今回は、調整前事業所得税額を確認してみましょう。
内容
所得税の賃上げ促進税制などについては、
所得税の控除の上限があります。
控除の上限は、
・調整前事業所得税額×20%
となります。
調整前事業所得税額は、
「調整する前の事業所得に関する税額」という意味です。
規定を確認してみましょう。
(後半に掲載しています。)
調整する規定が列挙されています。
算式は、A×B÷Cとなります。
A、列挙されている規定を適用しないで計算した本年分の総所得金額(事業所得など)に関する所得税
B、事業所得の金額
Cは、次の所得を合計した金額です。
・利子所得の金額
・配当所得の金額
・不動産所得の金額
・事業所得の金額
・給与所得の金額(注1)
・譲渡所得の金額(注2)
・一時所得の金額×1/2
・雑所得の金額
注1、所得金額調整控除を計算した後
注2、長期の譲渡所得は1/2した後
山林所得の金額と退職所得の金額は、計算に使用しません。
列挙されている規定
列挙されている規定を確認してみましょう。
条文番号の下に条文のタイトルを追加しています。
同条第一項、第四項及び第七項
(試験研究を行つた場合の所得税額の特別控除)
法第十条の三第三項及び第四項
(中小事業者が機械等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除)
第十条の四第三項
(地域経済牽けん引事業の促進区域内において特定事業用機械等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除)
第十条の四の二第三項
(地方活力向上地域等において特定建物等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除)
第十条の五第一項及び第二項
(地方活力向上地域等において雇用者の数が増加した場合の所得税額の特別控除)
第十条の五の三第三項及び第四項
(特定中小事業者が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除)
第十条の五の四第一項から第四項まで、
(給与等の支給額が増加した場合の所得税額の特別控除)
・賃上げ促進税制
第十条の五の五第三項
(認定特定高度情報通信技術活用設備を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除)
第十条の五の六第七項から第九項まで
(事業適応設備を取得した場合等の特別償却又は所得税額の特別控除)
第四十一条第一項
(住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除)
・住宅ローン控除
第四十一条の三の三第一項
(令和六年分における所得税額の特別控除)
・定額減税
第四十一条の十八第二項
(政治活動に関する寄附をした場合の寄附金控除の特例又は所得税額の特別控除)
第四十一条の十八の二第二項
(認定特定非営利活動法人等に寄附をした場合の寄附金控除の特例又は所得税額の特別控除)
第四十一条の十八の三第一項
(公益社団法人等に寄附をした場合の所得税額の特別控除)
第四十一条の十九の二第一項
(特定新規中小会社が発行した株式を取得した場合の課税の特例)
第四十一条の十九の三第一項から第八項まで
(既存住宅に係る特定の改修工事をした場合の所得税額の特別控除)
第四十一条の十九の四第一項及び第二項の規定
(認定住宅等の新築等をした場合の所得税額の特別控除)
所得税法第九十三条
(分配時調整外国税相当額控除)
第九十五条
(外国税額控除)
第百六十五条の五の三
(非居住者に係る分配時調整外国税相当額の控除)
第百六十五条の六
(非居住者に係る外国税額の控除)
上記の規定を適用しないで計算した
その年分の総所得金額に係る所得税の額
と規定されています。
令和6年分の定額減税については計算不要ですが、
配当控除は計算する必要があります。
参考規定など
調整前事業所得税額
8 法第十条第八項第四号に規定する所得税の額として政令で定める金額は、同条第一項、第四項及び第七項並びに法第十条の三第三項及び第四項、第十条の四第三項、第十条の四の二第三項、第十条の五第一項及び第二項、第十条の五の三第三項及び第四項、第十条の五の四第一項から第四項まで、第十条の五の五第三項、第十条の五の六第七項から第九項まで、第四十一条第一項、第四十一条の三の三第一項、第四十一条の十八第二項、第四十一条の十八の二第二項、第四十一条の十八の三第一項、第四十一条の十九の二第一項、第四十一条の十九の三第一項から第八項まで並びに第四十一条の十九の四第一項及び第二項の規定並びに所得税法第九十三条、第九十五条、第百六十五条の五の三及び第百六十五条の六の規定を適用しないで計算したその年分の総所得金額に係る所得税の額に利子所得の金額、配当所得の金額、不動産所得の金額、事業所得の金額、給与所得の金額(法第四十一条の三の十一第一項又は第二項の規定の適用がある場合には、当該給与所得の金額からこれらの規定による控除をした残額)、譲渡所得の金額(所得税法第三十三条第三項第二号に掲げる所得に係る部分については、その金額の二分の一に相当する金額)、一時所得の金額の二分の一に相当する金額及び雑所得の金額の合計額のうちに事業所得の金額の占める割合を乗じて計算した金額とする。
租税特別措置法施行令第5条の3第8項、施行日令和6年10月1日
算式の分母(C)
・利子所得の金額
・配当所得の金額
・不動産所得の金額
・事業所得の金額
・給与所得の金額(法第四十一条の三の十一第一項又は第二項の規定の適用がある場合には、当該給与所得の金額からこれらの規定による控除をした残額)
・譲渡所得の金額(所得税法第三十三条第三項第二号に掲げる所得に係る部分については、その金額の二分の一に相当する金額)
・一時所得の金額の二分の一に相当する金額
・雑所得の金額
の合計額のうちに
算式の分子(B)
・事業所得の金額
の占める割合を乗じて計算した金額とする。
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