防衛特別法人税の基準法人税額などの固定措置


今回は、防衛特別法人税の基準法人税額などの固定措置を確認してみましょう。

法案の内容

先に法案を確認してみましょう。

5 前三項の規定を適用する場合において、第三項第二号イ若しくはロの基準法人税額又は前項第二号イ若しくはロの基準法人税加算額が第三項第二号の通算法人の同号イの課税事業年度若しくは同号ロの他の通算法人の同号ロに規定する日に終了する課税事業年度又は前項第二号の通算法人の同号イの課税事業年度若しくは同号ロの他の通算法人の同号ロに規定する日に終了する課税事業年度(以下この条において「通算課税事業年度」という。)の第二十五条第一項の規定による申告書に当該通算課税事業年度の基準法人税額又は基準法人税加算額として記載された金額(以下この項及び第七項においてそれぞれ「当初申告基準法人税額」又は「当初申告基準法人税加算額」という。)と異なるときは、当初申告基準法人税額又は当初申告基準法人税加算額を第三項第二号イ若しくはロの基準法人税額又は前項第二号イ若しくはロの基準法人税加算額とみなす。

所得税法等の一部を改正する法律案

前3項の規定は、次の3つです。
・第2項、課税標準法人税額の計算
・第3項、基準控除額の計算
・第4項、基礎控除残額の計算

次の規定が長いので区切ってみましょう。

・第三項第二号イ若しくはロの基準法人税額又は
・前項第二号イ若しくはロの基準法人税加算額

第三項第二号の通算法人の同号イの課税事業年度若しくは同号ロの他の通算法人の同号ロに規定する日に終了する課税事業年度又は前項第二号の通算法人の同号イの課税事業年度若しくは同号ロの他の通算法人の同号ロに規定する日に終了する課税事業年度(以下この条において「通算課税事業年度」という。)の第二十五条第一項の規定による申告書に当該通算課税事業年度の基準法人税額又は基準法人税加算額として記載された金額(以下この項及び第七項においてそれぞれ「当初申告基準法人税額」又は「当初申告基準法人税加算額」という。)と異なるときは、

・当初申告基準法人税額又は
・当初申告基準法人税加算額

・第三項第二号イ若しくはロの基準法人税額又は
・前項第二号イ若しくはロの基準法人税加算額
とみなす。

まとめてみますと

基準法人税額が当初申告基準法人税額と異なるときは、当初申告基準法人税額を基準法人税額として取り扱うことになります。

基礎控除額の按分計算に基準法人税額を使用しています。基準法人税額を当初の金額に固定すると、基礎控除額も固定されるので、他社の計算に影響しなくなります。

通算課税事業年度

次の課税事業年度を「通算課税事業年度」といいます。

・第三項第二号の通算法人の同号イの課税事業年度若しくは
同号ロの他の通算法人の同号ロに規定する日に終了する課税事業年度又は

・前項第二号の通算法人の同号イの課税事業年度若しくは同号ロの他の通算法人の同号ロに規定する日に終了する課税事業年度

第3項は基礎控除額、前項は基礎控除残額の規定です。
イは個社、ロは他社の規定です。

当初申告基準法人税額と当初申告基準法人税加算額

「通算課税事業年度」の第二十五条第一項の規定による申告書(確定申告書)に当該通算課税事業年度の基準法人税額又は基準法人税加算額として記載された金額

と規定されています。

最初に提出した確定申告書に記載した
・基準法人税額を当初申告基準法人税額
・基準法人税加算額を当初申告基準法人税額
といいます。

試算

試算してみましょう。

1、基準法人税額
A社、5,500,000円
B社、2,000,000円
C社、2,500,000円
合計 10,000,000円

2、基礎控除額を基準法人税額で按分すると
A社、2,750,000円
B社、1,000,000円
C社 1,250,000円
合計 5,000,000円

3、課税標準法人税額(1-2)
A社、2,750,000円
B社、1,000,000円
C社 1,250,000円
合計 5,000,000円

4、防衛特別法人税の額(税率4%)
A社、110,000円
B社、40,000円
C社 50,000円
合計 200,000円

5、更正により基準法人税額が減った場合
A社、4,000,000円(150万円減少)
B社、2,000,000円
C社、2,000,000円(50万円減少)
合計 8,000,000円(200万円減少)

6、基礎控除額を基準法人税額で按分すると
A社、2,500,000円
B社、1,250,000円
C社 1,250,000円
合計 5,000,000円

基準法人税額が変わっていないB社の基礎控除額が変動します。
(基準法人税額が変わり割合が変わるため。)

B社の計算に影響を与えないようにするため、基準法人税額を当初の金額に固定します。

7、基準法人税額を固定して基礎控除額を按分すると
A社、2,750,000円
B社、1,000,000円
C社 1,250,000円
合計 5,000,000円

8、課税標準法人税額(5-7)
A社、1,250,000円
B社、1,000,000円
C社 750,000円
合計 3,000,000円

9、防衛特別法人税の額(税率4%)
A社、50,000円(60,000円減少、150万円×4%)
B社、40,000円
C社 30,000円(20,000円減少、50万円×4%)
合計 120,000円(80,000円減少、200万円×4%)

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