今回は、賃上げ促進税制に関する経過措置を確認します。
目次
経過措置のまとめ
令和4年4月1日からスタートした賃上げ促進税制は、
改正により経過措置が設けられています。
長い文章が多いので、規定(施行令附則45条の2)をまとめます。
- 施行令第27条の12の5
第9項(継続雇用者比較給与等支給額)
第17項(12項、14項に規定する基準日)
(12項は合併、14項は分割等) - 施行令第27条の12の5
第12項(合併があった場合の比較教育訓練費の額)
第14項(分割等があった場合の比較教育訓練費の額) - 改正法附則第115条の3第1項(比較教育訓練費の額、比較雇用者給与等支給額)に規定する政令で定めるところにより計算した金額(月数が異なる場合)
- 施行令第27条の12の5
第18項(比較雇用者給与等支給額) - 施行令第27条の12の5
第19項(合併があった場合の比較雇用者給与等支給額)
第20項(分割等があった場合の比較雇用者給与等支給額) - 施行令第27条の12の5
第21項(雇用安定助成金額がある場合) - 第3項及び第5項の月数
措置法の経過措置
附則115条の3の内容は、次の2点です。
1、比較教育訓練費の額(8号に規定する教育訓練費の額)には、
連結納税制度で損金算入した教育訓練費の額を含みます。
2、比較雇用者給与等支給額(10号に規定する給与等の支給額)には、
連結納税制度で損金算入した雇用者給与等を含みます。
前期が通常の事業年度ではなく、連結事業年度であっても
同じ計算をするための経過措置です。
参考規定
給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除に関する経過措置
(給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除に関する経過措置)
租税特別措置法附則、給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除に関する経過措置
第115条の3 四年新措置法第四十二条の十二の五の規定の適用については、同条第三項第八号に規定する教育訓練費の額には同号に規定する各事業年度に該当する連結事業年度の連結所得(四年旧措置法第二条第二項第二十二号に規定する連結所得をいう。以下附則第百二十四条までにおいて同じ。)の金額の計算上損金の額に算入された四年旧措置法第四十二条の十二の五第一項第二号に規定する教育訓練費の額(当該連結事業年度の月数と当該適用年度(四年新措置法第四十二条の十二の五第三項第四号に規定する適用年度をいう。以下この項において同じ。)の月数とが異なる場合には、当該教育訓練費の額に当該適用年度の月数を乗じてこれを当該連結事業年度の月数で除して計算した金額)を含むものとし、租税特別措置法第四十二条の十二の五第三項第十号に規定する給与等の支給額には同号に規定する前事業年度に該当する連結事業年度の連結所得の金額の計算上損金の額に算入された国内雇用者(四年旧措置法第四十二条の十二の五第三項第二号に規定する国内雇用者をいう。)に対する四年旧措置法第四十二条の十二の五第三項第三号に規定する給与等の同項第四号に規定する支給額(当該連結事業年度の月数と当該適用年度の月数とが異なる場合には、その月数に応じ政令で定めるところにより計算した金額)を含むものとする。
2 前項の月数は、暦に従って計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。
前期月数と当期月数が異なる場合
前期月数と当期月数が異なる場合の
比較雇用者給与等支給額の調整方法は、次の3パターンです。
1、連結事業年度の月数>当期の月数となる場合
連結事業年度の給与等支給額(12月相当)
×当期月数(6月)÷連結事業年度の月数(12月)
2、連結事業年度の月数<当期の月数となる場合
イ、連結事業年度の月数が6月未満の場合(短すぎる場合)
前期が短すぎる場合は、適用年度開始の日前1年以内に終了した各連結事業年度(連結事業年度等、注1)の給与等支給額の合計額(4月+6月=10月相当)
×当期月数(12月)÷連結事業年度等の合計数(10月)
注1
前1年以内に終了した事業年度が連結事業年度に該当しない場合は、事業年度
ロ、連結事業年度の月数が6月以上の場合
連結事業年度の給与等支給額(6月相当)
×当期月数(12月)÷連結事業年度の月数(6月)
参考規定
前事業年度が連結事業年度の場合で、
当期月数と前期月数が異なる場合の経過措置
