5年均等償却


今回は、簿価が取得価額の5%残っている
減価償却の計算(5年均等償却)を確認してみましょう。

内容

平成19年3月31日以前に取得した一般的な減価償却資産については、
必要経費に算入された償却累積額≧取得価額×95%となる場合、
翌年以後に5年均等償却の特例が設けられています。

取得価額の5%が簿価として残っているため、
1年で1%ずつ定額で償却していきます。

5%均等償却の算式
取得価額-(取得価額×95%+1円)=
計算した金額÷5=償却費

5年均等償却の具体例

具体的な数字で確認します。

取得価額1,000,000円、耐用年数10年、旧定額法の場合、
11年目の減価償却費の計算で累積額が取得価額×95%に達します。

12年目の減価償却費の計算
1,000,000円-(1,000,000円×95%=950,000円+1円=950,001円)
=49,999円

49,999円÷5年=9999.8円→10,000円(所得税は端数切上げ)
(法人税は端数切捨てのため、9,999円です。)
所得税の簿価は、40,000円となります。

以後の償却額
13年目、10,000円、簿価30,000円
14年目、10,000円、簿価20,000円
15年目、10,000円、簿価10,000円

16年目の減価償却費
当年分10,000円+前年以前の償却額の累積額990,000円=
1,000,000円>取得価額1,000,000円-1円=999,999円となりますので、
超える部分の金額1,000,000円-999,999円=1円をマイナスします。

そのため、10,000円-1円=9,999円が償却費となります。
簿価1円が残ります。

留意点

5年均等償却の特例は、業務用の減価償却資産に限定されています。
非業務用の減価償却資産については、5年均等償却の特例が使えませんので、
取得価額の95%で償却計算が終了します。

参考規定

2 居住者の有する前項第一号イ又はハに掲げる減価償却資産(そのよるべき償却の方法として同号に規定する償却の方法を採用しているものに限る。)の償却費としてその者のその年の前年分以前の各年分の不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額又は雑所得の金額の計算上必要経費に算入された金額の累積額が当該減価償却資産の同号イ又はハに定める金額に達している場合には、当該減価償却資産については、第百三十一条から前条まで及び同項の規定にかかわらず、当該減価償却資産の取得価額から同号イ又はハに定める金額及び一円を控除した金額を五で除して計算した金額(当該計算した金額と当該減価償却資産の償却費としてその者のその年の前年分以前の各年分の不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額又は雑所得の金額の計算上必要経費に算入された金額の累積額との合計額が当該減価償却資産の取得価額から一円を控除した金額を超える場合には、その超える部分の金額を控除した金額)をもつてその年分の償却費の額とする。

所得税法施行令134条

所得税法134条1項1号、平成19年3月31日以前取得
イ、一般的な減価償却資産、95%まで償却可(5%は残ります。)
ロ、坑道など
ハ、生物
ニ、国外リース資産
ホ、リース賃貸資産

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