今回は、法人税のリース譲渡の改正と通算制度の経過措置などを確認してみましょう。
リース譲渡の読替規定
リース会計基準の改正に併せて、法人税の取扱いが変わります。
令和7年4月1日(施行日)を基準に取扱いが変わりますが、経過措置が設けられています。
リース譲渡の特例については、
・第1項、延払基準の経理をした場合
・第2項、利息相当額の特例
・第3項、非適格株式交換等があった場合
・第4項、通算制度の開始・加入、離脱等があった場合
などがあり、所得税にはない特例があります。
今回は、所得税にない特例(第3項と第4項)の経過措置を確認してみましょう。
非適格株式交換等があった場合の経過措置
読替規定を確認してみましょう。
省略
所得税法等の一部を改正する法律案
同条第三項中「各事業年度の所得の金額」とあるのは「各事業年度又は各連結事業年度(所得税法等の一部を改正する法律(令和二年法律第八号)第三条の規定による改正前の法人税法第十五条の二第一項(連結事業年度の意義)に規定する連結事業年度をいう。次項において同じ。)の所得の金額又は連結所得(所得税法等の一部を改正する法律(令和二年法律第八号)第三条の規定による改正前の法人税法第二条第十八号の四(定義)に規定する連結所得をいう。次項において同じ。)の金額」と、同条第四項中「各事業年度の所得の金額」とあるのは「各事業年度又は各連結事業年度の所得の金額又は連結所得の金額」とする。
実際に読み替えてみましょう。
3 前条第一項の内国法人が同項に規定する非適格株式交換等の日の属する事業年度(以下この項において「非適格株式交換等事業年度」という。)において前二項の規定の適用を受けている場合には、その適用を受けているリース譲渡に係る収益の額及び費用の額(当該非適格株式交換等事業年度前の各事業年度又は各連結事業年度(所得税法等の一部を改正する法律(令和二年法律第八号)第三条の規定による改正前の法人税法第十五条の二第一項(連結事業年度の意義)に規定する連結事業年度をいう。次項において同じ。)の所得の金額又は連結所得(所得税法等の一部を改正する法律(令和二年法律第八号)第三条の規定による改正前の法人税法第二条第十八号の四(定義)に規定する連結所得をいう。次項において同じ。)の金額の計算上益金の額及び損金の額に算入されるもの並びに前二項の規定により当該非適格株式交換等事業年度の所得の金額の計算上益金の額及び損金の額に算入されるものを除く。)は、当該収益の額と費用の額との差額が少額であるものとして政令で定める要件に該当する契約その他政令で定める契約に係るものを除き、当該非適格株式交換等事業年度の所得の金額の計算上、益金の額及び損金の額に算入する。
読み替える前の内容は、「非適格株式交換等があった場合には、原則としてリース譲渡の残額を一括計上する」というものです。
参考リンク
・非適格株式交換等とリース譲渡の精算
読み替えると、現行の法律では、連結納税の規定がなくなっているため、連結納税を選択していたときの計算も考慮するという意味になります。
・各連結事業年度の定義で、次項において同じ。
・連結所得の定義で、次項において同じ。
とあるため、次の通算制度の経過措置では、
各連結事業年度と連結所得の定義がありません。
通算制度の開始・加入、離脱等があった場合の経過措置
実際に読み替えてみましょう。
4 第六十四条の十一第一項(通算制度の開始に伴う資産の時価評価損益)に規定する内国法人、第六十四条の十二第一項(通算制度への加入に伴う資産の時価評価損益)に規定する他の内国法人又は第六十四条の十三第一項(通算制度からの離脱等に伴う資産の時価評価損益)に規定する通算法人(同項第一号に掲げる要件に該当するものに限る。)が時価評価事業年度(第六十四条の十一第一項に規定する通算開始直前事業年度、第六十四条の十二第一項に規定する通算加入直前事業年度又は第六十四条の十三第一項に規定する通算終了直前事業年度(これらの事業年度のうち前項の規定の適用を受ける事業年度を除く。)をいう。以下この項において同じ。)において第一項又は第二項の規定の適用を受けている場合には、その適用を受けているリース譲渡に係る収益の額及び費用の額(当該時価評価事業年度前の各事業年度又は各連結事業年度の所得の金額又は連結所得の金額の計算上益金の額及び損金の額に算入されるもの並びに第一項又は第二項の規定により当該時価評価事業年度の所得の金額の計算上益金の額及び損金の額に算入されるものを除く。)は、当該収益の額と費用の額との差額が少額であるものとして政令で定める要件に該当する契約その他政令で定める契約に係るものを除き、当該時価評価事業年度の所得の金額の計算上、益金の額及び損金の額に算入する。
読み替える前の内容は、「通算制度の時価評価の対象となる場合は、原則としてリース譲渡の残額を一括計上する」というものです。
参考リンク
・通算制度とリース譲渡の精算
読み替えると、現行の法律では、連結納税の規定がなくなっているため、連結納税を選択していたときの計算も考慮するという意味になります。