3 改正法附則第百十五条の三第一項に規定する政令で定めるところにより計算した金額は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額とする。
租税特別措置法施行令附則45条の2、給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除に関する経過措置
一 租税特別措置法第四十二条の十二の五第三項第十号の前事業年度に該当する連結事業年度の月数が同号の適用年度の月数を超える場合 当該連結事業年度に係る給与等支給額(その連結所得の金額の計算上損金の額に算入される旧国内雇用者に対する旧給与等の旧支給額をいう。次号イ及びロにおいて同じ。)に当該適用年度の月数を乗じてこれを当該連結事業年度の月数で除して計算した金額
二 租税特別措置法第四十二条の十二の五第三項第十号の前事業年度に該当する連結事業年度の月数が同号の適用年度の月数に満たない場合 次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める金額
イ 当該連結事業年度が六月に満たない場合 当該適用年度開始の日前一年(当該適用年度が一年に満たない場合には、当該適用年度の期間。イにおいて同じ。)以内に終了した各連結事業年度(当該開始の日前一年以内に終了した事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度。イにおいて「連結事業年度等」という。)に係る給与等支給額(当該事業年度にあっては、当該事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される旧国内雇用者に対する旧給与等の旧支給額)の合計額に当該適用年度の月数を乗じてこれを連結事業年度等の月数の合計数で除して計算した金額
ロ 当該連結事業年度が六月以上である場合 当該連結事業年度に係る給与等支給額に当該適用年度の月数を乗じてこれを当該連結事業年度の月数で除して計算した金額
措置法施行令の経過措置
施行令にも経過措置が7つ設けられています。
継続雇用者比較給与等支給額と基準日
施行令9項(継続雇用者比較給与等支給額)、
施行令17項(12項、14項に規定する基準日)については、
連結納税制度で損金算入される旧国内雇用者に対する旧給与等の旧支給額は、
施行令9項、施行令17項1号に規定する給与等支給額とみなします。
前期が通常の事業年度ではなく、連結事業年度であっても
同じ計算をするための経過措置です。
参考規定、経過措置
(給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除に関する経過措置)
租税特別措置法施行令附則45条の2、給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除に関する経過措置
第四十五条の二 租税特別措置法施行令第二十七条の十二の五第九項及び第十七項の規定の適用については、法人の連結事業年度の連結所得の金額の計算上損金の額に算入される旧租税特別措置法第四十二条の十二の五第三項第二号に規定する国内雇用者(以下この条において「旧国内雇用者」という。)に対する同項第三号に規定する給与等(以下この条において「旧給与等」という。)の同項第四号に規定する支給額(以下この条において「旧支給額」という。)は、同令第二十七条の十二の五第九項各号及び第十七項第一号に規定する給与等支給額とみなす。
施行令9項の規定(継続雇用者比較給与等支給額)の内容
7項1号、当期月数と前期月数が同じ場合
7項2号イ、当期月数と前期月数が異なる場合、前期月数<当期月数のケース。
7項2号ロ、当期月数と前期月数が異なる場合、前期月数>当期月数のケース。
参考規定
継続雇用者比較給与等支給額(施行令9項)
9 法第四十二条の十二の五第三項第五号に規定する政令で定める金額は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額とする。
租税特別措置法施行令27条の12の5、給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除
一 第七項第一号に掲げる場合 法第四十二条の十二の五第三項第五号の法人の第七項第一号に規定する前事業年度に係る給与等支給額(法人の事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される国内雇用者(同条第三項第二号に規定する国内雇用者をいう。以下この条において同じ。)に対する給与等の支給額(法第四十二条の十二の五第三項第四号に規定する支給額をいう。第十九項及び第二十項において同じ。)をいう。以下第十八項までにおいて同じ。)のうち継続雇用者に係る金額
