今回は、法人の消費税の納税地が変わった場合などを確認してみましょう。
法人の消費税の納税地が変わった場合
今回確認する規定は、こちらです。
(法人の納税地の異動の届出)
消費税法第25条、令和7年10月1日施行
第二十五条 法人は、その資産の譲渡等及び特定仕入れに係る消費税の納税地に異動があつた場合(第二十三条第一項の指定により資産の譲渡等及び特定仕入れに係る消費税の納税地の異動があつた場合を除く。)には、遅滞なく、その異動前の納税地を所轄する税務署長に書面によりその旨を届け出なければならない。
法人(当社)は、
消費税の納税地(基準となる場所)に異動があった場合には、遅滞なく、
・その異動する前
の納税地の所轄税務署長(税務署)に
書面(電子申告)により異動があったことを届け出る必要があります。
参考リンク、国税庁、D1-17 消費税異動届出手続
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shohi/annai/1461_10.htm
規定を読んでいて気になったこととして、個人事業者の異動届に関する規定がないなと。上記リンクの手続き対象者を見ると、「ただし、個人事業者の方は、令和5年1月1日以後の異動については、この届出書を提出する必要はありません。」とあります。
令和5年1月1日施行の条文比較を見てみますと、改正前は、第25条の規定のタイトルが「納税地の異動の届出」で個人事業者も対象でしたが、改正後の令和5年1月1日以後のタイトルは「法人の納税地の異動の届出」に変わっており、個人事業者の届出義務がなくなっています。
輸入した場合の納税地
今回確認する規定は、こちらです。
(外国貨物に係る納税地)
消費税法第26条、令和7年10月1日施行
第二十六条 保税地域から引き取られる外国貨物に係る消費税の納税地は、当該保税地域の所在地とする。
消費税の納税地は、複数あります。
保税地域(税関など)から引き取られる外国貨物(輸入の許可がされていない貨物など)の消費税の納税地は、保税地域の所在地となります。
個人事業者や法人の納税地とは、関係がありません。
一般的な消費税の納税地の規定は、「資産の譲渡等及び特定仕入れに係る消費税の納税地」と規定され、輸入取引の消費税の納税地の規定は、「保税地域から引き取られる外国貨物に係る消費税の納税地」と規定されているため、取引によって納税地が異なります。
輸出物品販売場で購入した免税商品を輸出しない場合の納税地
今回確認する規定は、こちらです。
(輸出物品販売場において購入した物品を譲渡した場合等の納税地)
消費税法第27条第1項、令和7年10月1日施行
第二十七条 第八条第三項本文の規定に該当する物品の譲渡に係る消費税の納税地は、同項に規定する出港地又は住所若しくは居所の所在地とする。
消費税法第8条第3項本文は、輸出物品販売場(消費税が免除されるお店)で買った商品(免税商品)を日本から海外に出国する日までに、輸出しない場合の規定です。免除された消費税が徴収されます。
この場合の納税地は、
1、同項(消費税法第8条第3項)の出港地
2、住所や居所の所在地
が消費税の納税地になります。
原則は出港地ですが、免税で購入した人が免税の対象者でなくなる場合は、住所や居所の所在地に変わります。
輸出物品販売場の消費税の免税は、改正が予定されています。購入時点で消費税を支払い、出国時に消費税が返金される方式(リファンド方式)です。
返金方式に変わると、後から消費税を徴収することがなくなるため、上記の納税地の規定が削除されます。
輸出物品販売場で購入した免税商品を売却した場合の納税地
今回確認する規定は、こちらです。
2 第八条第五項本文又は第六項の規定に該当する物品の譲渡に係る消費税の納税地は、これらの規定に規定する譲渡又は譲受けがあつた時(同条第四項ただし書の承認があつた場合には、その承認があつた時)における当該譲渡若しくは譲受け又は承認に係る物品の所在場所とする。
消費税法第27条第2項、令和7年10月1日施行
消費税法第8条第5項本文や第6項は、免税商品の受け渡しがあった場合です。
この場合の消費税の納税地は、
これらの規定(第5項本文や第6項)に規定する
1、譲渡(販売)
2、譲り受け(受け取り)
があった時の免税商品の所在場所となります。
免税商品を受け渡しした人の納税地は、関係ありません。
カッコ書きにより、やむを得ない事情があり、税務署長の承認を受けて免税商品の受け渡しをした場合は、その承認があった時の免税商品の所在場所が、消費税の納税地となります。
この規定も、改正により削除されます。
