課税標準となる法人税額の調整順序


今回は、法人住民税の「課税標準となる法人税額」の調整順序を
確認してみましょう。

調整の順番

原則として、法人住民税の計算では、
「法人税法等の規定により計算した法人税額」が
課税標準となります。

ただし、法人税と地方税で、特例が異なるため、
法人税額を調整する規定がいくつか設けられています。

この調整の順番のうち、
通算制度と繰戻し還付に関するものを
確認したいと思います。

調整は次の順となります。
(地方税法53条30項に規定されています。)

1、加算調整が先です。
・第11項、加算対象通算対象欠損調整額の加算(損金を受け取った)
・第17項、加算対象被配賦欠損調整額の加算(欠損金額を受け取った)

2、控除調整が後になります。
2つのグループに分かれます。
2-1を控除した後に
2-2を控除します。

2-1
・第3項、控除対象通算適用前欠損調整額の控除(ないものとされた欠損金)
・第8項、控除対象合併等前欠損調整額の控除(同上)
・第13項、控除対象通算対象所得調整額の控除(益金を受け取った)
・第19項、控除対象配賦欠損調整額の控除(欠損金額を渡した)

2-2
・第23項、控除対象還付法人税額の控除(繰戻し還付により欠損金額減少)
・第26項、控除対象還付対象欠損調整額の控除(同上)

使用する別表

第6号様式別表1、「通算法人又は通算法人であった法人の課税標準となる法人税額に関する計算書」を確認してみましょう。https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/shomei/houjin/6-1a.pdf

加算調整は、10欄に記入します。
(先に4欄、5欄、6欄、7欄を記入します。)

・控除調整2-1は、11欄
・控除調整2-2は、12欄
に記入します。

11欄と12欄の控除については合計転記します。
各金額の計算は、下記別表を使用します。

控除2-1
・第6号様式別表2
 控除対象通算適用前欠損調整額の控除明細書
・第6号様式別表2の2
 控除対象合併等前欠損調整額の控除明細書
・第6号様式別表2の3
 控除対象通算対象所得調整額の控除明細書
・第6号様式別表2の4
 控除対象配賦欠損調整額の控除明細書

控除2-2
・第6号様式別表2の5
 控除対象還付法人税額又は控除対象個別帰属還付税額の控除明細書
・第6号様式別表2の6
 控除対象還付対象欠損調整額の控除明細書

参考規定

調整順序

30 第十一項及び第十七項の規定による法人税額への加算並びに第三項、第八項、第十三項、第十九項、第二十三項及び第二十六項の規定による法人税額からの控除については、まず第十一項及び第十七項の規定による加算をし、次に第三項、第八項、第十三項及び第十九項の規定による控除をした後において、第二十三項及び第二十六項の規定による控除をするものとする。

地方税法53条30項、施行日令和5年10月1日

規定をまとめたもの


第11項、第17項の規定による法人税額への加算並びに
第3項、第8項、第13項、第19項、第23項及び第26項の規定による
法人税額からの控除については、

まず第11項及び第17項の規定による加算をし、
次に第3項、第8項、第13項、第19項による控除をした後において、
第23項及び第26項の規定による控除をするものとする。

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