通算制度からの離脱等に伴う資産の時価評価_対象法人


今回は、通算制度からの離脱等に伴う資産の資産の時価評価について確認します。通算グループを出る前にも時価評価が必要です。

時価評価のポイントは次の2点です。
1、対象となる法人
2、対象となる資産

今回は対象となる法人を確認します。

通算制度からの離脱等に伴う資産の時価評価損益(法法64条の13)

通算法人(注1)が次に掲げる要件(1号、2号)のいずれかに該当する場合には、その通算法人の通算終了直前事業年度(注2)終了時に有する時価評価資産(注3)の評価益又は評価損は、その通算終了直前事業年度の益金の額又は損金の額に算入します。

注1、通算制度の取りやめ等(法法64条の10④~⑥)により通算承認の効力を失うもの(注1-2)に限る。

注1-2、その通算法人が通算子法人である場合には、損益通算(法法64条の5)の適用を受けない法人として政令で定める法人(初年度離脱通算子法人)及び他の通算法人を合併法人とする合併が行われたこと又はその通算法人の残余財産が確定したことに基因して通算制度の取りやめ等(法法64条の10④~⑥)によりその通算承認の効力を失うものを除く。

注2、その効力を失う日の前日の属する事業年度。以下この項において同じ。

注3、次の各号に掲げる要件のいずれに該当するかに応じその各号に定める資産。


通算法人がグループから離脱するときは、離脱直前の含み損益は精算されます。

時価評価をする法人は、離脱条件が限定されています。
1、やむを得ない事情により自ら取りやめる場合(4項)
2、青色申告の承認の取り消しを受けた場合(5項)
3、通算法人の解散等があった場合(6項)

以下3つについては、上記の離脱条件から除外されています。
1、政令で定める法人(初年度離脱通算子法人)
2、グループ内合併
3、残余財産の確定

初年度離脱通算子法人(時価評価をしない法人)

政令で定める法人は、初年度離脱通算子法人です。

第百三十一条の十七 法第六十四条の十三第一項(通算制度からの離脱等に伴う資産の時価評価損益)に規定する政令で定める法人は、第二十四条の三(資産の評価益の計上ができない株式の発行法人等から除外される通算法人)に規定する初年度離脱通算子法人とする。

法人税法施行令131条の17、通算制度からの離脱等に伴う資産の時価評価損益

資産の評価益の計上ができない株式の発行法人等から除外される通算法人(法令24条の3)を初年度離脱通算子法人といいます。

(資産の評価益の計上ができない株式の発行法人等から除外される通算法人)
第二十四条の三 法第二十五条第四項(資産の評価益)に規定する政令で定める法人は、初年度離脱通算子法人(通算子法人で通算親法人との間に通算完全支配関係を有することとなつた日の属する当該通算親法人の事業年度終了の日までに当該通算完全支配関係を有しなくなるもの(当該通算完全支配関係を有することとなつた日以後二月以内に法第六十四条の十第六項第五号又は第六号(通算制度の取りやめ等)に掲げる事実が生ずることにより当該通算完全支配関係を有しなくなるものに限るものとし、他の通算法人を合併法人とする合併又は残余財産の確定により当該通算完全支配関係を有しなくなるものを除く。)をいう。)とする。

法人税法施行令24条の3、資産の評価益の計上ができない株式の発行法人等から除外される通算法人

通算子法人で通算親法人との間に通算完全支配関係を有することとなった日の属するその通算親法人の事業年度終了日までにその通算完全支配関係を有しなくなるもの(注1)を初年度離脱子法人といいます。

注1、その通算完全支配関係を有することとなった日以後2月以内に通算制度の取りやめ等(法法64条の10⑥5号又は6号)に掲げる事実が生ずることによりその通算完全支配関係を有しなくなるものに限るものとし、他の通算法人を合併法人とする合併又は残余財産の確定によりその通算完全支配関係を有しなくなるものを除きます

初年度離脱開始(加入)子法人と同じ取り扱いです。
通算制度がスタートして2月以内に離脱したものに限り、
グループ内合併、残余財産確定による離脱を除きます。

参考規定

第六十四条の十三 通算法人(第六十四条の十第四項から第六項まで(通算制度の取りやめ等)の規定により通算承認の効力を失うもの(当該通算法人が通算子法人である場合には、第六十四条の五(損益通算)の規定の適用を受けない法人として政令で定める法人及び他の通算法人を合併法人とする合併が行われたこと又は当該通算法人の残余財産が確定したことに基因して同項の規定により当該通算承認の効力を失うものを除く。)限る。)が次に掲げる要件のいずれかに該当する場合には、当該通算法人の通算終了直前事業年度(その効力を失う日の前日の属する事業年度をいう。以下この項において同じ。)終了の時に有する時価評価資産(次の各号に掲げる要件のいずれに該当するかに応じ当該各号に定める資産をいう。)の評価益の額(その時の価額がその時の帳簿価額を超える場合のその超える部分の金額をいう。)又は評価損の額(その時の帳簿価額がその時の価額を超える場合のその超える部分の金額をいう。)は、当該通算終了直前事業年度の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入する。
一 省略
二 省略

法人税法64条の13、通算制度からの離脱等に伴う資産の時価評価損益
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