仮装経理の防衛特別法人税が防衛特別法人税から控除できる場合


今回は、仮装経理の防衛特別法人税が防衛特別法人税から控除できる場合を確認してみましょう。

内容

粉飾決算など(仮装経理)により余分に防衛特別法人税を支払った場合は、原則として他の要件を満たすまで還付されません。

還付されませんが、防衛特別法人税の支払いがある場合は、余分に支払った防衛特別法人税を防衛特別法人税の支払いに充当することができます。

規定を確認してみましょう。
(後半に載せています。)

カッコ書きが複雑なので省略してみましょう。

内国法人の各課税事業年度開始の日前に開始した課税事業年度(注1)の防衛特別法人税につき税務署長が更正をした場合において、当該更正につき第39条第1項の規定の適用があったときは、当該更正に係る同項に規定する仮装経理防衛特別法人税額(注2)は、当該各課税事業年度(注3)の防衛特別法人税の額から控除する。

前期以前に更正があった場合に、その更正について粉飾決算などにより防衛特別法人税が還付されない特例の適用があったときは、仮装経理で余分に支払った防衛特別法人税は、防衛特別法人税からマイナスできます。

カッコ書きの内容

1つ目のカッコ書きを確認してみましょう。

当該各課税事業年度終了の日以前に行われた当該内国法人を合併法人とする適格合併に係る被合併法人の当該適格合併の日前に開始した課税事業年度(以下この条において「被合併法人課税事業年度」という。)を含む。

適格合併があった場合は、被合併法人の事業年度が含まれます。「被合併法人課税事業年度」といいます。適格合併でない合併の課税事業年度は含まれません。

2つ目のカッコ書きを確認してみましょう。

既に同条第二項、第三項又は第七項の規定により還付されるべきこととなった金額及びこの条の規定により控除された金額を除く。

同条は、「我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法」第39条(防衛特別法人税が還付されない)のことです。
・第2項、確定法人税額に達するまでの金額は還付されます。
・第3項、最終申告期限が到来した場合は還付されます。
・第7項、還付請求書の提出があった場合は、書面により通知されます。

余分に支払った防衛特別法人税が既に還付されている場合は除外されます。この条(防衛特別法人税の控除)によりマイナスされた金額も除外されます。

そのため、余分に支払った防衛特別法人税が2重に還付・控除されることはありません。

3つ目のカッコ書きを確認してみましょう。

当該更正の日(当該更正が被合併法人課税事業年度の防衛特別法人税につき当該適格合併の日前にしたものである場合には、当該適格合併の日)以後に終了する課税事業年度に限る。

防衛特別法人税からマイナスできるのは、更正の日以後に「終了」する課税事業年度に限定されます。

被合併法人に更正があった場合は、適格合併の日以後に「終了」する課税事業年度に限定されます。

参考規定など

粉飾決算などにより余分に支払った防衛特別法人税は、支払う防衛特別法人税があれば防衛特別法人税から控除されます。

(仮装経理に基づく過大申告の場合の更正に伴う防衛特別法人税額の控除)
第十九条 内国法人の各課税事業年度開始の日前に開始した課税事業年度(当該各課税事業年度終了の日以前に行われた当該内国法人を合併法人とする適格合併に係る被合併法人の当該適格合併の日前に開始した課税事業年度(以下この条において「被合併法人課税事業年度」という。)を含む。)の防衛特別法人税につき税務署長が更正をした場合において、当該更正につき第三十九条第一項の規定の適用があったときは、当該更正に係る同項に規定する仮装経理防衛特別法人税額(既に同条第二項、第三項又は第七項の規定により還付されるべきこととなった金額及びこの条の規定により控除された金額を除く。)は、当該各課税事業年度(当該更正の日(当該更正が被合併法人課税事業年度の防衛特別法人税につき当該適格合併の日前にしたものである場合には、当該適格合併の日)以後に終了する課税事業年度に限る。)の防衛特別法人税の額から控除する。

我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法第19条、令和8年4月1日施行

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