今回は、青色申告の65万円の特別控除と75万円の特別控除などを見てみましょう。
65万円の特別控除
現行の55万円控除が、65万円控除(10万円UP)になります。
65万円控除は、
青色申告書を提出することについて
税務署長の承認を受けている個人で、
不動産所得や事業所得を生ずべき「事業」を営む人が対象です。
山林所得や事業的規模でない不動産所得に関する業務は、対象外となります。
参考情報
4 青色申告書を提出することにつき税務署長の承認を受けている個人で不動産所得又は事業所得を生ずべき事業を営むもの(所得税法第六十七条第一項の規定の適用を受ける者を除く。)が、同法第百四十八条第一項の規定により、当該事業につき帳簿書類を備え付けてこれにその承認を受けている年分の不動産所得の金額又は事業所得の金額に係る取引を記録している場合(これらの所得の金額に係る一切の取引の内容を詳細に記録している場合として財務省令で定める場合に限る。)には、その年分の不動産所得の金額又は事業所得の金額は、同法第二十六条第二項又は第二十七条第二項の規定により計算した不動産所得の金額又は事業所得の金額から次に掲げる金額のうちいずれか低い金額を控除した金額とする。
一 六十五万円
二 所得税法第二十六条第二項又は第二十七条第二項の規定により計算した不動産所得の金額又は事業所得の金額の合計額75万円の特別控除
要件を満たした場合、65万円控除が75万円控除(10万円UP)になります。
改正案の内容です。
5 前項に規定する個人が同項に規定する場合に該当する場合において、その年における同項に規定する帳簿書類のうち財務省令で定めるものについて、財務省令で定めるところにより、電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律(平成十年法律第二十五号)第四条第一項又は第五条第一項若しくは第三項に規定する財務省令で定めるところに従い、当該帳簿書類に係る同法第二条第三号に規定する電磁的記録(以下この項において「電磁的記録」という。)の備付け及び保存又は当該電磁的記録の備付け及び当該電磁的記録の同条第六号に規定する電子計算機出力マイクロフィルムによる保存を行つているとき(次に掲げる場合のいずれかに該当する場合に限る。)は、前項第一号中「六十五万円」とあるのは、「七十五万円」として、同項の規定を適用することができる。
一 省略
二 省略分けてみましょう。
前項(第4項)に規定する個人が
同項(第4項)に規定する場合に該当する場合において、
その年における同項(第4項)に規定する
帳簿書類のうち財務省令で定めるものについて、
財務省令で定めるところにより、
電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律(平成十年法律第二十五号)第四条第一項又は第五条第一項若しくは第三項に規定する財務省令で定めるところに従い、
当該帳簿書類に係る同法第二条第三号に規定する電磁的記録(以下この項において「電磁的記録」という。)の備付け及び保存又は
当該電磁的記録の備付け及び当該電磁的記録の同条第六号に規定する電子計算機出力マイクロフィルムによる保存を行つているとき(次に掲げる場合のいずれかに該当する場合に限る。)は、
前項(第4項)第1号中「65万円」とあるのは、
「75万円」として、同項(第4項)の規定を適用することができる。
一 省略
二 省略次に掲げる場合の「いずれか」とありますので、
第1号要件か、第2号要件のいずれかをクリアする必要があります。
第1号の要件
第1号の要件を見てみましょう。
一 当該帳簿書類に係る当該電磁的記録の備付け及び保存又は当該電磁的記録の備付け及び当該電磁的記録の当該電子計算機出力マイクロフィルムによる保存が、電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律第八条第四項に規定する財務省令で定める要件を満たしている場合・帳簿書類に係る電磁的記録の備付けと保存 又は
・電磁的記録の備付けと電磁的記録の電子計算機出力マイクロフィルムによる保存
が「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」第8条第4項に規定する財務省令で定める要件を満たしている場合が第1号要件です。
帳簿書類のデータの備付けと保存が
電子帳簿保存法の要件(第8条第4項)を満たしている場合です。
第2号の要件
第2号の要件を見てみましょう。
二 次に掲げる要件の全てを満たす場合
イ 省略
ロ 省略次に掲げる要件は、イとロです。
「全て」とありますので、両方満たす必要があります。
イの要件
その年において前項(第4項)に規定する
・不動産所得の金額 又は
・事業所得の金額
に係る「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」
第2条第5号に規定する
電子取引(ロにおいて「電子取引」という。)の
同号(第5号)に規定する
取引情報(ロにおいて「取引情報」という。)に係る
同法第8条第5項に規定する
特定電磁的記録(ロにおいて「特定電磁的記録」という。)の保存が
同項(同法第8条第5項)に規定する
財務省令で定める要件を満たすために
