今回は、仮決算による防衛特別法人税の中間申告をした場合の読替規定を確認してみましょう。
読み替えの内容は法人税と同じ。
読替規定を先に確認してみましょう。
3 第一項第一号に規定する期間に係る課税標準である課税標準法人税額及び同項第二号に掲げる防衛特別法人税の額の計算については、第十三条第五項並びに第十六条第五項、第十項及び第十一項第三号中「第二十五条第一項の規定による申告書」とあり、並びに同条第十五項、第十七条第四項及び第十八条第三項中「防衛特別法人税確定申告書」とあるのは、「防衛特別法人税中間申告書」とする。
我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法第22条第3項、令和8年4月1日施行
「第1項第1号に規定する期間」は、前半6カ月(上半期)のことです。
・課税標準となる法人税
・防衛特別法人税
の計算規定については、そのままだと使えないので読み替える必要があります。
読替え規定の数が少ないので、実際に読み替えてみましょう。
第13条第5項
5 前三項の規定を適用する場合において、第三項第二号イ若しくはロの基準法人税額又は前項第二号イ若しくはロの基準法人税加算額が第三項第二号の通算法人の同号イの課税事業年度若しくは同号ロの他の通算法人の同号ロに規定する日に終了する課税事業年度又は前項第二号の通算法人の同号イの課税事業年度若しくは同号ロの他の通算法人の同号ロに規定する日に終了する課税事業年度(以下この条において「通算課税事業年度」という。)の防衛特別法人税中間申告書に当該通算課税事業年度の基準法人税額又は基準法人税加算額として記載された金額(以下この項及び第七項においてそれぞれ「当初申告基準法人税額」又は「当初申告基準法人税加算額」という。)と異なるときは、当初申告基準法人税額又は当初申告基準法人税加算額を第三項第二号イ若しくはロの基準法人税額又は前項第二号イ若しくはロの基準法人税加算額とみなす。
通算法人については、全体の再計算を避けるため金額を固定する特例があります。遮断措置(固定措置)といいます。
第25条第1項の規定による申告書は、防衛特別法人税の確定申告書のことです。「防衛特別法人税中間申告書」に読み替えるため、仮決算による防衛特別法人税の中間申告についても金額が固定される(=修正しない)ことになります。
第16条は防衛特別法人税の外国税額の控除に関する規定で、第5項は外国税額の控除の固定措置に関するものです。
5 第一項の規定を適用する場合において、通算法人の同項の各課税事業年度(当該通算法人に係る通算親法人の課税事業年度終了の日に終了するものに限るものとし、被合併法人の合併の日の前日の属する課税事業年度、残余財産の確定の日の属する課税事業年度及び公益法人等(法人税法第二条第六号に規定する公益法人等をいう。以下この条において同じ。)に該当することとなった日の前日の属する課税事業年度を除く。以下第七項までにおいて「適用課税事業年度」という。)の税額控除額(当該適用課税事業年度における第一項の規定による控除をされるべき金額をいう。以下この条において同じ。)が、当初申告税額控除額(当該適用課税事業年度の防衛特別法人税中間申告書に添付された書類に当該適用課税事業年度の税額控除額として記載された金額をいう。以下この項及び第七項において同じ。)と異なるときは、当初申告税額控除額を税額控除額とみなす。
仮決算による防衛特別法人税の中間申告についても金額が固定されます。
第16条第10項は、過去の外国税額の控除を調整する特例の固定措置です。
10 前二項の規定を適用する場合において、通算法人の対象課税事業年度の税額控除不足額相当額又は税額控除超過額相当額が当初申告税額控除不足額相当額又は当初申告税額控除超過額相当額(それぞれ当該対象課税事業年度の防衛特別法人税中間申告書に添付された書類に当該対象課税事業年度の税額控除不足額相当額又は税額控除超過額相当額として記載された金額をいう。以下この項及び第十二項において同じ。)と異なるときは、当初申告税額控除不足額相当額又は当初申告税額控除超過額相当額を当該対象課税事業年度の税額控除不足額相当額又は税額控除超過額相当額とみなす。
仮決算による防衛特別法人税の中間申告についても金額が固定されます。
第16条第11項は、金額を固定しないで再計算する規定です。
第3号は、別表の記載内容が説明された内容と異なる場合です。
11 前項の通算法人の対象課税事業年度について、次に掲げる場合のいずれかに該当する場合には、当該対象課税事業年度については、同項の規定は、適用しない。
一 省略
二 省略
三 対象課税事業年度(第十八項又は第十九項の規定による説明が行われた日の属するものに限る。以下この号において同じ。)の防衛特別法人税中間申告書に添付された書類に当該対象課税事業年度の税額控除不足額相当額又は税額控除超過額相当額として記載された金額及びその計算の根拠が第十八項又は第十九項の規定による説明の内容と異なる場合
説明内容と異なる内容を記載した場合は、仮計算であっても再計算となります。
・同条(第16条)第15項は、外国税額の控除
・第17条第4項、分配時調整外国税相当額の控除
・第18条第3項、控除対象所得税額等相当額の控除
の3つについては、仮決算であっても手続き要件を満たす必要があります。
参考情報
同条(第16条)第15項、外国税額の控除、読替え後
15 第一項及び第二項の規定は、防衛特別法人税中間申告書、修正申告書又は国税通則法第二十三条第三項に規定する更正請求書(次項及び第十七項において「申告書等」という。)に控除対象外国法人税等の額(第一項に規定する控除対象外国法人税の額又は法人税法第百四十四条の二第一項に規定する控除対象外国法人税の額をいう。以下この項において同じ。)、第一項及び第二項の規定による控除を受けるべき金額並びに当該金額の計算に関する明細を記載した書類の添付がある場合に限り、適用する。この場合において、これらの規定による控除をされるべき金額の計算の基礎となる控除対象外国法人税等の額は、税務署長において特別の事情があると認める場合を除くほか、当該書類に控除対象外国法人税等の額として記載された金額を限度とする。
第17条第4項、分配時調整外国税相当額の控除、読替え後
4 第一項及び第二項の規定は、防衛特別法人税中間申告書、修正申告書又は国税通則法第二十三条第三項に規定する更正請求書に分配時調整外国税相当額(復興財確法第三十三条第一項の規定により読み替えて適用される法人税法第六十九条の二第一項に規定する分配時調整外国税相当額又は復興財確法第三十三条第一項の規定により読み替えて適用される法人税法第百四十四条の二の二第一項に規定する分配時調整外国税相当額をいう。以下この項において同じ。)、第一項及び第二項の規定による控除を受ける金額並びに当該金額の計算に関する明細を記載した書類の添付がある場合に限り、適用する。この場合において、これらの規定により控除される金額は、当該書類に当該分配時調整外国税相当額として記載された金額を限度とする。
第18条第3項、控除対象所得税額等相当額の控除、読替え後
3 前二項の規定は、防衛特別法人税中間申告書、修正申告書又は国税通則法第二十三条第三項に規定する更正請求書に前二項の規定による控除の対象となる所得税等の額(第四十三条第一項及び復興財確法第三十三条第一項の規定により読み替えて適用される租税特別措置法第六十六条の七第四項又は第六十六条の九の三第三項に規定する所得税等の額をいう。以下この項において同じ。)、控除を受ける金額及び当該金額の計算に関する明細を記載した書類の添付がある場合に限り、適用する。この場合において、前二項の規定により控除される金額の計算の基礎となる所得税等の額は、当該書類に当該所得税等の額として記載された金額を限度とする。