防衛特別法人税と外国税額の控除、固定措置がある場合と固定措置がない場合


今回は、防衛特別法人税と外国税額の控除のうち、固定措置がある場合と固定措置がない場合を確認してみましょう。

固定措置がある場合

先に法案を確認してみましょう。

10 前二項の規定を適用する場合において、通算法人の対象課税事業年度の税額控除不足額相当額又は税額控除超過額相当額が当初申告税額控除不足額相当額又は当初申告税額控除超過額相当額(それぞれ当該対象課税事業年度の第二十五条第一項の規定による申告書に添付された書類に当該対象課税事業年度の税額控除不足額相当額又は税額控除超過額相当額として記載された金額をいう。以下この項及び第十二項において同じ。)と異なるときは、当初申告税額控除不足額相当額又は当初申告税額控除超過額相当額を当該対象課税事業年度の税額控除不足額相当額又は税額控除超過額相当額とみなす。

所得税法等の一部を改正する法律案

前2項は、
・第8項、防衛特別法人税から税額控除不足額相当額をマイナスする規定
・第9項、防衛特別法人税に税額控除超過額相当額をプラスする規定
を指しています。

過去に適正に計算できなかった部分については、後の事業年度(進行事業年度)の防衛特別法人税にプラス・マイナスして調整する仕組みです。


税額控除不足額相当額又は税額控除超過額相当額が
当初申告税額控除不足額相当額又は当初申告税額控除超過額相当額と

異なるときは、

当初申告税額控除不足額相当額又は当初申告税額控除超過額相当額を

当該対象課税事業年度の
税額控除不足額相当額又は税額控除超過額相当額

とみなす。

と規定されています。

外国税額控除の税額控除額の固定措置と同じ取扱いです。

修正申告や更正があると
・税額控除不足額相当額(税額控除が足りない金額)
・税額控除超過額相当額(税額控除しすぎている金額)
が変わります。

・税額控除不足額相当額
・税額控除超過額相当額
が変わると他社の計算に影響が及びます。

そのため、最初に計算した
・当初申告税額控除不足額相当額(最初に計算した控除が足りない金額)
・当初申告税額控除超過額相当額(最初に計算した控除しすぎている金額)
と異なるときは、

最初に計算した
・当初申告税額控除不足額相当額
・当初申告税額控除超過額相当額

再計算した
・税額控除不足額相当額
・税額控除超過額相当額
として取り扱って、他社の計算に影響が及ばないようにしています。

固定措置がない場合

先に法案を確認してみましょう。

11 前項の通算法人の対象課税事業年度について、次に掲げる場合のいずれかに該当する場合には、当該対象課税事業年度については、同項の規定は、適用しない。
一 税額控除不足額相当額又は税額控除超過額相当額の計算の基礎となる事実の全部又は一部を隠蔽し、又は仮装して、当該税額控除不足額相当額を増加させ、又は当該税額控除超過額相当額を減少させることによりその防衛特別法人税の負担を減少させ、又は減少させようとする場合
二 対象課税事業年度において第八項の規定により防衛特別法人税の額から控除した税額控除不足額相当額又は第九項の規定により防衛特別法人税の額に加算した税額控除超過額相当額に係る過去適用課税事業年度について第六項の規定の適用がある場合
三 対象課税事業年度(第十八項又は第十九項の規定による説明が行われた日の属するものに限る。以下この号において同じ。)の第二十五条第一項の規定による申告書に添付された書類に当該対象課税事業年度の税額控除不足額相当額又は税額控除超過額相当額として記載された金額及びその計算の根拠が第十八項又は第十九項の規定による説明の内容と異なる場合

所得税法等の一部を改正する法律案

前項は、第10項(固定措置)を指します。

通算法人の各課税事業年度を「対象課税事業年度」といいます。

対象課税事業年度について、次の1、2、3のいずれかに該当する場合は、固定措置が適用されなくなります。金額が固定されないため再計算となります。

1、事実を隠蔽や仮装して防衛特別法人税の負担を減少させようとする場合

2、過去適用課税事業年度について他の固定措置が適用されない場合
(第6項が適用されて第5項の固定措置が適用されない場合)

説明の内容と異なる場合

3、対象課税事業年度の確定申告書に添付された書類(別表)に
・税額控除不足額相当額
・税額控除超過額相当額
として記載された金額と計算根拠が、第18項や第19項の説明内容と異なる場合は、固定措置が適用されなくなります。

第18項は、税務調査の結果、
・第8項、防衛特別法人税から税額控除不足額相当額をマイナスする規定
・第9項、防衛特別法人税に税額控除超過額相当額をプラスする規定
を適用するように、と税務職員が説明する規定です。

第19項は、税務代理人がいる場合は、
通算法人ではなく、税務代理人に説明ができる規定です。

対象課税事業年度には、カッコ書きで「第18項や第19項の規定による説明が行われた日の属するものに限る。」とありますので、後の事業年度(進行事業年度)で調整するように、と説明した後は、その説明した内容や金額が優先されるということになります。

当初申告した金額は、更新される。

法案を確認してみましょう。

12 対象課税事業年度について前項の規定を適用して修正申告書の提出又は更正がされた後における第十項の規定の適用については、前項の規定にかかわらず、当該修正申告書又は当該更正に係る国税通則法第二十八条第二項に規定する更正通知書に添付された書類に当該対象課税事業年度の税額控除不足額相当額又は税額控除超過額相当額として記載された金額を当初申告税額控除不足額相当額又は当初申告税額控除超過額相当額とみなす。

所得税法等の一部を改正する法律案

前項は、第11項(固定措置を適用しない)を指します。再計算される場合です。

再計算して
・修正申告書の提出
・更正
がされた後の第10項(固定措置)については、

前項(第11項の固定措置を適用しない)に関係なく、

・修正申告書
・更正通知書
に添付された書類に当該対象課税事業年度の

・税額控除不足額相当額
・税額控除超過額相当額
として記載された金額を

・当初申告税額控除不足額相当額
・当初申告税額控除超過額相当額
として取り扱うことになります。

固定措置を適用しないで再計算された場合は、正しく再計算した税額控除不足額(超過額)相当額が「当初申告」の金額として更新されます。

参考法案

進行年度で調整する場合は、説明が必要。

18 防衛特別法人税に関する調査を行った結果、通算法人の各課税事業年度(第二十五条第一項の規定による申告書の提出期限が到来していないものに限る。)において第八項又は第九項の規定を適用すべきと認める場合には、国税庁、国税局又は税務署の当該職員は、当該通算法人に対し、その調査結果の内容(第八項又は第九項の規定を適用すべきと認めた金額及びその理由を含む。)を説明するものとする。

所得税法等の一部を改正する法律案

税務代理人に対して説明も可能。

19 実地の調査により第四十二条第一項において準用する国税通則法第七十四条の九第一項に規定する質問検査等を行った通算法人について同条第三項第二号に規定する税務代理人がある場合において、当該通算法人の第四十二条第一項において準用する同法第七十四条の十一第四項の同意があるときは、前項の規定による説明は、当該通算法人に代えて、当該税務代理人に行うことができる。

所得税法等の一部を改正する法律案

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