自宅等を売却したときの損失に関する所得税の特例_通算後譲渡損失の金額


今回は、自宅等を売却したときの損失に関する所得税の特例うち、通算後譲渡損失の金額を確認してみましょう。

通算後譲渡損失の金額

「通算後譲渡損失の金額」の計算方法が規定されています。

自宅などの売却損は、通常、
・損益通算(他の黒字と通算すること)
・繰越控除(過去の赤字と本年の黒字を通算すること)
などが認められていませんが、
特例の要件を満たす場合は、損益通算や繰越控除ができるようになります。

売った自宅などの土地の面積が広すぎる場合は、
広すぎる部分(500㎡超過)については、特例の対象外となります。

12 法第四十一条の五第七項第三号に規定する政令で定めるところにより計算した金額は、同項第一号に規定する居住用財産の譲渡損失の金額(以下この項において「居住用財産の譲渡損失の金額」という。)のうち、その年において生じた純損失の金額(次の各号に掲げる場合に該当する場合には、当該金額から、当該各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額を控除した金額)に達するまでの金額(当該居住用財産の譲渡損失の金額に係る譲渡資産のうちに土地又は土地の上に存する権利(以下この項において「土地等」という。)で同条第七項第三号に規定する政令で定める面積(以下この項において「面積」という。)が五百平方メートルを超えるものが含まれている場合には、当該金額から、当該金額に当該居住用財産の譲渡損失の金額のうちに当該土地等の特定譲渡による譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額の占める割合を乗じて計算した金額に超過面積割合(当該土地等に係る面積のうちに当該五百平方メートルを超える部分に係る当該面積の占める割合をいう。)を乗じて計算した金額を控除した金額)とする。
一 省略
二 省略

租税特別措置法施行令第26条の7第12項、令和8年1月1日

カッコ書きを省略してみましょう。

法第41条の5第7項第3号に規定する政令で定めるところにより計算した金額は、同項(法第41条の5第7項)第1号に規定する居住用財産の譲渡損失の金額のうち、その年において生じた純損失の金額に達するまでの金額

通算後譲渡損失の金額は、
「居住用財産の譲渡損失の金額」のうち、
その年において生じた「純損失の金額」に達するまでの金額です。

・居住用財産の譲渡損失の金額
・純損失の金額
比較して少ない金額です。

純損失の金額

純損失の金額のカッコ書きを見てみましょう。

純損失の金額(次の各号に掲げる場合に該当する場合には、当該金額から、当該各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額を控除した金額)

次の各号は、第1号と第2号です。

該当する場合は、
その金額(純損失の金額)から、「その各号に掲げる場合の区分に応じその各号に定める金額」をマイナスした金額が純損失の金額に変わります。

第1号に該当する場合は、
純損失の金額-第1号に定める金額(一般の赤字の合計額)
=純損失の金額(プラス残)

第2号に該当する場合は、
純損失の金額-第1号に定める金額(一般の赤字の合計額)
=純損失の金額(プラス残)

になります。

青色申告の場合

第1号は、青色申告の場合です。

一 当該居住用財産の譲渡損失の金額が生じた年(その年分の所得税につき青色申告書を提出する年に限る。)において、その年分の不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額又は譲渡所得の金額(法第三十一条第一項に規定する長期譲渡所得の金額及び法第三十二条第一項に規定する短期譲渡所得の金額を除く。)の計算上生じた損失の金額がある場合 当該損失の金額の合計額(当該合計額がその年において生じた純損失の金額を超えるときは、当該純損失の金額に相当する金額)

租税特別措置法施行令第26条の7第12項第1号、令和8年1月1日

「居住用財産の譲渡損失の金額」が生じた年において、
その年分の
1、不動産所得の金額
2、事業所得の金額
3、山林所得の金額
4、譲渡所得の金額(長期譲渡所得の金額と短期譲渡所得の金額は除外)
の計算をした場合に生じた損失の金額がある場合です。

この場合は、その損失の金額の合計額が第1号の金額になります。

合計額のカッコ書きを見てみましょう。

合計額(当該合計額がその年において生じた純損失の金額を超えるときは、当該純損失の金額に相当する金額)

合計額>その年の純損失の金額の場合は、
純損失の金額(少ない方の金額)に変わります。

第1号に該当する場合は、
純損失の金額-第1号に定める金額(純損失の金額相当額)
=純損失の金額(0円)に変わります。

白色申告の場合

第2号は、白色申告の場合です。

二 当該居住用財産の譲渡損失の金額が生じた年において生じた所得税法第七十条第二項各号に掲げる損失の金額がある場合(前号に掲げる場合を除く。) 当該損失の金額の合計額(当該合計額がその年において生じた純損失の金額を超えるときは、当該純損失の金額に相当する金額)

租税特別措置法施行令第26条の7第12項第2号、令和8年1月1日

「居住用財産の譲渡損失の金額」が生じた年に生じた
所得税法第70条第2項各号の損失の金額がある場合
(第1号の場合を除外=白色申告の場合)です。

第1号、変動所得の金額の計算上生じた損失の金額
第2号、被災事業用資産の損失の金額

この場合は、その損失の金額の合計額が第2号の金額になります。

合計額のカッコ書きを見てみましょう。

合計額(当該合計額がその年において生じた純損失の金額を超えるときは、当該純損失の金額に相当する金額)

合計額>その年の純損失の金額の場合は、
純損失の金額(少ない方の金額)に変わります。

第2号に該当する場合は、
純損失の金額-第2号に定める金額(純損失の金額相当額)
=純損失の金額(0円)に変わります。

編集後記

今回確認した規定は、数字を使って見た方がいいかもしれません。計算の目的は、翌年以後に繰り越しできる損失の内訳を計算しています。

1、一般の純損失と居住用の損失の2つが繰り越せる場合
2、居住用の損失を損益通算した後、一般の純損失が繰り越せる場合

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