今回は、NISAの非課税口座をやめる場合の手続きを確認してみましょう。
非課税口座廃止届出書の提出
NISAを利用している方が、
NISAの非課税口座を止める場合は、
「非課税口座廃止届出書」を
金融商品取引業者等に提出する必要があります。
非課税口座廃止届出書とは、
その非課税口座を廃止する旨等が記載された届出書をいいます。
非課税口座廃止届出書の取扱い
非課税口座廃止届出書を提出すると、
提出した時点で、非課税口座が廃止されます。
廃止後の株式の配当や売却益については、
所得税・住民税が課税されます。
廃止届出事項の提供義務と非課税口座廃止通知書の交付義務
非課税口座廃止届出書の提出を受けた金融商品取引業者等は、
届出書の内容を税務署長に提供する必要があります。
その金融商品取引業者等は、要件を満たす場合に限って、
届出書を提出した本人に非課税口座廃止通知書を
交付する必要があります。
要件は、次の2つ。
1、1/1~9/30までの間に届出書の提出を受けた場合
本年分の
・非課税管理勘定
・累積投資勘定
・特定累積投資勘定
が設定されていたとき。
既に勘定が設定されているため、
非課税口座廃止通知書を交付する必要があります。
2、10/1~12/31までの間に届出書の提出を受けた場合
翌年分の
・非課税管理勘定
・累積投資勘定
・特定累積投資勘定
が設けられることとなっていたとき。
翌年に勘定が設定されるため、
非課税口座廃止通知書を交付する必要があります。
非課税口座廃止通知書
非課税口座廃止通知書は、居住者等が
・16項、非課税口座廃止届出書の提出義務
・17項、非課税口座廃止届出書の取扱い
・18項、廃止届出事項の提出義務と非課税口座廃止通知書の交付義務
の規定により、金融商品取引業者等から交付を受けた書類で
一定の事項が記載されたものをいいます。
この非課税口座廃止通知書は、
廃止要件(上記の1号、2号)を満たす場合に限り、
届出書を提出した本人に交付されます。

参考規定など
非課税口座をやめる場合の手続き
16 非課税口座を開設している居住者又は恒久的施設を有する非居住者が当該非課税口座につき第九条の八及び第一項から第四項までの規定の適用を受けることをやめようとする場合には、その者は、当該非課税口座が開設されている金融商品取引業者等の営業所の長に、当該非課税口座を廃止する旨その他の財務省令で定める事項を記載した届出書(以下この条において「非課税口座廃止届出書」という。)の提出(当該非課税口座廃止届出書の提出に代えて行う電磁的方法による当該非課税口座廃止届出書に記載すべき事項の提供を含む。次項及び第十八項において同じ。)をしなければならない。
租税特別措置法37条の14、施行日令和6年1月1日、令和五年法律第三号による改正
参考、規定をまとめたもの
非課税口座を開設している居住者等が
その非課税口座につきNISA配当金の非課税等
(第9条の8及び第1項から第4項まで)の規定の適用を受けることを
やめようとする場合には、
その者は、
その非課税口座が開設されている金融商品取引業者等の営業所の長に、
非課税口座廃止届出書(注1)の提出(データ提供を含む。)を
しなければならない。
注1、非課税口座廃止届出書
その非課税口座を廃止する旨
その他の財務省令で定める事項を記載した届出書
非課税口座廃止届出書を提出した後は、課税される。
17 非課税口座廃止届出書の提出があつた場合には、その提出があつた時に当該非課税口座廃止届出書に係る非課税口座が廃止されるものとし、当該非課税口座に受け入れていた上場株式等につき当該提出の時後に支払を受けるべき第九条の八に規定する配当等及び当該提出の時後に行う当該上場株式等の譲渡による所得については、同条及び第一項から第三項までの規定は、適用しない。
租税特別措置法37条の14、施行日令和6年1月1日、令和五年法律第三号による改正
参考、規定をまとめたもの
非課税口座廃止届出書の提出があった場合には、
その提出があった時に
その非課税口座廃止届出書に係る非課税口座が廃止されます。
その非課税口座に受け入れていた上場株式等につき
