今回は、自宅等を売却したときの損失に関する所得税の特例のうち、繰越控除がある場合の合計所得金額と課税標準を確認してみましょう。
繰越控除がある場合と他規定との関係
今回確認する規定は、こちらです。
12 第四項の規定の適用がある場合には、次に定めるところによる。
租税特別措置法第41条の5第12項、令和8年1月1日施行
一 所得税法第二条第一項第三十号から第三十四号の五までの規定の適用については、同項第三十号中「の規定」とあるのは、「並びに租税特別措置法第四十一条の五(居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除)の規定」とする。
二 所得税法第二十二条の規定の適用については、同条第二項中「又は第七十一条第一項(雑損失の繰越控除)」とあるのは「、第七十一条第一項(雑損失の繰越控除)又は租税特別措置法第四十一条の五第四項(居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除)」と、同条第三項中「又は第七十一条」とあるのは「若しくは第七十一条又は租税特別措置法第四十一条の五」とする。
三 省略
四 省略
五 省略
第4項(繰越控除)の適用がある場合は、他規定を読み替える必要があります。5つありますので、今回は2つ見てみましょう。
合計所得金額との関係
1つ目は、合計所得金額との関係です。
一 所得税法第二条第一項第三十号から第三十四号の五までの規定の適用については、同項第三十号中「の規定」とあるのは、「並びに租税特別措置法第四十一条の五(居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除)の規定」とする。第30号から第34号の5までを見てみましょう。
1、第30号、寡婦
2、第31号、ひとり親
3、第32号、勤労学生
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4、第33号、同一生計配偶者
5、第33号の2、控除対象配偶者
6、第33号の3、老人控除対象配偶者
7、第33号の4、源泉控除対象配偶者
—
8、第34号、扶養親族
9、第34号の2、控除対象扶養親族
10、第34号の3、特定扶養親族
11、第34号の4、老人扶養親族
12、第34号の5、源泉控除対象親族
対象となる規定は12個ありますが、読み替える規定は、第30号の1つだけです。読み替えてみましょう。
三十 寡婦 次に掲げる者でひとり親に該当しないものをいう。
イ 夫と離婚した後婚姻をしていない者のうち、次に掲げる要件を満たすもの
(1) 扶養親族を有すること。
(2) 第七十条(純損失の繰越控除)及び第七十一条(雑損失の繰越控除)の規定並びに租税特別措置法第四十一条の五(居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除)の規定を適用しないで計算した場合における第二十二条(課税標準)に規定する総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額の合計額(以下この条において「合計所得金額」という。)が五百万円以下であること。
(3) 省略1、第70条、純損失の繰越控除
2、第71条、雑損失の繰越控除
3、措置法第41条の5、居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除
の3つを適用しないで計算した場合の総所得金額、
に変わります。繰越控除を計算しない場合の「合計所得金額」が500万円以下であることが寡婦の要件の1つです。
寡婦の規定で
(以下この条において「合計所得金額」という。)
とあるため、第2条(定義)においては、全て措置法第41条の5「居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除」を適用しないで合計所得金額を計算する必要があります。
課税標準との関係
2つ目は、課税標準との関係です。
第22条は、課税標準に関する規定です。
二 所得税法第二十二条の規定の適用については、同条第二項中「又は第七十一条第一項(雑損失の繰越控除)」とあるのは「、第七十一条第一項(雑損失の繰越控除)又は租税特別措置法第四十一条の五第四項(居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除)」と、同条第三項中「又は第七十一条」とあるのは「若しくは第七十一条又は租税特別措置法第四十一条の五」とする。読み替えてみましょう。
先に第2項です。
2 総所得金額は、次節(各種所得の金額の計算)の規定により計算した次に掲げる金額の合計額(第七十条第一項若しくは第二項(純損失の繰越控除)又は第七十一条第一項(雑損失の繰越控除)、第七十一条第一項(雑損失の繰越控除)又は租税特別措置法第四十一条の五第四項(居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除)の規定の適用がある場合には、その適用後の金額)とする。
一 省略
二 省略総所得金額は、措置法第41条の5第4項(居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除)の適用がある場合は、適用した「後」の金額です。
次は、第3項です。
3 退職所得金額又は山林所得金額は、それぞれ次節の規定により計算した退職所得の金額又は山林所得の金額(これらの金額につき第六十九条、第七十条又は第七十一条若しくは第七十一条又は租税特別措置法第四十一条の五の規定の適用がある場合には、その適用後の金額)とする。
退職所得金額や山林所得金額は、措置法第41条の5の適用がある場合は、適用した「後」の金額です。
第2項の本文は繰越控除だけなので措置法第41条の5「第4項」と読み替えていますが、第3項については、損益通算の規定が規定されているため、第4項の規定だけではなく第41条の5全体を指しているのでしょう。
参考情報
政令委任規定
11 第一項、第四項及び前三項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
租税特別措置法第41条の5第11項、令和8年1月1日施行
1、第1項、損益通算と繰越控除
2、第4項、繰越控除
3、前3項(第8項、第9項、第10項)、繰越控除や繰戻し還付
の適用がある場合、政令を確認する必要があります。
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