となる動産
二 通常自己及び自己と生計を一にする親族が居住の用に供しない家屋で主として趣味、娯楽又は保養の用に供する目的で所有するものその他主として趣味、娯楽、保養又は鑑賞の目的で所有する資産(前号又は次号に掲げる動産を除く。)
三 生活の用に供する動産で第二十五条(譲渡所得について非課税とされる生活用動産の範囲)の規定に該当しないもの
第2号の資産
・通常自己及び自己と生計を一にする親族が居住の用に供しない家屋で主として趣味、娯楽又は保養の用に供する目的で所有するもの
・主として趣味、娯楽、保養又は鑑賞の目的で所有する資産
譲渡所得について非課税とされる生活用動産の範囲
第二十五条 法第九条第一項第九号(非課税所得)に規定する政令で定める資産は、生活に通常必要な動産のうち、次に掲げるもの(一個又は一組の価額が三十万円を超えるものに限る。)以外のものとする。
所得税法施行令第25条、令和7年10月1日施行
一 貴石、半貴石、貴金属、真珠及びこれらの製品、べつこう製品、さんご製品、こはく製品、ぞうげ製品並びに七宝製品
二 書画、こつとう及び美術工芸品
生活に通常必要な動産のうち、
次に掲げるもの(例、貴石や書画などで1つ30万円超)以外
とありますので、
先に、「生活に通常必要な動産」の判断が必要となります。
1、生活に通常必要な動産
1-1、1つ30万円超の貴金属など → 課税
1-2、以外 → 非課税
2、1以外
→ 原則として課税