簡易課税制度とリバースチャージ


簡易課税制度とリバースチャージの関係を確認してみましょう。

簡易課税制度

簡易課税の規定を確認してみましょう。

(中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例)
第三十七条 
省略
一 省略
二 当該事業者の当該課税期間の特定課税仕入れに係る課税標準である金額の合計額に対する消費税額から当該課税期間における第三十八条の二第一項に規定する特定課税仕入れに係る対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額を控除した残額

消費税法

2号にリバースチャージに関する規定があります。

リバースチャージに関する経過措置

原則課税の場合は、課税売上割合が95%以上であれば、
当分の間、リバースチャージはなかったものとして計算します。

(特定課税仕入れに関する経過措置)
第四十二条 国内において特定課税仕入れを行う事業者の新消費税法適用日を含む課税期間以後の各課税期間(新消費税法第三十七条第一項の規定の適用を受ける課税期間を除く。)において、当該課税期間における課税売上割合(新消費税法第三十条第二項に規定する課税売上割合をいう。)が百分の九十五以上である場合には、当分の間、当該課税期間中に国内において行った特定課税仕入れはなかったものとして、新消費税法の規定を適用する。

消費税法附則平成27年3月31日

この経過措置の影響でしょうか?
それだと簡易課税なのに課税売上割合を計算する必要がありますね。

と思い、経過措置の規定を確認していきますと、
別の経過措置が規定されています。

リバースチャージがなかったものとする経過措置

(中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例に関する経過措置)
第四十四条 新消費税法第三十七条第一項の規定は、新消費税法適用日以後に終了する課税期間から適用し、新消費税法適用日前に終了する課税期間については、なお従前の例による。
2 新消費税法第三十七条第一項の規定の適用を受ける課税期間については、当分の間、当該課税期間中に国内において行った特定課税仕入れはなかったものとして、新消費税法の規定を適用する。

消費税法附則平成27年3月31日

2項の方です。
現行の簡易課税を計算する課税期間については、当分の間、
リバースチャージはなかったものとする。

なぜ簡易課税に規定したのかと疑問が生じます。
過程として、リバースチャージは簡易課税制度と異なり、
支払った金額をそのまま納付すると規定する。
その上で、簡易な計算にするため、
リバースチャージをないものとして取り扱うとしたのでしょうね。

消費税の控除額を簡単に計算するために設けられた
簡易課税制度のメリットです。

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