雑損控除の負担額の計算


今回は、雑損控除の負担額の計算を確認します。

雑損控除を算式で記載します。
災害等による損失+災害関連支出-保険金等の金額=損失の金額
損失の金額の合計額-負担額=雑損控除の金額

負担額の計算

負担額の計算方法は次の3つです。

  1. 損失に含まれる災害関連支出が5万円以下の場合
  2. 損失に含まれる災害関連支出が5万円を超える場合
  3. 災害関連支出のみ場合
災害関連支出が5万円以下の場合

災害関連支出が5万円以下の場合は、災害関連支出を考慮しません。
災害を受けた本人の所得×10%が負担額となります。

例えば、災害による損失100万円、うち災害関連支出5万円、
本人の所得が300万円の場合、300万円×10%=30万円が負担額となります。

雑損控除の金額は、100万円-30万円(負担額)=70万円となります。

災害関連支出が5万円を超える場合

A、損失の金額の合計額-(災害関連支出の金額-5万円)
B、災害を受けた本人の所得×10%
A、Bのいずれか低い金額となります。

例えば、災害による損失100万円、うち災害関連支出20万円、
本人の所得が300万円の場合

A、100万円-(20万円-5万円=15万円)=85万円
B、300万円(所得)×10%=30万円
A、Bのいずれか低い金額の30万円となります。

雑損控除の金額は、100万円-30万円(負担額)=70万円となります。
仮に所得が多く、低い金額がAとなる場合は、
100万円-85万円(負担額)=15万円となります。

災害関連支出のみ場合

A、5万円
B、災害を受けた本人の所得×10%
A、Bのいずれか低い金額となります。

例えば、災害関連支出20万円、本人の所得が300万円の場合
A、5万円
B、300万円(所得)×10%=30万円
A、Bのいずれか低い金額5万円となります。

雑損控除の金額は、20万円-5万円(負担額)=15万円となります。

参考規定

一 その年における損失の金額に含まれる災害関連支出の金額(損失の金額のうち災害に直接関連して支出をした金額として政令で定める金額をいう。以下この項において同じ。)が五万円以下である場合(その年における災害関連支出の金額がない場合を含む。) その居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額の合計額の十分の一に相当する金額
二 その年における損失の金額に含まれる災害関連支出の金額が五万円を超える場合 その年における損失の金額の合計額から災害関連支出の金額のうち五万円を超える部分の金額を控除した金額と前号に掲げる金額とのいずれか低い金額
三 その年における損失の金額がすべて災害関連支出の金額である場合 五万円と第一号に掲げる金額とのいずれか低い金額
2 前項に規定する損失の金額の計算に関し必要な事項は、政令で定める。
3 第一項の規定による控除は、雑損控除という。

所得税法72条
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