防衛特別法人税と外国税額の控除、通算法人の防衛特別法人税控除限度額と固定措置


今回は、防衛特別法人税と外国税額の控除のうち、
通算法人の
・防衛特別法人税控除限度額
・固定措置
の2つを確認してみましょう。

防衛特別法人税控除限度額

防衛特別法人税にも外国税額の控除があります。

控除の順番は、次の順となります。
1、法人税
2、地方法人税
3、防衛特別法人税

外国に支払った法人税を法人税から控除。
法人税から控除しきれない場合は、地方法人税から控除。
それでも控除しきれない場合は、防衛特別法人税から控除します。

ただし、防衛特別法人税にも控除の限度があります。
「防衛特別法人税控除限度額」といいます。

法案を確認してみましょう。

4 通算法人の第一項の各課税事業年度(当該通算法人に係る通算親法人の課税事業年度終了の日に終了するものに限る。以下この項において「通算課税事業年度」という。)の第一項の防衛特別法人税控除限度額は、当該通算法人の当該通算課税事業年度の第十四条の規定を適用して計算した防衛特別法人税の額及び当該通算課税事業年度終了の日において当該通算法人との間に通算完全支配関係がある他の通算法人の当該終了の日に終了する各課税事業年度の同条の規定を適用して計算した防衛特別法人税の額の合計額のうち、当該通算法人の当該通算課税事業年度の国外所得金額に対応するものとして政令で定めるところにより計算した金額とする。

所得税法等の一部を改正する法律案

算式
防衛特別法人税控除限度額=1+2のうち、国外所得金額に対応するもの

1、当該通算法人の当該通算課税事業年度の第14条の規定(税率)を適用して計算した防衛特別法人税の額

2、当該通算課税事業年度終了の日において当該通算法人との間に通算完全支配関係がある他の通算法人の当該終了の日に終了する各課税事業年度の同条の規定(税率)を適用して計算した防衛特別法人税の額

1は個社の防衛特別法人税、2は他社の防衛特別法人税です。
結論は、グループの全体計算が必要となります。

グループ全体の防衛特別法人税の中には、
1、国内で稼いだ所得(国内所得金額)
2、国外で稼いだ所得(国外所得金額)
の2つが含まれています。

2の国外で稼いだ所得に対応するものを防衛特別法人税控除限度額といいます。

固定措置

・法人税の外国税額の控除
・防衛特別法人税の基礎控除額
の計算には、固定措置があります。

グループ全体で計算する場合に、他社の計算に影響を及ぼさないようにするため、2回目以降の計算に使用する金額を当初申告の金額に固定する取扱いがあります。遮断措置(固定措置)といいます。

法案を見てみましょう。

5 第一項の規定を適用する場合において、通算法人の同項の各課税事業年度(当該通算法人に係る通算親法人の課税事業年度終了の日に終了するものに限るものとし、被合併法人の合併の日の前日の属する課税事業年度、残余財産の確定の日の属する課税事業年度及び公益法人等(法人税法第二条第六号に規定する公益法人等をいう。以下この条において同じ。)に該当することとなった日の前日の属する課税事業年度を除く。以下第七項までにおいて「適用課税事業年度」という。)の税額控除額(当該適用課税事業年度における第一項の規定による控除をされるべき金額をいう。以下この条において同じ。)が、当初申告税額控除額(当該適用課税事業年度の第二十五条第一項の規定による申告書に添付された書類に当該適用課税事業年度の税額控除額として記載された金額をいう。以下この項及び第七項において同じ。)と異なるときは、当初申告税額控除額を税額控除額とみなす。

所得税法等の一部を改正する法律案

カッコ書きを省略してみましょう。

第一項の規定(防衛特別法人税の外国税額の控除)を適用する場合において、通算法人の同項の各課税事業年度(注1)の税額控除額(注2)が、当初申告税額控除額(注3)と異なるときは、当初申告税額控除額を税額控除額とみなす。

A、2回目に計算した金額を「税額控除額」
B、1回目に計算した金額を「当初申告税額控除額」
といいます。

AとBが異なるときが要件です。

B、1回目に計算した金額(当初申告税額控除額)を
A、2回目に計算した金額(税額控除限度額)として取り扱うことになります。

カッコ書きの内容

1つ目のカッコ書きは、適用課税事業年度が定義されています。通算法人のそれぞれの課税事業年度を適用課税事業年度といいます。

グループ全体で計算するため「通算親法人の課税事業年度が終了する日」を基準に課税事業年度を計算する必要があります。

ただし、次の課税事業年度は除外されます。
1、被合併法人の合併前日の課税事業年度(最終の事業年度)
2、残余財産が確定する日の課税事業年度(最終の事業年度)
3、公益法人等の該当日前日の課税事業年度(全所得課税の最終の事業年度)

2つ目のカッコ書きは、税額控除額が定義されています。
2回目以降に正しく計算した税額の控除額です。

3つ目のカッコ書きは、当初申告税額控除額が定義されています。1回目の確定申告書に添付された書類(別表)に税額控除額として記載された金額です。

おまけ

遮断措置と固定措置には何か微妙な違いや使い分けがあるのかと思っていましたが、同じ意味なのかなあと。

法人税基本通達16-3-50のタイトルが「隠蔽又は仮装により当初申告税額控除額固定措置が適用されない場合」で、固定措置という言葉がでてきます。

進行年度で再計算する進行年度控除措置との対比?で固定措置と名前を変えているような気もします。

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