貸手がリース資産を返してもらった場合の耐用年数


今回は、貸手がリース資産を返してもらった場合の耐用年数を確認してみましょう。

耐用年数はどうなる?

リース期間が終了した時にリース資産を時価で取得した場合、耐用年数はどうなるでしょうか? 基本通達が公表されていますので確認してみましょう。

(リース期間の終了に伴い取得した資産の耐用年数の見積り等)
7-6の2-12 リース期間の終了に伴い賃貸人が賃借人からそのリース取引の目的物であった資産を取得した場合における当該資産の耐用年数は、次のいずれかの年数によることができる。
⑴ 当該資産につき適正に見積もったその取得後の使用可能期間の年数
⑵ 次の場合の区分に応じそれぞれ次に掲げる年数(その年数に1年未満の端数がある場合は、その端数を切り捨て、その年数が2年に満たない場合には、2年とする。)
イ 当該資産に係るリース期間が当該資産について定められている耐用年数以上である場合 当該耐用年数の20%に相当する年数
ロ 当該資産に係るリース期間が当該資産について定められている耐用年数に満たない場合 当該耐用年数からリース期間を控除した年数に、当該リース期間の20%に相当する年数を加算した年数

「次のいずれかの年数によることができる。」とあり、選択できる方法は2つあります。

1、適正に見積もった使用できる期間の年数
2、中古資産の耐用年数の計算に準じて計算した年数

中古資産の耐用年数の計算に準じて計算した年数、1つ目

(2)イの方法を確認してみましょう。

イ 当該資産に係るリース期間が当該資産について定められている耐用年数以上である場合 当該耐用年数の20%に相当する年数

リース期間≧リース資産について定められた耐用年数の場合
算式、リース資産について定められた耐用年数×20%

例えば、次の場合で確認してみましょう。
・リース期間 5年
・リース資産について定められた耐用年数 5年

判定
リース期間(5年)≧リース資産について定められた耐用年数(5年)

計算
リース資産について定められた耐用年数(5年)×20%=1年

カッコ書きで、「計算された期間が2年未満の場合は2年」とありますので、耐用年数は2年となります。

中古資産の耐用年数の計算に準じて計算した年数、2つ目

(2)ロの方法を確認してみましょう。

ロ 当該資産に係るリース期間が当該資産について定められている耐用年数に満たない場合 当該耐用年数からリース期間を控除した年数に、当該リース期間の20%に相当する年数を加算した年数

リース期間<リース資産について定められた耐用年数の場合
算式、(耐用年数-リース期間)+リース期間×20%

例えば、次の場合で確認してみましょう。
・リース期間 6年
・リース資産について定められた耐用年数 10年

判定
リース期間(6年)<リース資産について定められた耐用年数(10年)

計算
1、耐用年数(10年)-リース期間(6年)=4年
2、リース期間(6年)×20%=1.2年
3、1+2=5.2年

カッコ書きで、「計算された期間に端数がある場合は端数を切り捨てる」とありますので、耐用年数は5年となります。

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