今回は、消費税の課税売上割合が著しく増加した場合を確認してみましょう。
課税売上割合
受け取った消費税から支払った消費税をマイナスするためには、
課税売上割合を計算する必要があります。
課税売上割合は、
消費税がかかる売上(消費税8%、10%、0%)
———————————————————————————
消費税がかかる売上(消費税8%、10%、0%)+消費税の非課税売上
で計算します。
一定の事業者については、課税売上割合に応じて
「受け取った消費税」から「マイナスする消費税」を計算する必要があります。
この課税売上割合は、計算期間(通常は1年)ごとに計算します。
例えば、令和6年の
・分子の金額 3,000
・分母の金額 20,000
の場合、課税売上割合は、3,000÷20,000=15%になります。
支払った消費税が100万円の場合、
マイナスできる消費税は、
100万円×15%=15万円となります。
令和7年の
・分子の金額 4,000
・分母の金額 8,000
の場合、課税売上割合は、4,000÷8,000=50%になります。
支払った消費税が100万円の場合、
マイナスできる消費税は、
100万円×50%=50万円となります。
令和8年の
・分子の金額 1,800
・分母の金額 3,000
の場合、課税売上割合は、1,800÷3,000=60%になります。
支払った消費税が100万円の場合、
マイナスできる消費税は、
100万円×60%=60万円となります。
支払った消費税が同じであっても
課税売上割合によってマイナスできる消費税が変わります。
そのため、一定期間中の
課税売上割合が大きく変わった場合は、
マイナスできる消費税を調整する特例があります。
課税売上割合が大きく変わった場合は、次の2つです。
・著しく増加した場合
・著しく減少した場合
今回は、著しく増加した場合の要件を確認してみましょう。
要件は2つです。
1つ目
通算課税売上割合-仕入れ等の課税期間の課税売上割合
——————————————————————— ≧ 50%
仕入れ等の課税期間の課税売上割合
2つ目
通算課税売上割合-仕入れ等の課税期間の課税売上割合 ≧ 5%
両方を満たすと要件を満たします。
事例
上記の令和6年・令和7年・令和8年の金額を使って確認してみましょう。
通算課税売上割合(通常は3年間の割合)は、
分子の金額 3,000+4,000+1,800=8,800
分母の金額 20,000+8,000+3,000=31,000
8,800÷31,000=約28%となります。
仕入れ等の課税期間の課税売上割合は、
3,000(分子の金額)÷20,000(分母の金額)=15%となります。
1つ目の算式にあてはめてみましょう。
分子の割合 約28%-15%=約13%
分母の割合 15%
約13%÷15%=約89%となります。
50%以上のため要件を満たします。
2つ目の算式にあてはめてみましょう。
約28%-15%=約13%となります。
5%以上のため要件を満たします。
両方満たしていますので、
著しく増加した場合に該当します。
参考規定など
著しく増加した場合の要件
(課税売上割合が著しく変動した場合等)
消費税法施行令第53条第1項、施行日令和6年10月1日
第五十三条 法第三十三条第一項に規定する著しく増加した場合として政令で定める場合は、仕入れ等の課税期間(同項に規定する仕入れ等の課税期間をいう。以下この条において同じ。)における課税売上割合(同項に規定する課税売上割合をいう。以下この項及び次項において同じ。)のうちに通算課税売上割合(法第三十三条第一項に規定する通算課税売上割合をいう。以下この項及び次項において同じ。)から仕入れ等の課税期間における課税売上割合を控除した割合の占める割合が百分の五十以上であり、かつ、当該通算課税売上割合から当該課税売上割合を控除した割合が百分の五以上である場合とする。
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