今回は、防衛特別法人税と外国税額の控除のうち、固定措置を適用しない場合を確認してみましょう。
固定措置
防衛特別法人税の外国税額の控除については、グループ全体で計算するところがあり、金額を固定する措置(固定措置)が設けられています。
確定申告した後に計算をやり直す場合(修正申告や更正の請求)に、計算に使用した金額を正しい金額に直すのではなく、最初に計算した金額に固定する特例を遮断措置や固定措置といいます。金額を固定すると他社の計算に影響を及ぼさなくなります。
参考リンク
防衛特別法人税と外国税額の控除、通算法人の防衛特別法人税控除限度額と固定措置
遮断措置や固定措置には例外があります。法案を確認してみましょう。
6 前項の通算法人の適用課税事業年度について、次に掲げる場合のいずれかに該当する場合には、当該適用課税事業年度については、同項の規定は、適用しない。
所得税法等の一部を改正する法律案
一 通算法人又は当該通算法人の適用課税事業年度終了の日において当該通算法人との間に通算完全支配関係がある他の通算法人が、適用課税事業年度における税額控除額の計算の基礎となる事実の全部又は一部を隠蔽し、又は仮装して税額控除額を増加させることによりその防衛特別法人税の負担を減少させ、又は減少させようとする場合
二 法人税法第六十九条第十六項(第二号に係る部分に限る。)の規定の適用がある場合
第1号か第2号のいずれかに該当する場合は、固定措置が適用されません。固定措置が適用されないということは、計算に使用する金額が正しい金額に修正されます。
固定措置が適用されない要件
第1号は、事実の隠ぺいや仮装により、防衛特別法人税の負担を減らそうとする場合です。
第2号は、法人税法(第69条第16項第2号に限定)の適用がある場合です。
第69条第16項を確認してみましょう。
16 前項の通算法人の適用事業年度について、次に掲げる場合のいずれかに該当する場合には、当該適用事業年度については、同項の規定は、適用しない。
法人税法第69条第16項、施行日令和7年1月1日
一 通算法人又は当該通算法人の適用事業年度終了の日において当該通算法人との間に通算完全支配関係がある他の通算法人が、適用事業年度における税額控除額の計算の基礎となる事実の全部又は一部を隠蔽し、又は仮装して税額控除額を増加させることによりその法人税の負担を減少させ、又は減少させようとする場合
二 第六十四条の五第八項(損益通算)の規定の適用がある場合
法人税の外国税額控除の固定措置を適用しない規定です。カッコ書きで第2号に限定とありますので、第64条の5第8項の規定の適用がある場合に防衛特別法人税の固定措置が適用されなくなります。
第64条の5第8項は、税務署長の判断で損益通算の固定措置を止める規定です。
当初申告税額控除額は、更新される。
先に法案を確認してみましょう。
7 適用課税事業年度について前項(第一号に係る部分に限る。)の規定を適用して修正申告書の提出又は更正がされた後における第五項の規定の適用については、前項の規定にかかわらず、当該修正申告書又は当該更正に係る国税通則法第二十八条第二項に規定する更正通知書に添付された書類に当該適用課税事業年度の税額控除額として記載された金額を当初申告税額控除額とみなす。
所得税法等の一部を改正する法律案
前項(第6項)は、固定しないで再計算する規定です。
第1号は、事実の隠ぺいや仮装があった場合を指します。
・修正申告書の提出
・更正
がされた後の固定措置(第5項の規定)の適用については、
・当該修正申告書
・当該更正に係る国税通則法第28条第2項に規定する更正通知書
に添付された書類に当該適用課税事業年度の税額控除額として記載された金額
を
「当初申告税額控除額」とみなす。
と規定されています。
防衛特別法人税の基礎控除額の取扱いと同じです。