今回は、自宅等を売却したときの損失に関する所得税の特例のうち、買換資産などを確認してみましょう。
居住用財産の譲渡損失の金額
自宅などを売却したことにより生じた損失を「居住用財産の譲渡損失の金額」といいます。特例の要件を満たした場合、通常できない損益の通算や過去の赤字を本年に繰り越して本年の所得から控除が可能です。
今回は、「居住用財産の譲渡損失の金額」の定義のうち、買換資産などを確認してみましょう。
参考リンク
・自宅等を売却したときの損失に関する所得税の特例_居住用財産の譲渡損失の金額
・自宅等を売却したときの損失に関する所得税の特例_居住用財産の譲渡損失の金額_その2
買換資産
新しいマイホームを「買換資産」と定義していますので、規定を確認してみましょう。
翌年十二月三十一日(特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律第二条第一項の規定により特定非常災害として指定された非常災害に基因するやむを得ない事情により、同日までに当該個人の居住の用に供する家屋で政令で定めるもの又は当該家屋の敷地の用に供する土地若しくは当該土地の上に存する権利で、国内にあるもの(以下この項、第十三項及び第十四項において「買換資産」という。)特定非常災害として指定された
非常災害に基因するやむを得ない事情により、
同日(翌年12月31日)までにその個人の居住用に使用する家屋で
政令で定めるもの
又は
その家屋の敷地の用に使用する土地などで、
国内にあるものを「買換資産」と読むのではなく、
その個人の居住用に使用する家屋で
政令で定めるもの
又は
その家屋の敷地の用に使用する土地などで、
国内にあるものを「買換資産」と読みます。
特定非常災害の内容は、関係ありません。
取得の意味
取得のカッコ書きを見てみましょう。
取得(建設を含むものとし、贈与によるものその他政令で定めるものを除く。以下この項、第十三項及び第十四項において同じ。)取得には、建設を含みます。
取得であっても
1、贈与によるもの
2、政令で定めるもの(借金などの弁済に代えてする代物弁済としての取得)
(イメージは、家屋/貸付金)
については、対象外です。
取得期限
原則として、前の自宅などを売却した年の翌年12月31日です。
例外を見てみましょう。
(特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律第二条第一項の規定により特定非常災害として指定された非常災害に基因するやむを得ない事情により、同日までに当該個人の居住の用に供する家屋で政令で定めるもの又は当該家屋の敷地の用に供する土地若しくは当該土地の上に存する権利で、国内にあるもの(以下この項、第十三項及び第十四項において「買換資産」という。)の取得(建設を含むものとし、贈与によるものその他政令で定めるものを除く。以下この項、第十三項及び第十四項において同じ。)をすることが困難となつた場合において、同日後二年以内に買換資産の取得をする見込みであり、かつ、財務省令で定めるところにより納税地の所轄税務署長の承認を受けたときは、同日の属する年の翌々年十二月三十一日。特定非常災害として指定された
非常災害に基因するやむを得ない事情により、
同日(翌年12月31日)までに
「買換資産」の取得をすることが困難となった場合において、
同日(翌年12月31日)後2年以内に
買換資産の取得する「見込み」であり、
財務省令(租税特別措置法施行規則)で定めるところにより
納税地の所轄税務署長(税務署)の承認を受けたときは、
同日(翌年12月31日)を含む年(翌年)の
翌々年12月31日が取得期限に変わります。
売却した年が令和7年の場合
通常は、翌年の令和8年12月31日です。
カッコ書きに該当する場合は、
同日(令和8年12月31日)を含む年(令和8年)の
翌々年(令和10年)12月31日に変わります。
通常が+1年、カッコ書きにより追加+2年(計+3年)です。
期限を見てきましたが、開始を見てみましょう。
平成十年一月一日(当該特定譲渡の日が平成十二年一月一日以後であるときは、当該特定譲渡の日の属する年の前年一月一日)自宅などを売却した日が平成12年1月1日以後の場合は、
売却した年の前年1月1日に変わります。
売買の順番は、反対になっても問題ないことになります。
国税庁のタックスアンサー(No.3370)を確認してみると、
(2)「買換資産」(新居宅)の要件
イ 譲渡の年の前年の1月1日から売却の年の翌年12月31日までの間に日本国内にある資産(新居宅)で家屋の床面積が50平方メートル以上であるものを取得することとありますので、売買の順番は問わないことになります。
譲渡が2以上ある場合
自宅などが2つ以上あり、1年間で2回譲渡(売却)が生じた場合は、いずれか1回の売却(損)を選択する必要があります。
参考規定