必要な措置として財務省令で定めるものを講じていること。電子取引の取引情報の特定データの保存が
電子帳簿保存法の要件(第8条第5項)を満たすために必要な措置として
財務省令(租税特別措置法施行令)で定めるものを
講じていることがイの要件です。
ロの要件
その年においてイの電子取引をした場合には、
財務省令(租税特別措置法施行令)で定めるところにより、
電子取引の取引情報に係る特定電磁的記録を
保存していることがロの要件です。
電子帳簿保存法の要件(第8条第5項)を確認してみたところ「特定電磁的記録」の文言がありません。令和9年1月1日施行分に「特定電磁的記録」の定義が確認できます。
参考情報、電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律、令和9年1月1日施行
5 第四条第三項前段に規定する財務省令で定めるところに従って保存が行われている同項に規定する国税関係書類に係る電磁的記録若しくは同項後段の規定により保存が行われている当該電磁的記録又は
前条の保存義務者により行われた電子取引の取引情報に係る電磁的記録(同条に規定する財務省令で定めるところに従って保存が行われているもの(以下この項において「特定電磁的記録」という。)であって、その保存が国税の納税義務の適正な履行に資するものとして財務省令で定める要件を満たしている場合における当該特定電磁的記録(当該保存義務者により当該特定電磁的記録の保存が行われた日以後引き続き当該要件を満たして保存が行われているものに限る。)を除く。)に記録された事項に関し国税通則法第十八条第二項(期限後申告)に規定する期限後申告書若しくは修正申告書の提出、更正若しくは同法第二十五条(決定)の規定による決定又は納税の告知(同法第三十六条第一項(第二号に係る部分に限る。)(納税の告知)の規定による納税の告知をいう。以下この項において同じ。)若しくは納税の告知を受けることなくされた納付(以下この項において「期限後申告等」という。)があった場合において、
省略前条(第7条)の保存義務者により行われた
電子取引の取引情報に係る電磁的記録で、同条(第7条)に規定する
財務省令(電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則)で定めるところに従って保存が行われているものを「特定電磁的記録」といいます。
国税庁長官の定める基準に適合するものを「特定電子計算機処理システム」といい、このシステムを使用して適切に特定データを保存することが要件です。
第1号は帳簿書類の内容、第2号は電子取引の内容です。
いずれも一定のシステムを使って、
情報の訂正や削除を管理することが要件です。
控除順序
特別控除の順番は、次の順です。
1、不動産所得の黒字
30万円(黒字)-30万円(特別控除)=0円
2、事業所得の黒字
535万円(黒字)-残り35万円(特別控除)=500万円
(山林所得の黒字は、控除できません。)
参考情報
6 第四項の規定により控除すべき金額は、不動産所得の金額又は事業所得の金額から順次控除する。電子申告が必要
65万円や75万円を控除するためには、電子申告(e-tax)が必要です。
7 第四項の規定は、その年分の所得税の確定申告書の提出期限までに、情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律(平成十四年法律第百五十一号)第六条第一項の規定により同項に規定する電子情報処理組織を使用して、財務省令で定めるところにより、当該確定申告書に記載すべき事項(第四項の規定の適用を受けようとする旨及び同項の規定による控除を受ける金額の計算に関する事項を含む。)及び第四項に規定する帳簿書類に基づき財務省令で定めるところにより作成された貸借対照表、損益計算書その他不動産所得の金額又は事業所得の金額の計算に関する明細書に記載すべき事項に係る情報を送信した場合に限り、適用する。第4項(65万円控除)の規定は、
所得税の確定申告書の提出期限までに
電子申告(e-tax)した場合に限り、適用できます。
送信する必要がある情報
1、確定申告書に記載すべき事項(注)
2、第4項に規定する帳簿書類に基づき財務省令で定めるところにより作成された
・貸借対照表(B/S)
・損益計算書(P/L)
・不動産所得の金額や事業所得の金額の計算明細書に記載すべき事項
に係る情報
注、第4項の規定の適用を受けようとする旨と同項(第4項)の規定による控除を受ける金額(65万円や75万円)の計算に関する事項を含みます。
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参考情報
新しい青色申告特別控除の内容、第25条の2
第1項、10万円の特別控除
貸借対照表(B/S)は不要
第2項、10万円の特別控除が適用できない場合
2年前の収入が1,000万円超の場合は注意
第3項、10万円の特別控除の控除順序
不動産→事業→山林
第4項、65万円の特別控除
貸借対照表(B/S)が必要
第5項、75万円の特別控除
データ管理が必要
第6項、65万円や75万円の特別控除の控除順序
不動産→事業
第7項、65万円や75万円の手続き
期限内の電子申告が必要
