今回は、消費税の「課税期間」を確認します。
目次
規定の概要
規定の全体像を確認します。
- 課税期間の定義 ← 今回確認
- 課税期間短縮(変更)届出書の効力
- 課税期間短縮(変更)不適用届出書の提出義務
- 課税期間短縮(変更)不適用届出書の効力
- 課税期間短縮(変更)不適用届出書の提出制限
課税期間の定義
消費税の納税義務者は、個人事業者と法人です。
そのため、課税期間についても個人事業者と法人に区別されています。
- 個人事業者
- 法人
- 課税期間を3月にした個人事業者
- 課税期間を1月にした個人事業者
- 課税期間を3月にした法人
- 課税期間を1月にした法人
1と2を確認します。
1の個人事業者の課税期間は、
所得税の計算期間と同じ暦年(1/1-12/31)です。
2の法人の課税期間は、
法人税の計算期間と同じ事業年度です。
課税期間の短縮
消費税の課税期間は原則として1年間ですが、
3月又は1月に短縮・変更することができます。
課税期間を短縮する主な目的は消費税の還付を早く受けることです。輸出企業や高額な設備投資を行った場合、消費税の還付を受けることが可能です。
消費税の還付を受けるためには確定申告が必要となりますが、課税期間が1年の場合だと、すぐに消費税の還付を受けることができません。この場合に課税期間を短縮して、消費税の還付のタイミングを早めることが可能となります。
短縮・変更については、届出書を提出する必要があります。
届出に関する規定は、別途確認します。
課税期間を3月にした個人事業者(3号)
3号は、1年の課税期間を3月ごとに短縮した個人事業者と
1月ごとに短縮した課税期間を3月ごとに変更した個人事業者
に関する規定です。
3号の課税期間は、次の4つです。
- 1月1日から3月31日
- 4月1日から6月30日
- 7月1日から9月30日
- 10月1日から12月31日
課税期間を1月にした個人事業者(3号の2)
3号の2は、1年の課税期間を1月ごとに短縮した個人事業者と
3月ごとに短縮した課税期間を1月ごとに変更した個人事業者
に関する規定です。
3号の2の課税期間は、
1月1日以後1月ごとに区分した各期間(毎月)となります。
課税期間を3月にした法人(4号)
4号は、1年の課税期間を3月ごとに短縮した法人と
1月ごとに短縮した課税期間を3月ごとに変更した法人
に関する規定です。
4号の課税期間は、事業年度を開始の日から3月ごとに区分します。
- 事業年度開始日から3か月間
- 1の末日の翌日から3か月間
- 2の末日の翌日から3か月間
- 3の末日の翌日から3か月間(※)
(※)4について、3月未満の端数が生じた場合は、その3月未満の期間となります。例えば、11月1日~12月31日(決算日)の場合は、2月間しかありませんが、この2月間が課税期間となります。
課税期間を1月にした法人(4号の2)
4号の2は、1年の課税期間を1月ごとに短縮した法人と
3月ごとに短縮した課税期間を1月ごとに変更した法人
に関する規定です。
4号の2の課税期間は、
事業年度を開始の日以後1月ごとに区分した各期間(毎月)となります。
3月の課税期間の場合と同様に、最後の期間が1月未満の場合は、
その1月未満の期間が課税期間となります。
まとめ
内容 | 個人事業者 | 法人 |
---|---|---|
原則 | 1/1-12/31 | 事業年度 |
3月課税期間 | 1月1日~3月31日 4月1日~6月30日 7月1日~9月30日 10月1日~12月31日 | 事業年度開始の日以後3月ごとに区分した各期間 |
1月課税期間 | 毎月 | 事業年度開始の日以後1月ごとに区分した各期間 |
参考規定
課税期間の定義
第十九条 この法律において「課税期間」とは、次の各号に掲げる事業者の区分に応じ当該各号に定める期間とする。
消費税法
一 個人事業者(第三号又は第三号の二に掲げる個人事業者を除く。) 一月一日から十二月三十一日までの期間
二 法人(第四号又は第四号の二に掲げる法人を除く。) 事業年度
三 第一号に定める期間を三月ごとの期間に短縮すること又は次号に定める各期間を三月ごとの期間に変更することについてその納税地を所轄する税務署長に届出書を提出した個人事業者 一月一日から三月三十一日まで、四月一日から六月三十日まで、七月一日から九月三十日まで及び十月一日から十二月三十一日までの各期間
三の二 第一号に定める期間を一月ごとの期間に短縮すること又は前号に定める各期間を一月ごとの期間に変更することについてその納税地を所轄する税務署長に届出書を提出した個人事業者 一月一日以後一月ごとに区分した各期間
四 その事業年度が三月を超える法人で第二号に定める期間を三月ごとの期間に短縮すること又は次号に定める各期間を三月ごとの期間に変更することについてその納税地を所轄する税務署長に届出書を提出したもの その事業年度をその開始の日以後三月ごとに区分した各期間(最後に三月未満の期間を生じたときは、その三月未満の期間)
四の二 その事業年度が一月を超える法人で第二号に定める期間を一月ごとの期間に短縮すること又は前号に定める各期間を一月ごとの期間に変更することについてその納税地を所轄する税務署長に届出書を提出したもの その事業年度をその開始の日以後一月ごとに区分した各期間(最後に一月未満の期間を生じたときは、その一月未満の期間)