外航船等に積み込む物品の譲渡等に係る消費税の免除_消費税が免除されなくなる場合


今回は、外航船等に積み込む物品の譲渡等に係る消費税の免除のうち、消費税が免除されなくなる場合を確認してみましょう。

免除された消費税が免除されなくなる場合

今回確認する規定は、こちらです。

2 前項の規定の適用を受けて外航船等に積み込まれた指定物品のうち事業者から譲渡されたものが、最初に次の各号に掲げる場合に該当することとなつた場合(政令で定めるところにより当該外航船等が入港している港の所在地の所轄税関長の承認を受けて、他の外航船等に積み換えられる場合その他政令で定める場合を除く。)には、当該指定物品の所持者が関税法第六条の二第一項第二号に規定する賦課課税方式が適用される当該各号に定める指定物品を保税地域から引き取るものとみなして、消費税法を適用する。
省略
一 本邦において陸揚げ又は取卸し(積換えを含む。以下この号において同じ。)がされる場合 その陸揚げ又は取卸しがされる指定物品
二 当該外航船等が外航船等でなくなる時に当該外航船等に現存する場合 その現存する指定物品

租税特別措置法第85条第2項、令和8年1月1日施行
前項(第1項、免税)の適用を受けて外航船等に積み込まれた「指定物品」のうち、事業者から譲渡されたものが、

と規定されているため、
指定物品を保税地域から引き取る場合(輸入取引)は、対象外です。

続きを見てみると

最初に次の各号(第1号と第2号)に掲げる場合に
該当することとなった場合が要件です。

カッコ書きの例外を満たす場合は、要件から外れます。

第1号は、
本邦(原則として日本)において
・陸揚げ(荷物を陸にあげること)
・取卸し(貨物を降ろすこと)
(積換えを含みます。)がされる場合です。

第2号は、
その外航船等が外航船等でなくなる時に、
その外航船等がある場合です。

取り扱いを見てみましょう。

当該指定物品の所持者が関税法第六条の二第一項第二号に規定する賦課課税方式が適用される当該各号に定める指定物品を保税地域から引き取るものとみなして、消費税法を適用する。

その指定物品(酒類)の所持者が
関税法第6条の2第1項第2号に規定する
賦課課税方式(税関長が税額を決める方式)が適用される
その各号(第1号と第2号)に定める指定物品を
保税地域から引き取るものとして取り扱い、
消費税法が適用されます。

対象者は、売り手でもなく買い手でもなく、指定物品の所持者です。

保税地域から引き取る場合は、輸入消費税がかかります。
今回の規定では、陸揚げ・取卸し・積換えが、
保税地域からの引き取りとして取り扱われるため、
輸入消費税が発生することになります。

第1号の指定物品は、
・陸揚げ
・取卸し
がされる指定物品です。

第2号の指定物品は、
外航船等でなくなった時にある指定物品です。

納税地と課税標準

省略した部分を確認してみましょう。

この場合において、当該指定物品に係る消費税の納税地は、当該指定物品が当該各号に掲げる場合に該当することとなつた場所の所在地とし、当該指定物品の課税標準は、同法第二十八条第四項の規定にかかわらず、当該指定物品が前項の規定の適用を受けて事業者から譲渡された時における当該譲渡に係る対価の額(同条第一項に規定する対価の額をいう。第八十六条の六第一項において同じ。)とする。

租税特別措置法第85条第2項後段、令和8年1月1日施行

消費税法が適用される場合において、
指定物品の消費税の納税地は、その指定物品がある場所です。

消費税の課税標準は、原則に関係なく、
その指定物品が前項(第1項、免税)の適用を受けて
事業者から譲渡(販売)されたタイミングにおける
その譲渡の対価の額です。

言い換えると
輸入消費税が発生しますが、
免除された消費税が輸入消費税となります。

特例輸入者などの特例

規定を見てみましょう。

3 前項の場合において、関税法第七条の二第一項に規定する特例輸入者又は特例委託輸入者が前項の指定物品に係る消費税法第四十七条第二項の申告書(政令で定める物品に係るものを除く。)を税関長に提出するときは、いずれかの税関長に対して当該申告書を提出することができる。この場合における消費税の納税地は、前項の規定にかかわらず、当該申告書の提出をした税関長の所属する税関の所在地とする。

租税特別措置法第85条第3項、令和8年1月1日施行

前項(第2項)の場合(輸入消費税が発生する場合)において、
関税法第7条の2第1項に規定する
・特例輸入者
・特例委託輸入者
が前項(第2項)の指定物品(酒類など)の
消費税法第47条第2項の申告書(賦課課税方式)を
税関長に提出するときが要件です。

要件を満たした場合は、いずれかの税関長に
賦課課税方式の申告書の提出が可能です。

気になった部分は、「いずれかの税関長」の部分。指定物品の場所などに関係なく、複数ある税関長のうちいずれかという意味で、制限がないようです。

この場合の消費税の納税地は、原則に関係なく、
賦課課税方式の申告書を提出した税関の所在地となります。

例えば、指定物品A、B、Cがあるとして
指定物品AをDで積換えて、Eで陸に揚げた場合は、
指定物品Aについて輸入消費税が発生し、
申告と納税は、Dに関する税関となるのでしょう。
(指定物品BとCは、輸入消費税が発生しない。)

次に指定物品BをFで積換えて、Gで陸に揚げた場合は、
指定物品Bについて輸入消費税が発生し、
申告と納税は、Gに関する税関となるのでしょう。
(指定物品Cは、輸入消費税が発生しない。)

仮に、第3項に該当する場合は、EやGに関する税関に限らず、
いずれかの税関長に対して申告書が提出できるような仕組みです。

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