防衛特別法人税の税率と留保金課税の適用がある場合


今回は、防衛特別法人税の税率と留保金課税の適用がある場合を確認してみましょう。

防衛特別法人税の税率

防衛特別法人税の税率は、4%です。

何に4%をかけるのかといいますと課税標準法人税額です。

課税標準法人税額は、原則として
・基準法人税額-基礎控除額(年500万円)
で計算します。

基準法人税額は、原則として法人税額です。

まとめますと、
(法人税額-500万円)×4%=防衛特別法人税となります。

留保金課税の適用がある場合

法案を確認してみましょう。次の第2項に規定されています。

(税率)
第十四条 防衛特別法人税の額は、各課税事業年度の課税標準法人税額に百分の四の税率を乗じて計算した金額とする。
2 前項の場合において、法人の各課税事業年度の基準法人税額に法人税法第六十七条第一項の規定により加算された金額がある場合には、前項の課税標準法人税額は、前条第二項第二号イに掲げる金額とする。

所得税法等の一部を改正する法律案

基準法人税額の中に、留保金課税の法人税が加算されている場合には、課税標準法人税額は、「前条第二項第二号イに掲げる金額」となります。

前条第二項第二号イに掲げる金額を確認してみましょう。

二 各課税事業年度の基準法人税額に法人税法第六十七条第一項の規定により加算された金額がある場合 次に掲げる金額の合計額
イ 当該課税事業年度の加算前基準法人税額(基準法人税額から法人税法第六十七条第一項の規定により加算された金額を控除した金額をいう。以下この条において同じ。)から基礎控除額を控除した金額

算式
・加算前基準法人税額-基礎控除額=課税標準法人税額
となります。

上記の法案だけ見ますと、留保金課税の法人税については防衛特別法人税がかからないように見えます。

留保金課税の法人税と防衛特別法人税

法案を確認してみましょう。

(特定同族会社の特別税率の適用がある場合の防衛特別法人税の額)
第十五条 内国法人が各課税事業年度において法人税法第六十七条第一項の規定の適用を受ける場合には、防衛特別法人税の額は、前条及び次条第九項(同条第十三項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、これらの規定により計算した防衛特別法人税の額に、第十三条第二項第二号ロに掲げる金額に百分の四を乗じて計算した金額を加算した金額とする。

所得税法等の一部を改正する法律案

留保金課税の適用を受ける場合には、防衛特別法人税の額は、

・前条(第14条)、税率
・次条(第16条、外国税額の控除)第9項
の規定に関係なく、

防衛特別法人税の額に「第十三条第二項第二号ロに掲げる金額に百分の四を乗じて計算した金額」を加算した金額とする。

とありますので、第十三条第二項第二号ロに掲げる金額を確認してみましょう。

ロ 当該課税事業年度の基準法人税加算額(基準法人税額のうち法人税法第六十七条第一項の規定により加算された金額をいう。以下この条において同じ。)から基礎控除残額を控除した金額

防衛特別法人税の額+
(基準法人税加算額-基礎控除残額)×4%=防衛特別法人税の額

となります。

結論は、留保金課税の法人税にも防衛特別法人税がかかります。

まとめ

留保金課税の適用がある場合は、基準法人税額を
・加算前基準法人税額(留保金課税がない場合の法人)
・基準法人税加算額(留保金課税の法人税)
の2つに分けます。

基礎控除額(年500万円)は、
1、加算前基準法人税額
2、基準法人税加算額
の順にマイナスします。

加算前基準法人税額から500万円をマイナスしきれる場合は、
・その残額(課税標準法人税額)×4%=防衛特別法人税の額

・基準法人税加算額×4%=留保金課税の防衛特別法人税
をプラスします。

加算前基準法人税額から500万円をマイナスしきれない場合は、基礎控除残額が発生します。

この場合は、防衛特別法人税の額0円+
(基準法人税加算額-基礎控除残額)×4%=防衛特別法人税の額
となります。

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