二 第七項第二号イに掲げる場合 法第四十二条の十二の五第三項第五号の法人の第七項第二号イに規定する前一年事業年度に係る給与等支給額のうち継続雇用者に係る金額(当該前一年事業年度の前一年事業年度特定期間に対応する金額に限る。)の合計額に同号イの適用年度の月数を乗じてこれを前一年事業年度特定期間の月数の合計数で除して計算した金額
三 第七項第二号ロに掲げる場合 法第四十二条の十二の五第三項第五号の法人の第七項第二号ロの前事業年度に係る給与等支給額のうち継続雇用者に係る金額(当該前事業年度の同号ロに規定する前事業年度特定期間に対応する金額に限る。)
参考規定、基準日の定義(施行令17項)
17 第十二項及び第十四項に規定する基準日とは、次に掲げる日のうちいずれか早い日をいう。
租税特別措置法施行令27条の12の5、給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除
一 法第四十二条の十二の五第一項又は第二項の規定の適用を受けようとする法人(以下この号において「適用法人」という。)が未経過法人に該当し、かつ、当該適用法人がその設立の日から適用年度開始の日の前日までの期間内に行われた合併又は分割等(残余財産の全部の分配に該当する現物分配にあつては当該設立の日から当該適用年度開始の日の前日を含む事業年度終了の日の前日までの期間内においてその残余財産が確定したものとし、その分割等に係る移転給与等支給額(給与等支給額を教育訓練費の額とみなした場合における前項に規定する移転教育訓練費の額をいう。)が零である場合における当該分割等を除く。以下この号及び第十九項第一号イにおいて同じ。)に係る合併法人又は分割承継法人等に該当する場合(当該設立の日から当該合併又は分割等の日の前日(残余財産の全部の分配に該当する現物分配にあつては、その残余財産の確定の日。第十九項第一号イにおいて同じ。)までの期間に係る給与等支給額が零である場合に限る。)における当該合併又は分割等に係る被合併法人又は分割法人等の当該適用年度開始の日前一年以内に開始した各事業年度のうち最も古い事業年度開始の日
二 適用年度開始の日前一年以内に開始した各事業年度のうち最も古い事業年度開始の日
未経過法人でない場合は、原則として前事業年度の開始日となります。
合併、分割等があった場合の比較教育訓練費の額
施行令12項(合併があった場合の比較教育訓練費の調整)、
施行令14項(分割等があった場合の比較教育訓練費の調整)については、
連結納税制度で損金算入される教育訓練費の額は、
施行令12項、施行令14項により損金算入される教育訓練費の額とみなします。
前期が通常の事業年度ではなく、連結事業年度であっても
同じ計算をするための経過措置です。
参考規定
合併、分割等があった場合の比較教育訓練費(連結事業年度)の経過措置
2 租税特別措置法施行令第二十七条の十二の五第十二項及び第十四項の規定の適用については、法人の連結事業年度の連結所得の金額の計算上損金の額に算入される旧租税特別措置法第四十二条の十二の五第一項第二号に規定する教育訓練費の額は、同令第二十七条の十二の五第十二項及び第十四項に規定する法人の事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される租税特別措置法第四十二条の十二の五第一項第二号に規定する教育訓練費の額とみなす。
租税特別措置法施行令附則45条の2、給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除に関する経過措置
参考規定
合併があった場合の比較教育訓練費の額の調整
12 法第四十二条の十二の五第一項又は第二項の規定の適用を受けようとする法人が次の各号に掲げる合併法人に該当する場合のその適用を受けようとする事業年度(以下第十七項までにおいて「適用年度」という。)の当該法人の同条第三項第八号に規定する比較教育訓練費の額(第十四項において「比較教育訓練費の額」という。)の計算における同号の教育訓練費の額については、当該法人の当該各号に規定する調整対象年度に係る教育訓練費の額(法人の事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される同条第一項第二号に規定する教育訓練費の額をいう。以下この項及び次項において同じ。)は、当該各号に定めるところによる。
