今回は、自己の株式を交付した場合の資本金等の額を3つ確認してみましょう。
役務の提供の対価として自己の株式を交付した場合
規定を確認してみましょう。
一の二 役務の提供の対価として自己の株式を交付した場合(事後交付等の場合を除く。)の当該役務の提供に係る費用の額のうち既に終了した事業年度において受けた役務の提供に係る部分の金額(当該株式が法第五十四条第一項(譲渡制限付株式を対価とする費用の帰属事業年度の特例)に規定する特定譲渡制限付株式である場合には、同項の規定の適用がないものとした場合の当該金額)に相当する金額から当該株式の発行により既に終了した事業年度において増加した資本金の額又は出資金の額を減算した金額
法人税法施行令第8条第1項第1号の2、令和7年4月1日施行
カッコ書きを外して、算式に変えてみましょう。
1、役務の提供の対価として自己の株式を交付した場合(注1)の役務の提供に係る費用の額のうち、既に終了した事業年度において受けた役務の提供に係る部分の金額(注2)に相当する金額
2、株式の発行により既に終了した事業年度において増加した資本金の額又は出資金の額
3、減算した金額 1-21の前提が、役務の提供の対価として自己の株式を交付とあるため、
・役務提供費用 300 / 自己株式 300
が全体としてあります。
役務の提供に係る費用の額(300)のうち
既に終了した事業年度において受けた役務の提供に係る部分の金額(100)
・役務提供費用 100 / 自己株式 100
がそれぞれの事業年度に発生するイメージです。
2は、増加した資本金の額や出資金の額とあります。
資本金の額や出資金の額は、そのまま資本金等の額となるからです。
資本金の額など差し引いた残りが、資本金等の額の加算額となります。
仕訳イメージ
・役務提供費用 100 / 資本金 70
/ 資本金等の額 30 ←差額で求める。
自己の株式を交付した場合(注1)のカッコ書きに「事後交付等の場合を除く。」とあります。
事後交付等の定義は、第1号のイにあります。
一 株式(出資を含む。以下第十号までにおいて同じ。)の発行又は自己の株式の譲渡をした場合(次に掲げる場合を除く。)に払い込まれた金銭の額及び給付を受けた金銭以外の資産の価額その他の対価の額に相当する金額からその発行により増加した資本金の額又は出資金の額(法人の設立による株式の発行にあつては、その設立の時における資本金の額又は出資金の額)を減算した金額
イ 役務の提供の対価として自己の株式を交付した場合(その役務の提供後に当該株式を交付した場合及び当該株式と引換えに給付された債権(その役務の提供の対価として生じた債権に限る。)がある場合(次号において「事後交付等の場合」という。)を除く。)役務の提供の後に、株式を交付した場合及び株式と引換えに給付された債権がある場合を「事後交付等の場合」といいます。
(注1)のカッコ書きに「事後交付等の場合を除く。」とあるため、事後交付等の場合に該当しないもの(事前交付等)が第1号の2の対象となります。
事後交付等に該当するものは、第1号の対象になります。
役務の提供に係る部分の金額(注2)のカッコ書きにより、他の規定(法人税法第54条第1項)の適用がないものとして計算する必要があります。
新株予約権の行使により自己の株式を交付した場合
規定を確認してみましょう。
二 新株予約権の行使によりその行使をした者に自己の株式を交付した場合のその行使に際して払い込まれた金銭の額及び給付を受けた金銭以外の資産の価額(法第六十一条の二第十四項に規定する場合に該当する場合における当該新株予約権が付された新株予約権付社債についての社債にあつては、当該法人のその行使の直前の当該社債の帳簿価額)並びに当該法人の当該直前の当該新株予約権の帳簿価額に相当する金額の合計額からその行使に伴う株式の発行により増加した資本金の額を減算した金額
法人税法施行令第8条第1項第2号、令和7年4月1日施行
規定が長いため、分けてみましょう。
1、新株予約権の行使によりその行使をした者に自己の株式を交付した場合の
・その行使に際して払い込まれた金銭の額
・給付を受けた金銭以外の資産の価額(注1)
・法人の直前の新株予約権の帳簿価額
の合計額
2、その行使に伴う株式の発行により増加した資本金の額
3、減算した金額 1-2仕訳イメージ
借方
金銭の額 ××円 /
金銭以外の資産の価額 ××円 /
新株予約権 ××円 /
の合計額
貸方
/ 資本金 ××円
/ 資本金等の額 ×× ←差額で求める。
金銭以外の資産の価額(注1)のカッコ書きに該当する場合は、新株予約権付社債の帳簿価額に変わります。
取得事由により自己の株式を交付した場合
規定を確認してみましょう。
三 取得条項付新株予約権(取得条項付新株予約権が付された新株予約権付社債を含む。以下この号において同じ。)についての法第六十一条の二第十四項第五号に定める事由による取得の対価として自己の株式を交付した場合(同項に規定する場合に該当する場合に限る。)の当該法人のその取得の直前の当該取得条項付新株予約権の帳簿価額(当該新株予約権付社債にあつては、当該法人の当該直前の当該新株予約権付社債の帳簿価額)に相当する金額からその取得に伴う株式の発行により増加した資本金の額を減算した金額
法人税法施行令第8条第1項第3号、令和7年4月1日施行
カッコ書きを外して、算式に変えてみましょう。
1、取得条項付新株予約権(注1)についての法第六十一条の二第十四項第五号に定める事由による取得の対価として自己の株式を交付した場合(注2)の当該法人のその取得の直前の当該取得条項付新株予約権の帳簿価額(注3)に相当する金額
2、その取得に伴う株式の発行により増加した資本金の額
3、減算した金額 1-2仕訳イメージ
取得条項付新株予約権 ××円 / 資本金 ××円
/ 資本金等の額 ××円 ←差額で求める。
取得条項付新株予約権(注1)のカッコ書き
取得条項付新株予約権が付された新株予約権付「社債」を含みます。
自己の株式を交付した場合(注2)のカッコ書き
同項(法人税法第61条の2第14項)に規定する場合に該当する場合(おおむね同額要件を満たす場合)に限られています。
取得条項付新株予約権の帳簿価額(注3)のカッコ書き
新株予約権付社債の場合は、新株予約権付社債の帳簿価額に変わります。
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