今回は、自宅等を売却したときの損失に関する所得税の特例のうち、修正申告書と更正に対する国税通則法の取り扱いを確認してみましょう。
国税通則法との関係
今回確認する規定は、こちらです。
16 第十三項又は第十四項の規定による修正申告書及び前項の更正に対する国税通則法の規定の適用については、次に定めるところによる。
一 当該修正申告書で第十三項又は第十四項に規定する提出期限内に提出されたものについては、国税通則法第二十条の規定を適用する場合を除き、これを同法第十七条第二項に規定する期限内申告書とみなす。
二 当該修正申告書で第十三項又は第十四項に規定する提出期限後に提出されたもの及び当該更正については、国税通則法第二章から第七章までの規定中「法定申告期限」とあり、及び「法定納期限」とあるのは「租税特別措置法第四十一条の五第十三項又は第十四項に規定する修正申告書の提出期限」と、同法第六十一条第一項第一号中「期限内申告書」とあるのは「租税特別措置法第二条第一項第十号に規定する確定申告書」と、
同条第二項中「期限内申告書又は期限後申告書」とあるのは「租税特別措置法第四十一条の五第十三項又は第十四項の規定による修正申告書」と、
同法第六十五条第一項、第三項第二号及び第五項第二号中「期限内申告書」とあるのは「租税特別措置法第二条第一項第十号に規定する確定申告書」とする。
三 国税通則法第六十一条第一項第二号及び第六十六条の規定は、前号に規定する修正申告書及び更正には、適用しない。
租税特別措置法第41条の5第16項、令和8年1月1日施行
1、第13項、損益通算の要件を満たさない場合の修正申告書
2、第14項、繰越控除の要件を満たさない場合の修正申告書
3、前項(第15項)、修正申告しない場合の更正
の3つに対する国税通則法の取り扱いが規定されています。
読み替える規定は3つありますが、長くなるため、
第2号の4つ目の読み替え規定と第3号を確認してみましょう。
過少申告加算税の取り扱い
読替規定は、こちらです。
同法第六十五条第一項、第三項第二号及び第五項第二号中「期限内申告書」とあるのは「租税特別措置法第二条第一項第十号に規定する確定申告書」とする。同法は国税通則法、第65条は過少申告加算税です。
第1項、過少申告加算税の計算
第3項第2号、期限内申告税額の定義
第5項第2号、過少申告加算税を減らす規定が規定されています。
第1項を読み替えてみましょう。
(過少申告加算税)
第六十五条 期限内申告書租税特別措置法第二条第一項第十号に規定する確定申告書(還付請求申告書を含む。第三項において同じ。)が提出された場合(期限後申告書が提出された場合において、次条第一項ただし書又は第九項の規定の適用があるときを含む。)において、修正申告書の提出又は更正があつたときは、当該納税者に対し、その修正申告又は更正に基づき第三十五条第二項(申告納税方式による国税等の納付)の規定により納付すべき税額に百分の十の割合(修正申告書の提出が、その申告に係る国税についての調査があつたことにより当該国税について更正があるべきことを予知してされたものでないときは、百分の五の割合)を乗じて計算した金額に相当する過少申告加算税を課する。1、期限内申告書が提出された場合において
(措置法の確定申告書=期限内申告書や期限後申告書が提出された場合)
2、修正申告書の提出や更正があったとき
に要件が変わります。
期限内申告税額
第3項第2号を読み替えてみましょう。
3 前項において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
二 期限内申告税額 期限内申告書租税特別措置法第二条第一項第十号に規定する確定申告書(次条第一項ただし書又は第九項の規定の適用がある場合には、期限後申告書を含む。第五項第二号において同じ。)の提出に基づき第三十五条第一項又は第二項の規定により納付すべき税額(これらの申告書に係る国税について、次に掲げる金額があるときは当該金額を加算した金額とし、所得税、法人税、地方法人税、相続税又は消費税に係るこれらの申告書に記載された還付金の額に相当する税額があるときは当該税額を控除した金額とする。)
以下省略期限内申告書が
措置法の確定申告書=期限内申告書や期限後申告書に
変わります。
先に減額更正があった場合
第5項第2号を読み替えてみましょう。
5 次の各号に掲げる場合には、第一項又は第二項に規定する納付すべき税額から当該各号に定める税額として政令で定めるところにより計算した金額を控除して、これらの項の規定を適用する。
一 第一項又は第二項に規定する納付すべき税額の計算の基礎となつた事実のうちにその修正申告又は更正前の税額(還付金の額に相当する税額を含む。)の計算の基礎とされていなかつたことについて正当な理由があると認められるものがある場合 その正当な理由があると認められる事実に基づく税額
二 第一項の修正申告又は更正前に当該修正申告又は更正に係る国税について期限内申告書租税特別措置法第二条第一項第十号に規定する確定申告書の提出により納付すべき税額を減少させる更正その他これに類するものとして政令で定める更正(更正の請求に基づく更正を除く。)があつた場合 当該期限内申告書租税特別措置法第二条第一項第十号に規定する確定申告書に係る税額(還付金の額に相当する税額を含む。)に達するまでの税額期限内申告書が
措置法の確定申告書=期限内申告書や期限後申告書に
変わります。
第1項の修正申告や更正「前」に
その修正申告や更正に係る国税(所得税など)について期限内申告書措置法の確定申告書(期限内申告書や期限後申告書)の
提出により納付税額を減少させる更正などがあった場合が要件です。
要件を満たした場合