租税特別措置法施行令27条の12の5、給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除
一 適用年度において行われた合併に係る合併法人 当該合併法人の基準日から当該適用年度開始の日の前日までの期間内の日を含む各事業年度(当該合併法人が当該適用年度開始の日においてその設立の日の翌日以後一年を経過していない法人(以下第十七項までにおいて「未経過法人」という。)に該当する場合には、基準日から当該合併法人の設立の日の前日までの期間を当該合併法人の事業年度とみなした場合における当該事業年度を含む。以下この号において「調整対象年度」という。)については、当該各調整対象年度ごとに当該合併法人の当該各調整対象年度に係る教育訓練費の額に当該各調整対象年度に含まれる月の当該合併に係る被合併法人の月別教育訓練費の額を合計した金額に当該合併の日から当該適用年度終了の日までの期間の月数を乗じてこれを当該適用年度の月数で除して計算した金額を加算する。
二 基準日から適用年度開始の日の前日までの期間内において行われた合併に係る合併法人 当該合併法人の基準日から当該合併の日の前日までの期間内の日を含む各事業年度(当該合併法人が未経過法人に該当する場合には、基準日から当該合併法人の設立の日の前日までの期間を当該合併法人の事業年度とみなした場合における当該事業年度を含む。以下この号において「調整対象年度」という。)については、当該各調整対象年度ごとに当該合併法人の当該各調整対象年度に係る教育訓練費の額に当該各調整対象年度に含まれる月の当該合併に係る被合併法人の月別教育訓練費の額を合計した金額を加算する。
前期月数と当期月数が異なる場合の比較雇用者給与等支給額
施行令18項(比較雇用者給与等支給額、月数が異なる場合)の規定については、同項(施行令18項)第2号イの1年以内に終了した各連結事業年度で損金算入した旧国内雇用者に対する旧給与等の旧支給額は、同号(第二号)イの前一年事業年度に係る給与等支給額とみなします。
前一年事業年度が通常の事業年度ではなく、連結事業年度であっても
同じ計算をするための経過措置です。
施行令18項の内容
1号、前期月数(12月)>当期月数(7月)
前期の給与等支給額(12月相当)×当期月数(7月)÷前期月数(12月)
2号、前期月数<当期月数
イ、前期が6月未満の場合(短すぎる場合)
前期が短すぎる場合は、適用年度開始の日前1年以内に終了した各事業年度(前一年事業年度)の給与等支給額の合計額(5月+4月=9月相当)×当期月数(12月)÷前一年事業年度月数の合計数(9月)
ロ、前期が6月以上の場合
前期の給与等支給額(8月相当)×当期月数(12月)÷前期月数(8月)
参考規定、比較雇用者給与等支給額の月数が異なる場合の経過措置
4 租税特別措置法施行令第二十七条の十二の五第十八項の規定の適用については、同項第二号イに規定する一年以内に終了した各連結事業年度の連結所得の金額の計算上損金の額に算入される旧国内雇用者に対する旧給与等の旧支給額は、同号イに規定する前一年事業年度に係る給与等支給額とみなす。
租税特別措置法施行令附則45条の2、給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除に関する経過措置
参考規定、比較雇用者給与等支給額の月数が異なる場合
18 法第四十二条の十二の五第三項第十号に規定する政令で定めるところにより計算した金額は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額とする。
租税特別措置法施行令27条の12の5、給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除
一 法第四十二条の十二の五第三項第十号の前事業年度の月数が同号の適用年度の月数を超える場合 当該前事業年度に係る給与等支給額に当該適用年度の月数を乗じてこれを当該前事業年度の月数で除して計算した金額
二 法第四十二条の十二の五第三項第十号の前事業年度の月数が同号の適用年度の月数に満たない場合 次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める金額
イ 当該前事業年度が六月に満たない場合 当該適用年度開始の日前一年(当該適用年度が一年に満たない場合には、当該適用年度の期間)以内に終了した各事業年度(イにおいて「前一年事業年度」という。)に係る給与等支給額の合計額に当該適用年度の月数を乗じてこれを前一年事業年度の月数の合計数で除して計算した金額
ロ 当該前事業年度が六月以上である場合 当該前事業年度に係る給与等支給額に当該適用年度の月数を乗じてこれを当該前事業年度の月数で除して計算した金額
