特定同族会社の留保金額


今回は、特定同族会社の留保金額のうち、留保金額の算式を確認します。

内容

留保金額の定義を算式にすると

留保金額 =
所得等の金額(注1)のうち留保した金額 - 
(一定の方法で計算した法人税額+地方法人税+道府県民税+市町村民税)

法人税等は後で支払うため、留保金課税として追加課税されません。

(注1)所得等の金額は、
1号~6号の合計額-7号で計算します。

  1. 所得の金額
    (合併等の最後事業年度の譲渡がないものとして計算した金額)
  2. 受取配当等の益金不算入額
    (特定同族会社が通算法人の場合は一定の金顔を除く)
  3. 外国子会社配当等の益金不算入額
  4. 受贈益の益金不算入額
  5. 還付金等の益金不算入額(法人税額等の損金不算入部分を除く)など、
    通算税効果額(附帯税額に限る)
  6. 欠損金の繰越しによる損金算入額など
  7. 中間申告における繰戻しによる還付に係る災害損失欠損金額の益金算入額

適格現物分配の益金不算入額(法法62条の5、4項)は、
留保金額にプラスされません。

留保金額の定義

3 第一項に規定する留保金額とは、所得等の金額(第一号から第六号までに掲げる金額の合計額から第七号に掲げる金額を減算した金額をいう。第五項において同じ。)のうち留保した金額から、当該事業年度の所得の金額につき前条第一項、第二項及び第六項並びに第六十九条第十九項の規定により計算した法人税の額と当該事業年度の地方法人税法第九条第二項(課税標準)に規定する課税標準法人税額(同法第六条第一号(基準法人税額)に定める基準法人税額に係るものに限る。)につき同法第十条(税率)及び第十二条第九項(外国税額の控除)(同条第十三項において準用する場合を含む。)の規定により計算した地方法人税の額とを合計した金額(次条から第七十条まで(税額控除)並びに同法第十二条第一項及び第八項(同条第十三項において準用する場合を含む。)並びに第十三条(仮装経理に基づく過大申告の場合の更正に伴う地方法人税額の控除)の規定による控除をされるべき金額がある場合には、当該金額を控除した金額)並びに当該法人税の額に係る地方税法の規定による道府県民税及び市町村民税(都民税を含む。)の額として政令で定めるところにより計算した金額の合計額を控除した金額をいう。
一 当該事業年度の所得の金額(第六十二条第二項(合併及び分割による資産等の時価による譲渡)に規定する最後事業年度にあつては、同項に規定する資産及び負債の同項に規定する譲渡がないものとして計算した場合における所得の金額)
二 第二十三条(受取配当等の益金不算入)の規定により当該事業年度の所得の金額の計算上益金の額に算入されなかつた金額(特定同族会社が通算法人である場合には、他の通算法人から受ける同条第一項に規定する配当等の額に係るもののうち政令で定めるものを除く。)
三 第二十三条の二(外国子会社から受ける配当等の益金不算入)の規定により当該事業年度の所得の金額の計算上益金の額に算入されなかつた金額
四 第二十五条の二第一項(受贈益)の規定により当該事業年度の所得の金額の計算上益金の額に算入されなかつた金額
五 第二十六条第一項(還付金等の益金不算入)に規定する還付を受け又は充当される金額(同項第一号に係る部分の金額を除く。)、同条第二項に規定する減額された金額、同条第三項に規定する減額された部分として政令で定める金額、その受け取る同条第四項に規定する通算税効果額(附帯税の額に係る部分の金額に限る。)及び同条第五項に規定する還付を受ける金額
六 第五十七条(欠損金の繰越し)又は第五十九条(会社更生等による債務免除等があつた場合の欠損金の損金算入)の規定により当該事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入された金額
七 第二十七条(中間申告における繰戻しによる還付に係る災害損失欠損金額の益金算入)の規定により当該事業年度の所得の金額の計算上益金の額に算入された金額

法人税法67条
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