給料と個人住民税の定額減税


今回は、給料と個人住民税の定額減税を確認してみましょう。

定額減税がある場合の特例

個人住民税(市町村民税・道府県民税)の定額減税については
・6月から徴収する場合、7月から徴収スタート(6月は徴収なし)
・1回の徴収金額を1/12から1/11に変更
となります。

参考規定

(令和六年度分の給与所得に係る個人の市町村民税の特別徴収に関する特例)
第五条の十 附則第五条の八第四項及び第五項の規定の適用がある場合における第三百二十一条の五第一項の規定の適用については、令和六年度分の個人の市町村民税に限り、同項中「十二分の一」とあるのは「十一分の一」と、「六月」とあるのは「七月」とする。

地方税法第321条の5第1項、施行日令和6年4月9日

個人住民税の定額減税がある人については、
通常の規定を読み替える規定です。

定額減税がなかった場合(通常)の取扱いを確認してみましょう。

定額減税がない場合の特別徴収

給料については、給料を支払う個人事業者・法人などが
特別徴収を行う人(特別徴収義務者)として指定されます。

指定されると個人住民税については、特別徴収に切り替わるので、
・特別徴収の対象者、特別徴収の金額等
が5月31日までに通知される仕組みです。

法人などが5月31日までに通知を受け取った場合、
給料に対する個人住民税(特別徴収税額)を12で割って、
毎月給料を支払う際、天引き(特別徴収)して翌月10日までに
納付する必要があります。

例えば、給与に対する個人住民税が24,000円の場合、
12で割ると毎月2,000円となります。
(通知書に毎月徴収する金額が記載されていますので、
計算する必要はありません。)

給料の支払日が6月25日の場合、6月25日の給料を支払うときに、
個人住民税2,000円を天引き(特別徴収)します。

仕訳例

借方貸方
給料 200,000円現預金 198,000円
預り金 2,000円
個人住民税の徴収の仕訳

補助科目や別科目を設けて
預かっている金額を管理する方がよいでしょう。

預かった金額を翌月10日までに納付する必要がありますので、
今回の場合、7月10日までに納付する必要があります。

個人住民税の納付の仕訳例

借方貸方
預り金 2,000円現預金 2,000円
個人住民税の納付の仕訳

預り金の残高が0円となります。

定額減税がある場合の計算例

定額減税がある場合
・6月から徴収する場合、7月から徴収スタート(6月は徴収なし)
・1回の徴収金額を1/12から1/11に変更
となります。

6月分の特別徴収は0円となり、
特別徴収は7月から実施されます。

例えば、給与に対する個人住民税が24,000円、
定額減税が10,000円の場合を確認してみましょう。

定額減税後の特別徴収の金額は、
・24,000円-10,000円=14,000円
となります。

14,000円を11で割ると、1月で1,272.7円となります。
100円未満の端数については、7月分として徴収するため、
・7月分は2,000円
・8月分から翌年5月分までは1,200円
となります。

定額減税がある場合についても、
通知書に特別徴収の金額が記載されますので、
毎月計算する必要はありません。

参考規定

(給与所得に係る特別徴収税額の納入の義務等)
第三百二十一条の五 前条の特別徴収義務者は、同条第二項に規定する期日までに同条第一項後段(同条第六項において準用する場合を含む。)の規定による通知を受け取つた場合にあつては当該通知に係る給与所得に係る特別徴収税額の十二分の一の額を六月から翌年五月まで、当該期日後に当該通知を受け取つた場合にあつては当該通知に係る給与所得に係る特別徴収税額を当該通知のあつた日の属する月の翌月から翌年五月までの間の月数で除して得た額を当該通知のあつた日の属する月の翌月から翌年五月まで、それぞれ給与の支払をする際毎月徴収し、その徴収した月の翌月の十日までに、これを当該市町村に納入する義務を負う。ただし、当該通知に係る給与所得に係る特別徴収税額が均等割額に相当する金額以下である場合には、当該通知に係る給与所得に係る特別徴収税額を最初に徴収すべき月に給与の支払をする際その全額を徴収し、その徴収した月の翌月の十日までに、これを当該市町村に納入しなければならない。

地方税法第321条の5第1項、施行日令和6年4月9日

読替後の規定

(給与所得に係る特別徴収税額の納入の義務等)
第三百二十一条の五 前条の特別徴収義務者は、同条第二項に規定する期日までに同条第一項後段(同条第六項において準用する場合を含む。)の規定による通知を受け取つた場合にあつては当該通知に係る給与所得に係る特別徴収税額の十一分の一の額を七月から翌年五月まで、当該期日後に当該通知を受け取つた場合にあつては当該通知に係る給与所得に係る特別徴収税額を当該通知のあつた日の属する月の翌月から翌年五月までの間の月数で除して得た額を当該通知のあつた日の属する月の翌月から翌年五月まで、それぞれ給与の支払をする際毎月徴収し、その徴収した月の翌月の十日までに、これを当該市町村に納入する義務を負う。ただし、当該通知に係る給与所得に係る特別徴収税額が均等割額に相当する金額以下である場合には、当該通知に係る給与所得に係る特別徴収税額を最初に徴収すべき月に給与の支払をする際その全額を徴収し、その徴収した月の翌月の十日までに、これを当該市町村に納入しなければならない。

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