今回は、外国公館等の消費税の免税のうち、免税を受けるための手続きと禁止事項を確認してみましょう。
消費税法の免税
消費税は、
・国内において事業者が行った資産の譲渡等
に対してかかります。
事業として対価(主にお金)を得て行われる
・資産の譲渡(商品の販売など)
・資産の貸付け(土地、建物、車両などの貸付け)
・サービスの提供
を「資産の譲渡等」といいます。
消費税がかからない例外は、2つあります。
1、非課税
2、消費税法の免税(輸出免税と輸出物品販売場の免税)
今回の内容は、消費税法ではなく租税特別措置法(措置法)の免税です。
免税を受けるための手続き
措置法の免税は、免税を受けるための手続きが必要です。
今回確認する規定は、こちら↓です。
2 前項の規定は、同項の課税資産の譲渡等を行つた事業者が、当該外国の大使館等又は大使等が同項に規定する方法により消費税の免除を受けて当該課税資産の譲渡等に係る資産を譲り受け、若しくは借り受け、又は当該課税資産の譲渡等に係る役務の提供を受けたことを証する書類又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この項において同じ。)を、政令で定めるところにより保存しない場合には、適用しない。ただし、災害その他やむを得ない事情により当該書類又は電磁的記録を保存することができなかつたことを当該事業者において証明した場合は、この限りでない。
租税特別措置法第86条第2項、令和7年10月1日施行
前項の規定は、第1項の措置法の免税規定のことです。
同項(第1項)の課税資産の譲渡等は、非課税取引などを除外した消費税がかかる取引を指します。
「行った事業者が」とありますので、対象者は事業者(売り手)です。
続きの規定は、読みづらいので区切ります。
外国の
・大使館等や大使等
が同項(第1項)に規定する方法により消費税の免除を受けて
課税資産の譲渡等(消費税がかかる取引)に係る
・資産の譲受け
・資産の借受け
・サービスの提供
を受けたことを証する
・書類や電磁的記録
を、政令で定めるところにより保存しない場合には、適用しない。
消費税の免税を受けるための書類などを保存しない場合は、消費税の免税が受けられなくなります。
(詳細は、政令=租税特別措置法施行令を確認する必要があります。)
禁止事項
先に規定を確認してみましょう。
3 第一項の外国の大使館等又は大使等は、同項の規定の適用を受けた資産を譲り受け、又は借り受けた日から二年間は、当該資産を同項に規定する任務の遂行のための用途以外の用途(以下この項において「目的外の用途」という。)に供してはならない。ただし、当該資産を当該期間内に目的外の用途に供することにつきやむを得ない事情がある場合は、この限りでない。
租税特別措置法第86条第3項、令和7年10月1日施行
「外国の大使館等や大使等は、」とありますので、禁止事項の対象者は、買い手です。
免税の対象となった資産を
・譲り受けた日や借り受けた日
から2年間は、目的外(外交や領事など以外)の用途に使用できません。
例外として、やむを得ない事情がある場合は、使用可能です。
—
おまけ、輸出物品販売場の免税と異なる点
現行の輸出物品販売場の免税については、免税を受けた後に消費税がかされる場合(要件)があります。今回確認した措置法の免税については、目的外の用途に使用することが禁止されているだけで、消費税が課税される場合(要件)が見当たりません。
最近の新しいこと
・ケンミン タイ風焼そばパッタイ