任意組合等に係る事業の適格請求書交付に当たっての各種届出書の提出方法


今回は、「任意組合等に係る事業の適格請求書交付に当たっての各種届出書の提出方法」を確認します。

任意組合等の特例

インボイスを発行するためには、
インボイスの登録を受ける必要があります。

インボイスの登録を受けないで
インボイスを交付することは、禁止されています。
(適格請求書類似書類等の交付の禁止という規定があります。)

もう1つ禁止規定があり、その1つが
「任意組合等の組合員による適格請求書等の交付の禁止」です。

任意組合等の組合員による適格請求書等の交付の禁止って何?

原則として任意組合等の組合員については、
それぞれの組合員がインボイスの登録を受けた場合であっても、
「任意組合等の事業に関するインボイス」が発行ができません。

任意組合等の事業としてインボイスを発行する場合は、
インボイスの登録とは別に、届出書の提出が必要です。

[手続名]任意組合等の組合員の全てが適格請求書発行事業者である場合における適格請求書の交付
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/invoice_05.htm

届出書の記載事項に変更があった場合、
変更届出書の提出が必要となります。

[手続名]任意組合等の組合員の全てが適格請求書発行事業者である旨の届出書の届出事項の変更手続
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/invoice_06.htm

お問い合わせの内容は?

国税庁の「お問い合わせの多いご質問」が2023年9月15日に更新されています。

国税庁、お問合せの多いご質問(令和5年9月15日掲載)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/0521-1334-faq.pdf

その1つが
「任意組合等に係る事業の適格請求書交付に当たっての各種届出書の提出方法」

問い合わせ内容は、次の2つ。

1、組合員の1人が新たに事業を開始した場合の届出書の取扱い
2、組合員の加入・離脱が多い場合、その都度手続きが必要?

組合員の1人が新たに事業を開始した場合の届出書の取扱い

既に届出を済ませている任意組合等に組合員が参加する場合ではなく、
最初に「任意組合等の届出書」を提出する場合の取扱いです。

例えば、インボイス発行事業者のA法人とB法人、
設立したばかりのC法人の3社が初めて手続きをする場合、

C法人については、設立したばかりなので、
インボイスの登録を受けていません。

任意組合等のインボイスを発行するためには、
Cがインボイスの登録を受ける必要があります。

法令上の取扱いをあてはめると

1、Cがインボイスの登録を受ける。
2、A、B、Cの全員がインボイス発行事業者となる。
3、業務執行組合員が届出書の提出
4、提出日以後、インボイスが発行可能

となります。

実務上の取扱い

Cは新設法人のため、特例の要件を満たせば、
課税期間の初日(通常、設立日)に遡って
インボイスの登録を受けることができます。

そのため、実務上の手続きとして

省略
任意組合等の届出書における当該組合員の登録番号欄に「後日提出予定」などの記載を行った上で提出し、当該組合員に対して適格請求書発行事業者の登録通知があった後、速やかに任意組合等の届出書(次葉)等により、当該組合員の登録番号を提出することとして差し支えありません(注)。

お問合せの多いご質問(令和5年9月15日掲載)、15ページ

という回答が公表されており、Cがインボイスの登録を受ける前に
任意組合等の届出書が提出可能となっています。

仮に、インボイスの登録が拒否された場合は、
交付済のインボイスの差し替えが必要となります。

組合員の加入・離脱が多い場合

任意組合等の届出書を提出した後、
非インボイス発行事業者が組合員として加入したり、
組合員が非インボイス発行事業者となった場合は、

その日からインボイスの発行が禁止されます。

そのため、組合員の変更等、
最初に提出した「任意組合等の届出書」の記載事項に変更があった場合は、

業務執行組合員が、速やかに「任意組合等の変更届出書」を
提出する必要があります。

参考規定

3 法第五十七条の六第一項ただし書の規定による届出書を提出した業務執行組合員は、当該届出書に記載した事項に変更があつたときは、その旨を記載した届出書に第一項各号に掲げる任意組合等に係る組合契約の契約書その他これに類する書類の写しを添付し、速やかに、これをその納税地を所轄する税務署長に提出しなければならない。

消費税法施行令70条の14、施行日令和5年10月1日
実務上の取扱い

任意組合等の変更届出書については、
具体的な提出期限がないため、

実務上の取扱いとして、

省略
速やかな提出が困難である場合には、当該任意組合等に係る一定の期間(以下「計算期間」といいます。)の末日までに、その計算期間内に生じた変更事項をまとめた一覧を添付の上、任意組合等の変更届出書を提出することで差し支えありません。

お問合せの多いご質問(令和5年9月15日掲載)、16ページ

という回答が公表されており、変更の都度の提出ではなく、
まとめて提出することが可能となっています。

参考規定

消費税法57条の6、任意組合等の組合員による適格請求書等の交付の禁止
施行日令和5年10月1日

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