2割特例の計算と第1表の記載方法


今回は、消費税の2割特例の計算と第1表の記載方法を確認してみましょう。

納付する消費税の計算用紙は3枚

2割特例で納付する消費税を計算する用紙は、次の3枚です。

  1. 消費税及び地方消費税の申告書(申告書第1表)
  2. 課税標準額等の内訳書(申告書第2表)
  3. 付表6、税率別消費税額集計表(小規模事業者に係る税額控除に関する経過措置を適用する課税期間用)

下記URLから<2割特例用>の用紙がダウンロードできます。
(個人事業者用は現時点でありません。)

令和5年10月1日以後終了する課税期間分の消費税及び地方消費税の申告書・添付書類等
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/shinkoku/shohi/07.htm

納付する消費税は、
上記の反対で付表6→申告書第2表→申告書第1表の順に計算します。

今回は、申告書第1表の記載方法を確認します。

参考リンク
2割特例の計算と付表6の記載方法
2割特例の計算と第2表の記載方法
・2割特例の計算と第1表の記載方法(このページ)

申告書第1表の記入例

申告書第1表は、納付する消費税(還付される消費税)を計算する表で、
付表6や申告書第2表の金額を転記して作成します。

参考リンクの情報と同じ前提で確認していきます。
付表6、申告書第2表(参考リンク参照)の前提

令和5年10月1日から令和5年12月31日までの
消費税がかかる売上(課税売上げ、税込み)が1,650,000円、
消費税がかかる売上のマイナス(税込み)が1,760円の場合

申告書第1表の記入例

申告書第1表の作成の留意点

申告書第1表の1欄から6欄までは、
付表6と申告書第2表の金額を転記します。

7欄(控除税額小計)は、
4欄+5欄+6欄を合計した金額を記入します。

9欄(差引税額)で、納付する消費税(国税)を計算します。

10欄(中間納付税額)には、
支払った中間消費税(国税)がある場合は忘れずに記入しましょう。

11欄(納付税額)は、
9欄(納付する消費税)-10欄(中間納付税額)を記入します。

12欄(中間納付還付税額)は、
9欄(納付する消費税)<10欄(中間納付税額)の場合に記入します。
1年間で支払う消費税より中間納付した消費税が多いため、
中間納付した消費税の一部が還付されます。
「還付を受けようとする金融機関等」も忘れずに記入しましょう。

2割特例を適用する場合は、15欄の右の赤枠
「税額控除に係る経過措置の適用(2割特例)」に〇を記入します。

地方消費税の計算

18欄(差引税額)は、
9欄(11欄)の金額を転記します。

申告書右下に※「2割特例による申告の場合、18欄に11欄の数字を記載し、18欄×22÷78から算出された金額を20欄に記載してください。」とありますが、10欄(中間納付税額)の記載がある場合は金額が変わりますので注意しましょう。

18欄(差引税額)を記載した後、申告書第2表(課税標準額等の内訳書)の
20欄と23欄に同額(23,300円)を転記します。

20欄(納税額)には、
18欄×22÷78=6,500円(100円未満切捨て)を記入します。

21欄(中間納付譲渡割額)には、
支払った中間消費税(地方税)がある場合は忘れずに記入しましょう。

22欄(納付譲渡割額)は、
20欄(納付する地方消費税)-21欄(中間納付譲渡割額)を記入します。

23欄(中間納付還付譲渡割額)は、
20欄(納付する地方消費税)<21欄(中間納付譲渡割額)の場合に
記入します。

納付する消費税の計算と検算

26欄(消費税及び地方消費税の合計税額)は、原則として、
11欄(納付税額)+22欄(納付譲渡割額)の合計額を記入します。
29,800円=23,300円+6,500円

計算、記入が終わりましたら、
納付する消費税の検算してみましょう。

検算方法(1つの例です。)
1、純売上高を求めます。
税込み売上1,650,000円-税込みマイナス売上1,760円=税込み純売上1,648,240円

2、税抜き金額に割り戻します。
税込み純売上1,648,240円÷1.1=税抜き純売上1,498,400円

3、受け取った消費税を求めます。
税抜き純売上1,498,400円×10%=受け取った消費税149,840円

4、3の金額に20%をかけて、
税込みマイナス売上の消費税を引きます。
受け取った消費税149,840円×20%=29,968円
29,968円-160円(=1,760円÷1.1×10%)=29,808円
≒納付する消費税29,800円(8円の差)

納付する消費税の計算については、
途中で1000円未満や100円未満の切捨てがあるため、
多少の誤差が生じます。

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