合併、分割等があった場合の比較雇用者給与等支給額
みなし規定が2つあります。
1つ目
施行令19項(合併があった場合の比較雇用者給与等支給額の調整)、
施行令20項(分割等があった場合の比較雇用者給与等支給額の調整)
については、当期月数と前期の連結事業年度月数とが異なる場合における
第3項1号、第3項2号イ、第3項2号ロの給与等支給額は、比較雇用者給与等支給額の給与等の支給額とみなされます。
施行令27条の12の5第3項1号、第3項2号イ、第3項2号ロの規定は、「地方活力向上地域等において雇用者の数が増加した場合の法人税額の特別控除(措置法42条の12)との調整」に関する規定です。
2つ目
連結事業年度で損金算入した旧国内雇用者の旧給与等の旧支給額は、
合併(19項)、分割等(20項)の事業年度の損金算入した国内雇用者に対する給与等の支給額とみなされます。
前期が通常の事業年度ではなく、連結事業年度であっても
同じ計算をするための経過措置です。
参考規定
合併、分割等があった場合の比較雇用者給与等支給額の調整の経過措置
5 租税特別措置法施行令第二十七条の十二の五第十九項及び第二十項の規定の適用については、同条第十九項に規定する適用年度の月数と当該適用年度開始の日の前日を含む連結事業年度の月数とが異なる場合における第三項第一号又は第二号イ若しくはロの給与等支給額は租税特別措置法第四十二条の十二の五第三項第十号に規定する比較雇用者給与等支給額の計算における同号の給与等の支給額とみなし、法人の連結事業年度の連結所得の金額の計算上損金の額に算入される旧国内雇用者に対する旧給与等の旧支給額は同令第二十七条の十二の五第十九項及び第二十項に規定する法人の事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される国内雇用者に対する給与等の支給額とみなす。
租税特別措置法施行令附則45条の2、給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除に関する経過措置
参考規定、地方活力向上地域等において雇用者の数が増加した場合の法人税額の特別控除との調整
3 法第四十二条の十二の五第一項に規定する政令で定めるところにより計算した金額は、同項の法人の同項の規定の適用を受けようとする事業年度(以下この項において「適用年度」という。)に係る同条第三項第六号イに規定する雇用者給与等支給額を当該適用年度終了の日における法第四十二条の十二第六項第三号に規定する雇用者の数で除して計算した金額に次に掲げる数を合計した数(当該合計した数が地方事業所基準雇用者数(同条第一項第二号イに規定する地方事業所基準雇用者数をいう。以下この項において同じ。)を超える場合には、当該地方事業所基準雇用者数)を乗じて計算した金額の百分の二十に相当する金額とする。
租税特別措置法施行令27条の12の5、給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除
一 当該法人が当該適用年度において法第四十二条の十二第一項の規定の適用を受ける場合における当該適用年度の特定新規雇用者基礎数(同項第二号イに規定する特定新規雇用者基礎数をいう。次号イにおいて同じ。)と当該適用年度の特定非新規雇用者基礎数(同項第二号ロに規定する特定非新規雇用者基礎数をいう。次号ロにおいて同じ。)とを合計した数
二 当該法人が当該適用年度において法第四十二条の十二第二項の規定の適用を受ける場合における当該適用年度の同条第六項第十二号に規定する移転型地方事業所基準雇用者数から当該法人が当該適用年度において同条第一項の規定の適用を受ける場合における当該適用年度の次に掲げる数を合計した数を控除した数
イ 特定新規雇用者基礎数のうち法第四十二条の十二第六項第九号に規定する移転型特定新規雇用者数に達するまでの数
ロ 特定非新規雇用者基礎数のうち法第四十二条の十二第一項第二号ロに規定する移転型特定非新規雇用者基礎数に達するまでの数
参考規定
合併があった場合の比較雇用者給与等支給額の調整
