譲渡所得の取得費


今回は、資産の取得費について確認します。

譲渡所得の金額

取得費を確認する前に、譲渡所得の金額の計算を算式でまとめます。

譲渡所得の金額=
総収入金額-(資産の取得費+譲渡費用)=残額(マイナスにならない)
残額の合計額(注)-譲渡所得の特別控除額(MAX50万円)

取得費の計算方法

総収入金額からマイナスする資産の取得費を算式で示すと次のとおりです。
資産の取得費=資産の取得に要した金額+(設備費+改良費)

参考規定の2項は、減価償却資産の取扱いです。
1号が業務用期間、2号が家事用期間です。

減価償却資産の場合は、次の計算式となります。
資産の取得費=
資産の取得費-(業務用期間の償却費+非業務用期間の減価の額)

減価償却資産(車、備品、機械装置など)については、
使用・期間の経過により価値が下がるため、
取得した金額から価値が減った部分をマイナスする必要があります。

1号、業務用期間
業務用期間については、減価償却資産の償却費など(所法49条)の規定にしたがって計算した減価償却費の合計額となります。

2号、非業務用期間
非業務用期間については、減価償却資産の償却費など(所法49条)に準じた一定の方法により計算した減価の額となります。

留意点
業務用「資産」ではなく業務用「期間」、
非業務用「資産」ではなく非業務用「期間」です。

1つの資産を3年間非業務用、6年間業務用に使用した場合は、
それぞれの期間で償却費や減価の額を計算する必要があります。

参考規定

(譲渡所得の金額の計算上控除する取得費)
第三十八条 譲渡所得の金額の計算上控除する資産の取得費は、別段の定めがあるものを除き、その資産の取得に要した金額並びに設備費及び改良費の額の合計額とする。
2 譲渡所得の基因となる資産が家屋その他使用又は期間の経過により減価する資産である場合には、前項に規定する資産の取得費は、同項に規定する合計額に相当する金額から、その取得の日から譲渡の日までの期間のうち次の各号に掲げる期間の区分に応じ当該各号に掲げる金額の合計額を控除した金額とする。
一 その資産が不動産所得、事業所得、山林所得又は雑所得を生ずべき業務の用に供されていた期間 第四十九条第一項(減価償却資産の償却費の計算及びその償却の方法)の規定により当該期間内の日の属する各年分の不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額又は雑所得の金額の計算上必要経費に算入されるその資産の償却費の額の累積額
二 前号に掲げる期間以外の期間 第四十九条第一項の規定に準じて政令で定めるところにより計算したその資産の当該期間に係る減価の額

所得税法
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