複数の事業に従事した場合の計算方法


今回は、複数の事業に従事した場合の必要経費の計算方法を確認します。

内容

個人事業者が不動産の貸付け(不動産所得)と卸売業(事業所得)を営む場合、生計一親族が1つの事業に従事していれば、給料を2つの事業に分ける必要はありません。ただし、生計一親族が2つの事業に従事している場合は、給料をそれぞれ按分する必要があります。

青色申告の場合と白色申告の場合で経費となる金額は異なりますが、2つの事業に配分する方法は同じです。

按分方法

按分方法は2つです。2つの事業に従事した分量(時間や対価)が明らかに計算できる場合は、その分量に応じて按分します。不動産貸付業4:事業所得6の割合であれば、給料を4:6で按分します。2つの事業に従事した分量が明らかに計算できない場合は、5:5で按分します。

会計上の給料を部門別に按分しているような取扱いです。

参考規定

(二以上の事業に従事した場合の事業専従者給与等の必要経費算入額の計算)
第百六十七条 居住者が不動産所得、事業所得又は山林所得のうち二以上の所得を生ずべき事業を営み、かつ、同一の法第五十七条第一項又は第三項(事業に専従する親族がある場合の必要経費の特例等)に規定する青色事業専従者又は事業専従者が当該二以上の所得を生ずべき事業に従事する場合における当該事業に係る不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額の計算上同条第一項の規定により必要経費に算入される金額(以下この条において「青色専従者給与額」という。)又は法第五十七条第三項の規定により必要経費とみなされる金額(以下この条において「事業専従者控除額」という。)は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に掲げる金額とする。
一 当該青色事業専従者又は事業専従者が当該二以上の所得を生ずべきそれぞれの事業に従事した分量が明らかである場合 当該青色事業専従者又は事業専従者に係る青色専従者給与額又は事業専従者控除額をそれぞれその事業に従事した分量に応じて配分して計算した金額
二 当該青色事業専従者又は事業専従者が当該二以上の所得を生ずべきそれぞれの事業に従事した分量が明らかでない場合 当該青色事業専従者又は事業専従者がそれぞれの事業に均等に従事したものとみなして前号の規定に準じて計算した金額

所得税法施行令167条
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