19 法第四十二条の十二の五第一項又は第二項の規定の適用を受けようとする法人(以下この項及び次項において「適用法人」という。)が給与等基準日(次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める日をいう。以下この項及び次項において同じ。)から同条第一項又は第二項の規定の適用を受けようとする事業年度(以下この項及び次項において「適用年度」という。)終了の日までの期間内において行われた合併に係る合併法人に該当する場合の当該適用法人の当該適用年度における比較雇用者給与等支給額(同条第三項第十号に規定する比較雇用者給与等支給額をいう。次項において同じ。)の計算における同号の給与等の支給額(当該適用年度の月数と当該適用年度開始の日の前日を含む事業年度(以下この項及び次項において「前事業年度」という。)の月数とが異なる場合には、前項第一号又は第二号イ若しくはロの給与等支給額)については、給与等基準日を第十二項各号の基準日と、給与等未経過法人(当該適用年度開始の日においてその設立の日の翌日以後一年(当該適用年度が一年に満たない場合には、当該適用年度の期間。第一号において同じ。)を経過していない法人をいう。第一号イ及び次項において同じ。)を第十二項各号の未経過法人と、給与等支給額(法人の事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される国内雇用者に対する給与等の支給額をいう。第一号イにおいて同じ。)を同項の教育訓練費の額と、それぞれみなした場合における同項各号に掲げる法人の区分に応じ当該各号に定めるところによる。
租税特別措置法施行令27条の12の5、給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除
一 前事業年度の月数が適用年度の月数に満たない場合で、かつ、当該前事業年度が六月に満たない場合 次に掲げる日のうちいずれか早い日
イ 当該適用法人が給与等未経過法人に該当し、かつ、当該適用法人がその設立の日から当該適用年度開始の日の前日までの期間内に行われた合併又は分割等に係る合併法人又は分割承継法人等に該当する場合(当該設立の日から当該合併又は分割等の日の前日までの期間に係る給与等支給額が零である場合に限る。)における当該合併又は分割等に係る被合併法人又は分割法人等の当該適用年度開始の日前一年以内の日を含む各事業年度(当該被合併法人又は分割法人等の設立の日以後に終了した事業年度に限る。)のうち最も古い事業年度開始の日
ロ 当該適用年度開始の日前一年以内に終了した各事業年度(設立の日以後に終了した事業年度に限る。)のうち最も古い事業年度開始の日
二 前号に掲げる場合以外の場合 前事業年度開始の日
参考規定
分割等があった場合の比較雇用者給与等支給額の調整
20 適用法人が給与等基準日から適用年度終了の日までの期間内において行われた分割等に係る分割法人等又は適用年度において行われた分割等(残余財産の全部の分配に該当する現物分配にあつては、当該適用年度開始の日の前日から当該適用年度終了の日の前日までの期間内においてその残余財産が確定したもの)に係る分割承継法人等若しくは給与等基準日から適用年度開始の日の前日までの期間内において行われた分割等(残余財産の全部の分配に該当する現物分配にあつては、給与等基準日の前日から当該適用年度開始の日の前日を含む事業年度終了の日の前日までの期間内においてその残余財産が確定したもの)に係る分割承継法人等に該当する場合の当該適用法人の当該適用年度における比較雇用者給与等支給額の計算における法第四十二条の十二の五第三項第十号の給与等の支給額(当該適用年度の月数と前事業年度の月数とが異なる場合には、第十八項第一号又は第二号イ若しくはロの給与等支給額)については、給与等基準日を第十四項各号の基準日と、給与等未経過法人を同項第二号の未経過法人と、給与等支給額(法人の事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される国内雇用者に対する給与等の支給額をいう。)を同項の教育訓練費の額と、それぞれみなした場合における同項各号に掲げる法人の区分に応じ当該各号に定めるところによる。
租税特別措置法施行令27条の12の5、給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除
雇用安定助成金額がある場合
短い規定ですが、内容が複雑です。
参考規定、雇用安定助成金額がある場合の経過措置
6 租税特別措置法施行令第二十七条の十二の五第二十一項の規定の適用については、第三項第一号又は第二号イ若しくはロの給与等支給額は、同条第二十一項第一号に定める金額とみなす。
租税特別措置法施行令附則45条の2、給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除に関する経過措置
雇用安定助成金がある場合(施行令21項)の規定については、
