賞与の源泉徴収税額


今回は、賞与の源泉徴収税額を確認してみましょう。

一般的な賞与の源泉徴収税額

会社・個人事業者が従業員に給料や賞与を支払う場合、
源泉徴収が必要となります。

給与や賞与の源泉徴収については、
源泉徴収税額表を使用します。
(PC等を使用して計算する方法もあります。)

参考情報、国税庁、令和6年分 源泉徴収税額表
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/zeigakuhyo2023/02.htm

賞与の源泉徴収税額については、
賞与×源泉徴収税率で計算します。

源泉徴収税率については、
「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を使用して、
賞与の源泉徴収税率を確認する必要があります。

賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(令和 6 年分)
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/zeigakuhyo2023/data/15-16.pdf

ポイントは次の2つです。
・扶養親族等の人数(源泉控除対象配偶者と控除対象扶養親族)
・前月の給与等の金額(社会保険料控除などをマイナスした後)

賞与の源泉徴収税率

「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」の列は、
扶養親族等の人数で分けられています。
扶養親族等がいない場合は、0人の列を確認します。

前月の給与等の金額が240,000円の場合は、
「79千円以上252千円未満」に該当します。

該当するところの一番左の「賞与の金額に乗ずべき率」が、
賞与の源泉徴収税率となります。

今回の場合は、4.084%となります。
(4%に復興特別所得税2.1%を考慮した率)

扶養親族等の数が1人の場合は、
「94千円以上243千円未満」に該当するため、
賞与の源泉徴収税率は、2.042%となります。

賞与の源泉徴収税額

源泉徴収税率を確認した後、賞与を計算します。

賞与については、社会保険料等(健康保険や厚生年金保険)を
マイナスした後の金額となるため注意しましょう。

例えば、賞与が400,000円、社会保険料等が60,000円(約15%)の場合は、
賞与の金額は400,000円-60,000円=340,000円となります。

源泉徴収税率が4.084%の場合、源泉徴収税額は、
社会保険料等控除後の賞与340,000円×税率4.084%=13,885円となります。

源泉徴収税額については、原則として、
賞与を支払った月の翌月10日までに納付する必要があります。
(納期の特例を選択している場合は、7月10日と翌年1月20日)

参考情報

賞与の源泉徴収税額の計算については、
次の6パターンがあり、今回は1を確認しました。

1、扶養控除等申告書の提出あり、前月の給与等あり
2、扶養控除等申告書の提出あり、前月の給与等なし
3、扶養控除等申告書の提出なし、前月の給与等あり
4、扶養控除等申告書の提出なし、前月の給与等なし
5、扶養控除等申告書の提出あり、10倍超の賞与
6、扶養控除等申告書の提出なし、10倍超の賞与

参考規定
扶養控除等申告書の提出あり、前月の給与等ありの場合

(賞与に係る徴収税額)
第百八十六条 賞与(賞与の性質を有する給与を含む。以下この条において同じ。)について第百八十三条第一項(源泉徴収義務)の規定により徴収すべき所得税の額は、次項の規定の適用がある場合を除き、次の各号に掲げる賞与の区分に応じ当該各号に定める税額とする。
一 給与所得者の扶養控除等申告書を提出した居住者に対し、その提出の際に経由した給与等の支払者が支払う賞与 次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める税額
イ その賞与の支払者がその支払を受ける居住者に対し前月中に支払つた又は支払うべきその他の給与等(以下この条において「通常の給与等」という。)がある場合(その賞与の支払者が支払う通常の給与等の支給期が月の整数倍の期間ごとと定められている場合にあつては、前月中に通常の給与等の支払がされない場合を含む。次号イ及び次項において同じ。) 前月中に支払つた又は支払うべき通常の給与等の金額(その賞与の支払者が支払う通常の給与等の支給期が月の整数倍の期間ごとと定められている場合には、その賞与の支払の直前に支払つた又は支払うべきその通常の給与等の前条第一項第一号に規定する月割額。次号イ及び次項において同じ。)、給与所得者の扶養控除等申告書に記載された主たる給与等に係る源泉控除対象配偶者及び控除対象扶養親族の有無及びその数に応じ別表第四の甲欄により求めた率をその賞与の金額に乗じて計算した金額に相当する税額

所得税法第186条第1項1号イ、施行日令和6年4月1日
PAGE TOP