消費税の納税地の指定と指定の取り消し


今回は、消費税の納税地の指定と指定の取り消しを確認してみましょう。

納税地の指定

納税地は、基準となる場所です。

原則として、個人事業者の納税地は住所地、
法人の納税地は本店所在地となります。

この納税地が指定される場合がありますので、規定を見てみましょう。

(納税地の指定)
第二十三条 前三条の規定による納税地が個人事業者又は法人の行う資産の譲渡等及び特定仕入れの状況からみて当該資産の譲渡等及び特定仕入れに係る消費税の納税地として不適当であると認められる場合には、その納税地を所轄する国税局長(政令で定める場合には、国税庁長官。次項において同じ。)は、これらの規定にかかわらず、その資産の譲渡等及び特定仕入れに係る消費税の納税地を指定することができる。

消費税法第23条第1項、令和7年10月1日施行

前3条の規定は、次の3つです。
1、第20条、個人事業者の納税地
2、第21条、個人事業者の納税地の特例
3、第22条、法人の納税地

上記の規定による納税地が
1、個人事業者
2、法人
の行う資産の譲渡等(販売など)の状況からみて、消費税の納税地として不適当であると認められる場合が要件です。

例えば、納税地をA県としながら、実際にはB県で商売をしている場合です。

この場合は、納税地を所轄する国税局長などが、消費税の納税地を指定することができます。

納税地の指定があった場合は、消費税の納税地がB県に変わります。

指定方法は、書面です。

参考規定、書面通知

2 国税局長は、前項の規定により資産の譲渡等及び特定仕入れに係る消費税の納税地を指定したときは、同項の個人事業者又は法人に対し、書面によりその旨を通知する。

消費税法第23条第2項、令和7年10月1日施行
国税庁長官が指定する場合

カッコ書きに「政令で定める場合には、国税庁長官。」とありますので、政令(消費税法施行令)を見てみましょう。

(納税地の指定)
第四十四条 法第二十三条第一項に規定する政令で定める場合は、同項の規定により指定されるべき納税地が法第二十条から第二十二条までの規定による納税地(既に法第二十三条の規定により納税地の指定がされている場合には、その指定をされている納税地)を所轄する国税局長の管轄区域以外の地域にある場合とする。

消費税法施行令第44条、令和7年10月1日施行

同項(消費税法第23条第1項)の規定により指定されるべき納税地が、
消費税法第20条から第22条までの規定による納税地(省略)を所轄する国税局長の管轄区域以外の地域にある場合

と規定されています。

消費税法第20条から第22条までの規定は、次の3つです。
1、第20条、個人事業者の納税地
2、第21条、個人事業者の納税地の特例
3、第22条、法人の納税地

大阪国税局の管轄区域は、
滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・和歌山県の6つです。

東京国税局の管轄区域は、
千葉県・東京都・神奈川県・山梨県の4つです。

指定される前の納税地が京都府(大阪国税局の管轄区域)、指定されるべき納税地が神奈川県(東京国税局の管轄区域)の場合、国税局長の管轄区域が異なるため、国税局長ではなく、国税庁長官が納税地を指定する仕組みです。

カッコ書きは、再指定の場合です。再指定の場合は、前回指定された納税地で判定します。

納税地の指定が取り消された場合

納税地の指定が取り消されることがあります。取り消された場合、取り消される前に提出した消費税の申告書や届出書がどうなるのかが規定されています。

結論は、消費税の申告書や届出書については取り消されません。

(納税地指定の処分の取消しがあつた場合の申告等の効力)
第二十四条 再調査の請求についての決定若しくは審査請求についての裁決又は判決により、前条第一項の規定による資産の譲渡等及び特定仕入れに係る消費税の納税地の指定の処分の取消しがあつた場合においても、その処分の取消しは、その取消しの対象となつた処分のあつた時からその取消しの時までの間に、その取消しの対象となつた納税地をその処分に係る事業者の納税地としてその消費税に関してされた申告、申請、請求、届出その他書類の提出及び納付並びに国税庁長官、国税局長又は税務署長の処分(その取消しの対象となつた処分を除く。)の効力に影響を及ぼさないものとする。

消費税法第24条、令和7年10月1日施行

1、再調査の請求についての決定
2、審査請求についての裁決
3、判決
により、前条(第23条)第1項による消費税の納税地の指定の処分の取り消しがあった場合においても、

その処分の取り消しは、

1、その取り消しの対象となった処分のあった時から
2、その取り消しの時まで

の間に、その取り消しの対象となった納税地(B県)を
その処分に係る事業者の納税地(A県)としてその消費税に関してされた
1、申告
2、申請
3、請求
4、届出
5、その他書類の提出や納付
6、国税庁長官・国税局長・税務署長の処分の効力
に影響を及ぼしません。

カッコ書きにより、「その取り消しの対象となった処分」が除外されています。除外されているため、取り消しの対象となった処分については、影響が及びます。


- A、取り消しの対象となった処分 ← 影響あり

↓ B、消費税の申告 ← 影響なし
↓ C、消費税の届出 ← 影響なし

- D、納税地の指定の処分の取り消し → Aに影響を及ぼします。

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