特定譲渡(その年において当該特定譲渡が二以上ある場合には、当該個人が政令で定めるところにより選定した一の特定譲渡に限る。)参考情報
「居住用財産の譲渡損失の金額」の定義
一 居住用財産の譲渡損失の金額 当該個人が、平成十年一月一日から令和七年十二月三十一日までの期間(次項において「適用期間」という。)内に、その有する家屋又は土地若しくは土地の上に存する権利で、その年一月一日において第三十一条第二項に規定する所有期間が五年を超えるもののうち次に掲げるもの(以下この項及び次項において「譲渡資産」という。)の譲渡(同条第一項に規定する譲渡所得の基因となる不動産等の貸付けを含むものとし、当該個人の配偶者その他の当該個人と政令で定める特別の関係がある者に対してするものその他政令で定めるものを除く。以下この号及び次項において「特定譲渡」という。)をした場合(当該個人がその年の前年若しくは前々年における資産の譲渡につき第三十一条の三第一項、第三十五条第一項(同条第三項の規定により適用する場合を除く。)、第三十六条の二若しくは第三十六条の五の規定の適用を受けている場合又は当該個人がその年若しくはその年の前年以前三年内における資産の譲渡につき次条第一項の規定の適用を受け、若しくは受けている場合を除く。)において、平成十年一月一日(当該特定譲渡の日が平成十二年一月一日以後であるときは、当該特定譲渡の日の属する年の前年一月一日)から当該特定譲渡の日の属する年の翌年十二月三十一日(特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律第二条第一項の規定により特定非常災害として指定された非常災害に基因するやむを得ない事情により、同日までに当該個人の居住の用に供する家屋で政令で定めるもの又は当該家屋の敷地の用に供する土地若しくは当該土地の上に存する権利で、国内にあるもの(以下この項、第十三項及び第十四項において「買換資産」という。)の取得(建設を含むものとし、贈与によるものその他政令で定めるものを除く。以下この項、第十三項及び第十四項において同じ。)をすることが困難となつた場合において、同日後二年以内に買換資産の取得をする見込みであり、かつ、財務省令で定めるところにより納税地の所轄税務署長の承認を受けたときは、同日の属する年の翌々年十二月三十一日。第十三項において「取得期限」という。)までの間に、買換資産の取得をして当該取得をした日の属する年の十二月三十一日において当該買換資産に係る住宅借入金等の金額を有し、かつ、当該取得の日から当該取得の日の属する年の翌年十二月三十一日までの間に当該個人の居住の用に供したとき、又は供する見込みであるときにおける当該譲渡資産の特定譲渡(その年において当該特定譲渡が二以上ある場合には、当該個人が政令で定めるところにより選定した一の特定譲渡に限る。)による譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額のうち、当該特定譲渡をした日の属する年分の第三十一条第一項に規定する長期譲渡所得の金額及び第三十二条第一項に規定する短期譲渡所得の金額の計算上控除してもなお控除しきれない部分の金額として政令で定めるところにより計算した金額をいう。
租税特別措置法第41条の5第7項第1号、令和8年1月1日施行
イ 当該個人がその居住の用に供している家屋で政令で定めるもののうち国内にあるもの
ロ イに掲げる家屋で当該個人の居住の用に供されなくなつたもの(当該個人の居住の用に供されなくなつた日から同日以後三年を経過する日の属する年の十二月三十一日までの間に譲渡されるものに限る。)
ハ イ又はロに掲げる家屋及び当該家屋の敷地の用に供されている土地又は当該土地の上に存する権利
ニ 当該個人のイに掲げる家屋が災害により滅失した場合において、当該個人が当該家屋を引き続き所有していたとしたならば、その年一月一日において第三十一条第二項に規定する所有期間が五年を超える当該家屋の敷地の用に供されていた土地又は当該土地の上に存する権利(当該災害があつた日から同日以後三年を経過する日の属する年の十二月三十一日までの間に譲渡されるものに限る。)
参考情報、特定譲渡の制限について
自宅などが2以上ある場合、メインの自宅などに限られる論点がありますが、上記で確認したものは、また別の内容です。
メインの自宅の売却を2回した場合であっても
いずれか1つの売却に限るという内容です。
例えば、
自宅などA(メイン)を売却して自宅などB(メイン)に引っ越し。
その後、自宅などB(メイン)を売却し、自宅などC(メイン)を取得した場合
特例の対象となるのは、AかBかのいずれかです。
自宅などA(メイン)、自宅などB(サブ)を売却した場合は、
自宅などA(メイン)が特例の判定対象になります。
この場合は、AかBかを選択することができません。
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