賃上げ促進税制の教育訓練費が0円の場合と1月未満の取扱い


今回は、賃上げ促進税制の教育訓練費が0円の場合と1月未満の取扱いを確認してみましょう。

前期の教育訓練費が0円の場合

賃上げ促進税制は、
・全企業向け
・中堅企業向け
・中小企業向け
の3つがあります。

給与等については、判定で使用する金額が
・全企業向けと中堅企業向け(継続雇用者比較給与等支給額)
・中小企業向け(比較雇用者給与等支給額)
で異なるため、規定が2つに分かれます。
2つに分かれますが取扱いは同じです。

比較教育訓練費(前期)については、同じ金額を使用するため、
規定は1つだけです。ただし、取扱いが次の2つに分かれます。
・当期の教育訓練費が0円の場合(1号)
・当期の教育訓練費がある場合(2号)

当期の教育訓練費が0円の場合、
教育訓練費増加割合の要件を満たしません。

当期の教育訓練費がある場合、
教育訓練費増加割合の要件を満たします。

別表6(24)、給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除に関する明細書を確認してみましょう。
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/shinkoku/itiran2024/pdf/06(24).pdf

15欄、教育訓練費の額(当期)
16欄、比較教育訓練費の額(前期)
17欄、教育訓練費増加額(当期-前期=増加)
18欄、教育訓練費増加割合(17欄÷16欄)

例えば、
15欄、教育訓練費の額(当期)が100万円
16欄、比較教育訓練費の額(前期)が0円の場合、
17欄、教育訓練費増加額(当期-前期=増加)は、100万円となります。

18欄、教育訓練費増加割合(17欄÷16欄)は、
16欄が0円のため、割合は0となります。

割合は0となりますが、教育訓練費増加割合の要件を満たしますので、
他の要件を満たした場合は割増しで控除が可能となります。

別表では、
30欄、(18)≧10%又は(15)=(17)>0の場合で、かつ、(19)≧0.05%の場合
34欄、(18)≧10%又は(15)=(17)>0の場合で、かつ、(19)≧0.05%の場合
38欄、(18)≧5%又は(15)=(17)>0の場合で、かつ、(19)≧0.05%の場合
と記載されています。

18欄の教育訓練費増加割合が0であっても、15欄の当期の金額=17欄の増加額が同じで0円を超える場合は、割増控除の要件の1つを満たすことになります。

1月未満の取扱い

賃上げ促進税制は、1月未満の端数を1月として計算します。

対象となる規定は次の10個です。
第7項、継続雇用者
第9項、継続雇用者比較給与等支給額
第12項、合併があった場合の比較教育訓練費
第13項、月別教育訓練費
第14項、分割があった場合の比較教育訓練費
第15項、月別移転教育訓練費
第18項、比較雇用者給与等支給額
第19項、合併があった場合の比較雇用者給与等支給額
第20項、分割があった場合の比較雇用者給与等支給額
第21項、比較月数が異なる場合の雇用安定助成金額の控除

参考規定

比較教育訓練費が0円の場合

26 法第四十二条の十二の五第一項から第三項までの規定の適用を受けようとする法人のその適用を受けようとする事業年度に係る同条第五項第八号に規定する比較教育訓練費の額が零である場合における同条第一項から第三項までの規定の適用については、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定めるところによる。
一 当該事業年度に係る教育訓練費の額が零である場合 法第四十二条の十二の五第一項第二号イ、第二項第二号イ及び第三項第二号イに掲げる要件を満たさないものとする。
二 前号に掲げる場合以外の場合 法第四十二条の十二の五第一項第二号イ、第二項第二号イ及び第三項第二号イに掲げる要件を満たすものとする。

租税特別措置法施行令第27条の12の5第26項、施行日令和6年9月2日

1月未満の端数は1月とする。

22 第七項、第九項、第十二項から第十五項まで及び第十八項から前項までの月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。

租税特別措置法施行令第27条の12の5第22項、施行日令和6年9月2日


新しいこと
・讃松庵、カレーうどん定食

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