今回は、自宅等を売却したときの損失に関する所得税の特例のうち、純損失の繰越控除との関係を見てみましょう。
純損失の繰越控除との関係
今回確認する規定は、こちらです。
8 確定申告書を提出する個人の所得税法第七十条第一項に規定する各年において生じた純損失の金額のうちに特定純損失の金額(適用期間内に行つた譲渡資産の特定譲渡による譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額に係る純損失の金額として政令で定めるところにより計算した金額をいう。次項及び第十項において同じ。)がある場合における同条第一項(同法第百六十五条第一項の規定により準じて計算する場合を含む。)の規定の適用については、同法第七十条第一項中「及び第百四十二条第二項」とあるのは「、第百四十二条第二項」と、「となつたもの」とあるのは「となつたもの及び租税特別措置法第四十一条の五第八項(居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除)に規定する特定純損失の金額」とする。
租税特別措置法第41条の5第8項、令和8年1月1日施行
確定申告書を提出する個人の
所得税法第70条第1項に規定する
各年において生じた純損失の金額のうちに
「特定純損失の金額」がある場合が要件です。
取り扱いを見てみましょう。
同条(所得税法第70条)第1項の規定(純損失の繰越控除)の適用については、読み替えが必要になります。
「所得税法第70条第1項に規定する各年」は、
その年(本年)の前年以前3年内の各年(過去3年間)のことです。
特定純損失の金額
定義を確認してみましょう。
特定純損失の金額(適用期間内に行つた譲渡資産の特定譲渡による譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額に係る純損失の金額として政令で定めるところにより計算した金額をいう。次項及び第十項において同じ。)適用期間は、
・平成10年1月1日から
・令和7年12月31日まで
です。
適用期間内にした譲渡資産(自宅など)の特定譲渡(要件を満たす売却)による譲渡所得の金額を計算するときに生じた損失の金額に係る純損失の金額を「特定純損失の金額」といいます。
詳細は、政令(租税特別措置法施行令)を確認してみましょう。
読み替えた後の規定
読み替え規定のため、読み替えてみましょう。
(純損失の繰越控除)
第七十条 確定申告書を提出する居住者のその年の前年以前三年内の各年(その年分の所得税につき青色申告書を提出している年に限る。)において生じた純損失の金額(この項の規定により前年以前において控除されたもの及び第百四十二条第二項、第百四十二条第二項(純損失の繰戻しによる還付)の規定により還付を受けるべき金額の計算の基礎となつたものとなつたもの及び租税特別措置法第四十一条の五第八項(居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除)に規定する特定純損失の金額を除く。)がある場合には、当該純損失の金額に相当する金額は、政令で定めるところにより、当該確定申告書に係る年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額の計算上控除する。純損失の金額
1、この項の規定により前年以前において控除されたもの
2、第142条第2項(純損失の繰戻しによる還付)の規定により還付を受けるべき金額の計算の基礎となったもの
3、租税特別措置法第41条の5第8項(居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除)に規定する特定純損失の金額
を除く。
に変わります。
自宅などの売却損については要件を満たせば、損益通算や繰越控除が可能となりますが、純損失の金額から特定純損失の金額が除外されるため、所得税法第70条の純損失の繰越控除とは別の計算が必要です。
—
最近の新しいこと
・サントリー 伊右衛門 玄米茶