・その提出の時後に支払を受けるべき第9条の8に規定する配当等
・その提出の時後に行うその上場株式等の譲渡による所得
については、第9条の8と第1項から第3項までの規定は、適用されません。
廃止届出事項の提出義務と非課税口座廃止通知書の交付義務
18 非課税口座廃止届出書の提出を受けた金融商品取引業者等の営業所の長は、その提出を受けた後速やかに、当該非課税口座廃止届出書の提出をした者の氏名、非課税口座廃止届出書の提出を受けた旨、非課税口座を廃止した年月日その他の財務省令で定める事項(以下この項及び第二十一項において「廃止届出事項」という。)を特定電子情報処理組織を使用する方法により当該金融商品取引業者等の営業所の所在地の所轄税務署長に提供しなければならないものとし、当該廃止届出事項の提供をした金融商品取引業者等の営業所の長は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定めるときに限り、当該非課税口座廃止届出書の提出をした居住者又は恒久的施設を有する非居住者に対し、非課税口座廃止通知書を交付しなければならない。
租税特別措置法37条の14、施行日令和6年1月1日、令和五年法律第三号による改正
一 当該非課税口座廃止届出書の提出を一月一日から九月三十日までの間に受けた場合 当該提出を受けた日において当該非課税口座に同日の属する年分の非課税管理勘定、累積投資勘定又は特定累積投資勘定が設けられていたとき。
二 当該非課税口座廃止届出書の提出を十月一日から十二月三十一日までの間に受けた場合 当該提出を受けた日において当該非課税口座に同日の属する年分の翌年分の非課税管理勘定、累積投資勘定又は特定累積投資勘定が設けられることとなつていたとき。
参考、規定をまとめたもの
非課税口座廃止届出書の提出を受けた
金融商品取引業者等の営業所の長は、
その提出を受けた後速やかに、
廃止届出事項(注1)を
特定電子情報処理組織を使用する方法により
その金融商品取引業者等の営業所の所在地の
所轄税務署長に提供しなければならないものとし、
その廃止届出事項の提供をした金融商品取引業者等の営業所の長は、
次の各号に掲げる場合の区分に応じ
当該各号に定めるときに限り、
その非課税口座廃止届出書の提出をした居住者等に対し、
非課税口座廃止通知書を交付しなければならない。
注1、廃止届出事項
・非課税口座廃止届出書の提出をした者の氏名
・非課税口座廃止届出書の提出を受けた旨
・非課税口座を廃止した年月日
・その他の財務省令で定める事項
1号、その非課税口座廃止届出書の提出を
1月1日から9月30日までの間に受けた場合
その提出を受けた日において
その非課税口座に同日の属する年分の
非課税管理勘定、累積投資勘定又は特定累積投資勘定
が設けられていたとき。
2号、その非課税口座廃止届出書の提出を
10月1日から12月31日までの間に受けた場合
その提出を受けた日において
その非課税口座に同日の属する年分の翌年分の
非課税管理勘定、累積投資勘定又は特定累積投資勘定
が設けられることとなつていたとき。
十 非課税口座廃止通知書 居住者又は恒久的施設を有する非居住者が、第十六項から第十八項までの規定の定めるところにより第十六項に規定する金融商品取引業者等の営業所の長から交付を受けた書類で、その者の氏名及び生年月日、非課税口座を廃止した年月日、当該廃止した日の属する年分の非課税管理勘定、累積投資勘定、特定累積投資勘定又は特定非課税管理勘定への上場株式等の受入れの有無その他の財務省令で定める事項の記載のあるものをいう。
租税特別措置法37条の14第5項、施行日令和6年1月1日、令和五年法律第三号による改正
参考、規定をまとめたもの
非課税口座廃止通知書とは、
居住者等が16項、17項、18項の規定の定めるところにより
16項に規定する金融商品取引業者等の営業所の長から交付を受けた書類で、
・その者の氏名と生年月日
・非課税管理勘定、累積投資勘定、特定累積投資勘定、特定非課税管理勘定への上場株式等の受入れの有無
・その他の財務省令で定める事項
の記載のあるものをいいます。