今回は、外航船等に積み込む物品の譲渡等に係る消費税の免除のうち、申告書の提出先の特例が適用されない物品を確認してみましょう。
申告書の提出先の特例が適用されない物品
租税特別措置法第85条第1項(指定物品の譲渡)の要件を満たした場合、消費税などが免除されます。ただし、第2項の要件(本邦の陸揚げなど)を満たした場合は、免除された消費税が発生します。
第3項は、申告書の提出先の特例です。
・特例輸入者
・特例委託輸入者
については、いずれかの税関長に対して申告書が提出できます。
提出先が自動的に納税地になるからです。
例外として、一定の物品については、第3項の特例の対象外となっているため、確認してみましょう。
(申告書の提出先の特例を適用しない物品の指定)
租税特別措置法施行令第45条の3の2、令和8年1月1日施行
第四十五条の三の二 法第八十五条第三項(法第八十七条の五第二項及び第八十八条の三第二項において準用する場合を含む。)に規定する政令で定める物品は、日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定第六条1bに規定する資材、需品又は装備とする。
日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定
第6条1bに規定する
・資材
・需品
・装備
の3つです。
日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定
第6条1bを見てみましょう。
1、日本国政府は、次のものを許与するものとする。
a この協定又はアメリカ合衆国政府と他の被援助国との間の同種の協定に基いて日本国の領域に輸入され又はそこから輸出される資材、需品又は装備に対してその輸入又は輸出の際に課せられる関税及び内国税の免除(別段の合意がある場合を除く。)
b 附属書Eに掲げる日本の租税が、この協定又はアメリカ合衆国政府と他の被援助国との間の同種の協定に基く資材、需品、装備及び役務の調達のための日本国におけるアメリカ合衆国政府の支出金又は同政府が融資する支出金に影響するときは、その租税の免除又はその払いもどし当時の附属書E第1項に掲げる日本の租税は、次の4つです。
a、物品税
b、通行税
c、揮発油税
d、電気ガス税
附属書E第5項には、
第6条及びこの附属書は、
a、日本国の法令で定める輸入又は輸出の手続の免除を必要とするものと解してはならず、また、
b、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第3条に基く行政協定その他の現行の協定及び取極に従って日本国の法令で定める関税及び内国税の免除に影響を及ぼすものと解してはならない。と規定されています。
税関長の承認の対象外となり、物品の所持者が保税地域から引き取るものとして取り扱われること(みなし引き取り)になった場合、原則として物品の所在場所が納税地となります。
特例では、いずれかの税関長に対して申告が可能ですが、第6条1bの資材・需品・装備の3つについては、特例が利用できません。そのため、物品の所在場所が納税地となります。
租税の免除や払い戻しがあるため、いずれかの税関長(特例)ではなく、所轄の税関長(原則)に申告書を提出するような仕組みなのでしょう。
参考事項
関連規定のまとめ
租税特別措置法
第85条、外航船等に積み込む物品の譲渡等に係る免税
・第1項、消費税の免除
・第2項、みなし引き取り(消費税の発生)
・第3項、申告書の提出先の特例
租税特別措置法施行令
第45条、指定物品の範囲等
・第1項、指定物品
・第2項、政令で定める船舶
第45条の2、酒類等の外航船等への積込みの承認
・第1項、積込みの承認申請と申告
・第2項、税関長の承認
・第3項、積込み指定と延長
・第4項、表示命令
・第5項、相当の数量
第45条の3、酒類等の積換えの承認等
・第1項、積換えの承認申請
・第2項、積換えの準用規定
・第3項、税関長の施封
・第4項、一時的に外航船等でなくなる場合
・第5項、一時的に外航船等でなくなる場合の準用規定
第45条の3の2、申告書の提出先の特例を適用しない物品の指定
租税特別措置法施行規則
第32条、遠洋漁業船等の範囲
第33条、指定期間の延長手続
第34条、酒類の数量の計算方法
第35条、外航船等への積込みにつき承認を受けた事実を証する書類の写しの交付
第36条、外航船等に積み込む酒類等の免税手続