3項1号、3項2号イ、3項2号ロ(月数が異なる場合の修正後、連結事業年度)の給与等支給額は、同条(施行令27条の12の5)21条項1号に定める金額とみなされます。
通常の事業年度と連結事業年度の違い
連結事業年度 | 通常の前事業年度 |
---|---|
連結事業年度で損金算入した 比較雇用者給与等支給額を含む。 (改正法附則第115条の3第1項) ↓ | 比較雇用者給与等支給額 (措法3項10号) ↓ |
月数が異なる場合は修正する。 (施行令附則45条の2第3項) 3項1号、3項2号イ、3項2号ロ ↓ | 月数が異なる場合は修正する。 (施行令18項) ↓ |
修正後の比較雇用者給与等支給額 この時点では、雇用安定助成金を控除していない。 ↓ | 修正後の比較雇用者給与等支給額 この時点では、雇用安定助成金を控除していない。 ↓ |
修正後の比較雇用者給与等支給額を施行令21項1号の金額とみなす。 (施行令附則45条の2第6項) みなした後に、施行令21項で 雇用安定助成金額を控除する。→ | 修正後の比較雇用者給与等支給額から雇用安定助成金額を控除する。 (施行令21項) |
参考規定、連結事業年度の月数と当期月数が異なる場合の修正
3 改正法附則第百十五条の三第一項に規定する政令で定めるところにより計算した金額は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額とする。
租税特別措置法施行令附則45条の2、給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除に関する経過措置
一 租税特別措置法第四十二条の十二の五第三項第十号の前事業年度に該当する連結事業年度の月数が同号の適用年度の月数を超える場合 当該連結事業年度に係る給与等支給額(その連結所得の金額の計算上損金の額に算入される旧国内雇用者に対する旧給与等の旧支給額をいう。次号イ及びロにおいて同じ。)に当該適用年度の月数を乗じてこれを当該連結事業年度の月数で除して計算した金額
二 租税特別措置法第四十二条の十二の五第三項第十号の前事業年度に該当する連結事業年度の月数が同号の適用年度の月数に満たない場合 次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める金額
イ 当該連結事業年度が六月に満たない場合 当該適用年度開始の日前一年(当該適用年度が一年に満たない場合には、当該適用年度の期間。イにおいて同じ。)以内に終了した各連結事業年度(当該開始の日前一年以内に終了した事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度。イにおいて「連結事業年度等」という。)に係る給与等支給額(当該事業年度にあっては、当該事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される旧国内雇用者に対する旧給与等の旧支給額)の合計額に当該適用年度の月数を乗じてこれを連結事業年度等の月数の合計数で除して計算した金額
ロ 当該連結事業年度が六月以上である場合 当該連結事業年度に係る給与等支給額に当該適用年度の月数を乗じてこれを当該連結事業年度の月数で除して計算した金額
修正後の給与等支給額は、
同条(施行令27条の12の5)21条項1号に定める金額とみなされます。
参考規定、雇用安定助成金額がある場合(施行令21項)
21 法第四十二条の十二の五第一項又は第二項の規定の適用を受けようとする法人が次の各号に掲げる場合に該当する場合において、当該各号に定める金額の計算の基礎となる給与等に充てるための同条第三項第六号イに規定する雇用安定助成金額があるときは、同号ロに掲げる金額は、当該各号に定める金額から当該雇用安定助成金額を控除して計算した同項第十号に規定する比較雇用者給与等支給額とする。
租税特別措置法施行令27条の12の5、給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除
一 法第四十二条の十二の五第三項第十号の前事業年度の月数と同号の適用年度の月数とが異なる場合 第十八項第一号又は第二号イ若しくはロの給与等支給額
二 前二項の規定によりみなされた第十二項又は第十四項の規定の適用を受ける場合 第十七項第一号又は前二項の給与等支給額
賃上げ促進税制を使用しようとする法人が次の各号に掲げる場合に該当する場合において、雇用安定助成金額があるときは、3項6号ロの金額(比較雇用者給与等支給額、雇用安定助成金額をマイナスした後)は、その各号に定める金額(修正後の比較雇用者給与等支給額)から「雇用安定助成金額」を控除して計算した10号に規定する比較雇用者給与等支給額とします。