その期限内申告書措置法の確定申告書(期限内申告書や期限後申告書)に係る税額に達するまでの税額(政令で定めるところにより計算した金額)を除外して、過少申告加算税などの規定が適用されます。
期限後申告の延滞税と無申告加算税
第3号の規定を確認してみましょう
三 国税通則法第六十一条第一項第二号及び第六十六条の規定は、前号に規定する修正申告書及び更正には、適用しない。1、国税通則法第61条第1項第2号
2、国税通則法第66条、無申告加算税
の規定は、前号(第2号)に規定する修正申告書と更正には、適用しません。
前号(第2号)に規定する修正申告書と更正は、
当該修正申告書で第十三項又は第十四項に規定する提出期限後に提出されたもの及び当該更正の部分です。
提出期限「後」に提出された修正申告書と更正です。
国税通則法第61条第1項を確認してみましょう。
(延滞税の額の計算の基礎となる期間の特例)
第六十一条 修正申告書(偽りその他不正の行為により国税を免れ、又は国税の還付を受けた納税者が当該国税についての調査があつたことにより当該国税について更正があるべきことを予知して提出した当該申告書(次項において「特定修正申告書」という。)を除く。)の提出又は更正(偽りその他不正の行為により国税を免れ、又は国税の還付を受けた納税者についてされた当該国税に係る更正(同項において「特定更正」という。)を除く。)があつた場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、当該申告書の提出又は更正により納付すべき国税については、前条第二項に規定する期間から当該各号に定める期間を控除して、同項の規定を適用する。
一 その申告又は更正に係る国税について期限内申告書租税特別措置法第二条第一項第十号に規定する確定申告書が提出されている場合において、その法定申告期限租税特別措置法第四十一条の五第十三項又は第十四項に規定する修正申告書の提出期限から一年を経過する日後に当該修正申告書が提出され、又は当該更正に係る更正通知書が発せられたとき その法定申告期限租税特別措置法第四十一条の五第十三項又は第十四項に規定する修正申告書の提出期限から一年を経過する日の翌日から当該修正申告書が提出され、又は当該更正に係る更正通知書が発せられた日までの期間
二 その申告又は更正に係る国税について期限後申告書(還付金の還付を受けるための納税申告書で政令で定めるもの(以下「還付請求申告書」という。)を含む。以下この号及び次項において同じ。)が提出されている場合において、その期限後申告書の提出があつた日の翌日から起算して一年を経過する日後に当該修正申告書が提出され、又は当該更正に係る更正通知書が発せられたとき その期限後申告書の提出があつた日の翌日から起算して一年を経過する日の翌日から当該修正申告書が提出され、又は当該更正に係る更正通知書が発せられた日までの期間読み替え規定により第1号の期限内申告書が
措置法の確定申告書(期限内申告書や期限後申告書)に変わるため、
第2号の期限後申告書の場合が適用されなくなります。
参考情報
気になった点1
条件付きで期限後申告書を含むのか、無条件で期限後申告書を含むのか。
(過少申告加算税)
第六十五条 期限内申告書租税特別措置法第二条第一項第十号に規定する確定申告書(還付請求申告書を含む。第三項において同じ。)が提出された場合(期限後申告書が提出された場合において、次条第一項ただし書又は第九項の規定の適用があるときを含む。)のカッコ書きの「期限後申告書が提出された場合において、次条第一項ただし書又は第九項の規定の適用があるときを含む。」は、必要でしょうか。第3号の読み替え規定により、第66条の無申告加算税の規定は適用されなくなるからです。
措置法の確定申告書が提出された場合
(期限後申告書が提出された場合において、次条(第66条)第1項ただし書き又は第9項の規定の適用があるときを含む。)と規定されていると、
次条(第66条)第1項ただし書き又は第9項の規定の適用が「ない」ときは、
含まないと読めますが、第3号の読み替え規定により、第66条の無申告加算税の規定は適用されないため、期限後申告書は含まないと読むことになります。
気になった点2
条件付きで期限後申告書を含むのか、無条件で期限後申告書を含むのか。
二 期限内申告税額 期限内申告書租税特別措置法第二条第一項第十号に規定する確定申告書(次条第一項ただし書又は第九項の規定の適用がある場合には、期限後申告書を含む。第五項第二号において同じ。)措置法の確定申告書は期限内申告書や期限後申告書を指していますが、カッコ書きにより、次条(第66条、無申告加算税)第1項ただし書や第9項の規定の適用がある場合には、期限後申告書が含まれます。
元の規定が
1、期限内申告書
2、要件を満たす場合の期限後申告書を含む。
(要件を満たさない場合の期限後申告書は含まれない。)
というもので、読み替えにより、
1、措置法の確定申告書(期限内申告書や期限後申告書)
2、要件を満たす場合の期限後申告書を含む。
(要件を満たさない場合の期限後申告書が含まれない。)
に変わります。
第3号の読み替え規定により、第66条の無申告加算税の規定は適用されなくなりますが、第1項ただし書や第9項の規定の適用がある場合という要件(前提)は必要でしょうか。
第2号の2つ目や3つ目の読み替え規定で、
期限内申告書と期限後申告書を区別していないと読む場合、
要件を満たす場合に限り期限後申告書を含む
(要件を満たさない期限後申告書を含まない)
と読むのでしょうか。
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編集後記
措置法第41条の5、自宅などの売却損の損益通算と繰越控除の規定が確認できました。次は、措置法施行令の規定を確認する予定です。