次の各号に掲げる場合 | その各号に定める金額 |
---|---|
1号、比較雇用者給与等支給額(10号)の前期月数と当期月数が異なる場合 | 18項1号、18項2号イ、18項2号ロの給与等支給額 ここから「雇用安定助成金額」を控除して、10号の比較雇用者給与等支給額とします。 |
2号、合併(19項)と分割等(20項)によりみなされた12項、14項の適用がある場合 | 17項1号又は19項・20項の給与等支給額 ここから「雇用安定助成金額」を控除して、10号の比較雇用者給与等支給額とします。 |
参考規定、比較雇用者給与等支給額(雇用安定助成金控除後)の定義
3 この条において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
六 控除対象雇用者給与等支給増加額 法人の雇用者給与等支給額からその比較雇用者給与等支給額を控除した金額(当該金額が当該法人の調整雇用者給与等支給増加額(イに掲げる金額からロに掲げる金額を控除した金額をいう。)を超える場合には、当該調整雇用者給与等支給増加額)をいう。
租税特別措置法42条の12の5、給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除
イ 雇用者給与等支給額(当該雇用者給与等支給額の計算の基礎となる給与等に充てるための雇用安定助成金額(国又は地方公共団体から受ける雇用保険法第六十二条第一項第一号に掲げる事業として支給が行われる助成金その他これに類するものの額をいう。以下この号において同じ。)がある場合には、当該雇用安定助成金額を控除した金額)
ロ 比較雇用者給与等支給額(当該比較雇用者給与等支給額の計算の基礎となる給与等に充てるための雇用安定助成金額がある場合には、当該雇用安定助成金額を控除した金額)
参考規定、比較雇用者給与等支給額の定義
3 この条において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
租税特別措置法42条の12の5、給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除
十 比較雇用者給与等支給額 法人の前事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される国内雇用者に対する給与等の支給額(前事業年度の月数と適用年度の月数とが異なる場合には、その月数に応じ政令で定めるところにより計算した金額)をいう。
参考規定
施行令18項の規定、比較雇用者給与等支給額、月数が異なる場合
18 法第四十二条の十二の五第三項第十号に規定する政令で定めるところにより計算した金額は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額とする。
租税特別措置法施行令27条の12の5、給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除
一 法第四十二条の十二の五第三項第十号の前事業年度の月数が同号の適用年度の月数を超える場合 当該前事業年度に係る給与等支給額に当該適用年度の月数を乗じてこれを当該前事業年度の月数で除して計算した金額
二 法第四十二条の十二の五第三項第十号の前事業年度の月数が同号の適用年度の月数に満たない場合 次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める金額
イ 当該前事業年度が六月に満たない場合 当該適用年度開始の日前一年(当該適用年度が一年に満たない場合には、当該適用年度の期間)以内に終了した各事業年度(イにおいて「前一年事業年度」という。)に係る給与等支給額の合計額に当該適用年度の月数を乗じてこれを前一年事業年度の月数の合計数で除して計算した金額
ロ 当該前事業年度が六月以上である場合 当該前事業年度に係る給与等支給額に当該適用年度の月数を乗じてこれを当該前事業年度の月数で除して計算した金額
まとめ
比較雇用者給与等支給額を修正してから「雇用安定助成金額」を控除します。
1月未満の端数は切り上げる。
7 第三項及び第五項の月数は、暦に従って計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。
租税特別措置法施行令附則45条の2、給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除に関する経過措置